先日久しぶりにヘビー級の試合を見て、アマ王者、白いタイソン級であったポペドキンですらクリチコに何もできないのを目撃し改めてクリチコはスーパーヘビー級、過去のどんなレジェンドとも違う巨人なのだと確信しました。
アリ、タイソンなどに夢を描くものいいですがタイソン自身が全盛期であってもクリチコには勝てないだろう的なことを言ってましたが、試合にならない、サイズやパンチだけでなく体の強さ、重さ、かかる負担が違うのだろう。
10キロ10センチ違えば別の格闘技でも相当しんどいし、その大きな相手があんな慎重なスタイルでは・・・
無制限ルールのヘビー級ならではの現象である。
といってもそれは絶対的だが、美しい強さというよりは己の強みを生かした狡さ、慎重さなどが抜きんでているのであって退屈なのは相変わらず。
過去に敗戦もあるようにポカはあるのだ。まさにポカ負けでリベンジは確実に成功するのだけれど。
そんなクリチコ王朝も年齢という一点のみでもう残りわずかとなりそうだが、タイミング的に唯一可能性を残すランカーが
デオンティ・ワイルダー
だ。
身長201センチ
リーチ213センチ
五輪銅メダリストだが、ボクシング歴は浅くストロングポイントも限られている。ただただ右のワンパンチフィニッシャーである。
[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=Mqt6tW2a2Kc[/youtube]29勝29KO
対戦者の質は低かったがオードリー・ハリソンもセルゲイ・リャコビッチも初回の右で粉砕している。
大きくてスピードもあるからあまり緻密な駆け引きを必要とせずいきなり威嚇用にも倒す用にも思い切り右を振り回せる。
この右が半端ない。伸びも踏み込みもスピードも十分で、なによりその破壊力がすさまじい。
リャコビッチの効き方、これはドネアVSモンティエルと同じだ。体が痙攣している。
タイソン最強時の相手の効き方と同じくらいどれもが衝撃的な効きっぷりである。
元世界チャンピオンだけあってリャコビッチはパンチを読んでブロック固めているのにである。
サイズで負けていず、スピードも上、右の踏み込みと破壊力も上、しかし経験や組み立て、ジャブやその他のパンチ、総合力では劣る。
そんな彼が唯一残された打倒クリチコの最右翼だ。
勝機は右一発、勝っても負けてもKOしかありえない。
過去、どんな取りこぼしをした相手より危険でパワフルな武器をワイルダーは持っている。
右だけの単純なボクサーに映るがもはやこの男がナンバーワンコンテンダーであることに全く異論はない。