シュトルムとドロー、マルチネスにもダウンを奪い肉薄したマレー。
最高の意気込みで臨んだ一戦でしたが、GGGの何が強いのか浮き彫りとなる内容に映りました。
メイウェザーのように被弾しないスタイルではなく、圧力をかけて相手をねじ伏せるファイタースタイルのGGGだが、
ロマン・ゴンザレスやフリオ・セサール・チャベスのごとく、断続的な攻撃の厚みがすごく、攻防一体でありつつ常に攻め続けている。
攻撃こそ最大の防御を体現したスタイルだ。
パンチは一撃必殺の重さ、破壊力があり、相手としては休む間もなく殴られ続け、我慢の限界に達してしまう。
マレーはよく粘ったが、それだけであり、多くの挑戦者と同じく圧力に下がり、ただただ我慢のラウンドが続いた。
GGGはウェルターあたりのスター選手とは違い、スピードもなく華やかさもないように見えるが
とにかく普通の王者とは重厚さが違う。肘を入れるフックはじめ、当てるパンチのバリエーションも多彩だ。
スキルはもちろん何より体に漲るパワー、頑丈さが普通のミドル級とはかけはなれている。
コットとの統一戦を願っているようだが、恐らく実現しないだろう。
小さなコットの身体が危ない。
アンディー・リー、ピーター・クイリン、チャベスJrなど色々な名前が出ているが、敵ではないだろう。
ではどんな相手に可能性があるかといえば、シャープでキレと体格のあるディミトリアス・アンドラーデ、打たせないアンドレ・ウォード、
第二のGGGと言われる、屈強な印象の強いイエフゲン・ヒトロフなどだろう。
村田が絡むこともないだろう。五輪金の村田にとってもGGGは目指すべき、究極のプロスタイルを具現している。
いっそ、ピログ戦や困難な病から復活したダニエル・ジェイコブスなんてどうだろう?
ピログ戦以外はまだ底をみせていない。ほとんどKOで黒人本格ミドルとしての期待値は高い。
GGGがビッグマッチに絡めないのはウェルターあたりの激戦区とは、パワー差がありすぎ相手にされない。
かといってSミドルでも相手にされない、ミドル級のごくわずかな勇気のある選手としか試合が組めないからだろう。
しかし、マレーの頑張りで試合は11ラウンドまでいった。
序盤から圧倒されダメージの蓄積があったから、逆転の目はなかったが、長丁場になるとGGGもスローで雑になる。
マレーも好選手だけど、これが全盛期のマルチネスや消えたピログだったらもっとGGGをコントロールできていたかもしれないなどとおもってしまう。
チャベスでさえ、メルドリック・テーラーに敗れかけほころびをみせた。
軽量級の怪物、ロマゴンもエストラーダや井上という好敵手が現れた。
怪物的に強いけど、隙がまったくないとはいえないGGG
いつ誰がこの牙城を破るのか、はたまた、ハグラーやホプキンス、モンソンを越えた歴代最強の実績を打ち立てるのか
好きなボクサーではあるが、同時期にロイ・ジョーンズやホプキンス、ジェームス・トニー、ジェラルド・マクラレンあたりがいたらなぁ
なんておもってしまう。
その他
井岡VSレベコが決定したとか
やはり、大方の予想通りである。
フライ級では一番簡単な道を選択。
ずっと、レベコに絞って交渉してきたと見える。
こうも、予定調和だと白けまくりだ。
アムナットVSゾウシミンの裏で、こんなタイトルマッチがあっていいものか。
これで勝っても王者としての威厳は低い。
微妙な判定だとレベコは厳しい。
緩いが長い王者としての実績を披露し、井岡を子ども扱いして欲しい。
井岡は亀田と違い、確かな実力があるが、スケール感はない。
国籍を問わず、ボクシングスキル的にもレベコの方が老獪で好みだ。
心からレベコを応援したいとおもう。
ワシル・ロマチェンコVSシンペゥェ・ベチェカ
メイVSパックのアンダーで予定とか
ロマチェンコはメイが憧れるほどの実績を欲しいままにしたアマチュアだが
プロでは今後どうなるのだろう?
メイのようなディフェンシブなボクシングは本能的にしないっぽい。
そのほうがうれしいし楽しいが。
タイソンに憧れて、タイソンがウクライナ人ではない事を知って泣いたという、おかしな動機からはじめたボクシングらしいが、タイソンとはまるで違うコンプリートなスタイル、今のところ連打型でパンチャーではなくプロ向きでなさそうな感じだが、彼のボクシングを見るのは大好きだ。真似できない教科書、高度な参考書といえる。
ベチェカにとってはドネア戦のプレゼント的な試合。前試合にこんどマレスとやるアルツロ・サントスに勝っているとはいえ、ラッキーパンチ以外ではフルマークで勝てないだろう。
内山がスーパー王者に
WBAだからスーパー、レギュラー、暫定と3人体制となるのだろう。
これがビッグマッチへの布石となるのか、邪魔だから退いていただきたい措置なのかは謎だが、後者の意味合いが強いと感じる。
内山には他のベルト、統一戦のチャンスやビッグマッチの可能性があるとおもうが、どうも危ない橋は渡らせないようだ。強い相手はいるのに話にもならない。
井上が怪我で防衛戦延期
ナルバエス戦の怪我らしいからはじめからわかっていただろうになぜ今頃になって発表したのかな?
当初は一位のアローヨとやりたいと言っていたが、一位でなくなったしアローヨ本人が希望してるかどうかわからない。
フィリピンのアーサー・ビラヌエバあたりが妥当なところとなるのではないだろうか?
井上には無限の期待ができるので、究極のビッグマッチまではどんな相手でもいいし、怪我を完治させ万全のコンディションを作って欲しい。
ただ、ライバル、ロマゴンと同じくらいのペースでは試合をして欲しい。
ニカラグアの選手でマッチメイクが大変そうなのにノンタイトル含め、頻繁に試合するロマゴン、そこも強さの秘訣か、好感が持てるところだ。
テレンス・クロフォードが何か受賞
井上もすごいがやはり、ナルバエスよりガンボアに勝ち防衛もしたクロフォードの方が評価はされるべきかもしれない。
もうライト級を卒業してSライトに行くそうだ。
粟生にチャンスとあるが、クロフォードの穴を埋めるには説得力が足りなさすぎる。
クロフォードのボクシングに注文をつけるところはない。
現役最高峰のスイッチヒッターだ。左右ともに上手い。
しかし、Sライトでクロフォードに天敵となるのはマティセやプロボドニコフ
パンチャーファイターを克服できるかどうか、どんなに勝っても地味で覚えられないクロフォードの今後に注目だ。
マティセVSプロボドニコフ
延期だが確定っぽい。
メイVSパッキャオよりチケット買うならこっちにしたいほど。
マティセが怯んだら、プロボドニコフが牙をむく可能性はあるが、やはりマティセの方が好き。
カネロVSカークランド
唯一、メイVSパッキャオがあれば日程変更と言われ、事実そうなった。
カネロはメイウェザーを越えられなかった。
体格、パワー、スター性、メイウェザー超えを果たすべき役割、タイミングを逃した。
今後の敵はキース・サーマンやコット、GGGのいるミドルへの転向など路線を変えねばならない。
カークランドは格好の相手だ。久々のノックアウト勝負となるだろう。
キース・サーマンVSロバート・ゲレロ
ゲレロを応援している自分がいるが恐らく勝つのはサーマンだろう。
ベルト戦でみせた意外性、亀海戦でみせた巧さを発揮して、サーマンを狂わせたら面白い。