村田諒太のデビューと井上の日本王座戦で湧いた日でしたが、マニア的にはこっちでした。
ジョニー・ゴンザレスVSアブナー・マレス
ジョニゴン圧巻のノックアウト勝ち。しぶといマレスも芯に効いちゃいました。
西岡、長谷川の価値も高まったことでしょう。
新旧交代の空気漂う雰囲気でしたがジョニゴンは強い。パワー、体格、序盤のやりにくさなど誰もがKOされる危険を秘めています。
西岡のように序盤をしのぎ、距離とタイミングを掴んでからでないとジョニゴンは相当怖いです。
ポイントでもイスバス戦、ペニャロサ戦、西岡戦はまだ有利、長谷川戦も競っていたとおもいます。ポカすることは多いけど総合力はやっぱり高い嫌なボクサーです。
西岡にやられた時のようなボディいきそうで顔面に得意の左フック決めて一発で試合を決定づけました。
55勝利で47KO、軽量級ですさまじいKO率です。ファイタータイプでもないのに・・・
フェザーにふさわしいのはやはりジョニゴンでしょう。ただ(階級上げたか)ミゲル・ガルシアの方が強いとはおもいますが・・・
マレスは人気選手なのでまた王座に絡んでくるとはおもいますが、フェザーじゃやっぱ厳しいのではないだろうか?心折れる負け方でした。
レオ・サンタクルスVSビクター・テラザス
マレスよりむしろサンタクルスの方が体格がありタフなので階級アップに向いているとおもってましたが、予想以上の圧勝劇でした。
3ラウンドでもうテラザスがボコボコ。こんなに強かったっけ?マリンガや黄昏のムニョスにももうちょい苦戦していたような気がしますが・・・
階級アップが合っていたようです。存分に力を発揮できる階級にふさわしい人が来たという印象です。
長谷川の標的としてはかなり難敵です。しかしスピード差を生かせば、ブルゴスにも勝った長谷川ならなんとかなるとおもう。
タフでコンビネーションが上手く打ち合い大得意です。頭つけてがっぷりよつで打ち合ったら最強です。
でもドネアもリコンドーもそんな土俵で戦わないでしょう。
この勝利でマレスを抜いてメキシコ軽量級トップの地位になったとおもいます。
リコンドーに唯一対抗できる充実ぶりですが次の相手は誰だろう。
メキシコ勢も世代交代進んでますが、やはりモンティ、ジョニゴン、イスバス、ラファマル時代の方が強かったという面目をなんとか保てる?結果となりました。
そして
井上尚弥VS田口良一
97-94、98-93、98-92
という結果は随分公平というかやや田口寄りにおもえます。フルマークにみえました。
八重樫より巧く、強くみえます、井上。
しかし海外の怪物、ロペスやロマゴンの域ではない。
反射神経よくパワーもスピードもあるが、ドスンパンチで切れがある方ではない。フォロースルーが効いていない。
同門、八重樫と同タイプ、同じパンチの質の選手にみえる。
重いけど井岡の方がシャープかな。直接やったら井上が上に見えますが。
田口の頑張りはさすがでしたし、最後まで一発カウンターでダウンとるとしたらパンチの質的に田口かなとおもいました。
現状、井上は切れのあるカウンターパンチャーではなくアグレッシブなファイターボクサーだ。
どっかの隙間で世界王者にはなりそうだ。
ビッグネーム相手には経験が必要だろう。
村田諒太VS柴田明雄
プロテストを見ていないのでプロ仕様の村田をはじめてみた。
想像と違った部分があった。
佐藤幸治を見ているような、やや無骨で不格好でスタイリッシュではない。日本人大型選手特有の不器用さみたいのを強く感じた。
しかし結果的には強い世界王者が日本人挑戦者を倒すのと同じくらい柴田とのパワー差、体力差、ものの違いをみせる圧勝劇であった。
日本人ミドル級ではじめてパワー負けしない、あるいはGGGにひけをとらない分厚いパワー、圧力があることを確信できた。
これは奇跡的なことだ。
アマチュアのころそのままのスタイルで、ブロックで相手の攻撃はやりすごし、すさまじいパワーで圧力をかけていく。
動きは速くはないがパンチは速いし当て勘もいい。迷いなく攻めてボディもまじえていく。
まさにロシア圏などに化け物級のパワーとテクニックを持つ階級で揉まれて金を掴みとった秘密をみたような気がした。
間違いなく、勝つなら全部KOというタイプの剛腕だ。
あまりに迷いなくアマチュアと同じスタイルを遂行する村田をみると即世界トップレベルで通用するような気がするし、足やテクニックに阻まれるような気もする。
湯場や石田が名乗りを上げているようだが、プロキャリアでは上でもパワーと圧力、世界トップレベルに自分の武器を貫くキャリアは村田の方がはるかに上と感じる。
あのスタイルで、マルチネスやシュトルムのようなジャブや動きのあるタイプに対抗できるのか?
パワー、圧力で互角でもより幅の広いGGGには敵わないだろうというのが正直な感想だ。
まだ、耐久力など全くわからないところが多い。様々なタイプとやってみてからでも遅くはないとおもう。
久高VSナルバエス
地味に楽しめたし期待していた試合。
うーん、自信満々にやりたい放題やられてしまった。
ナルバエス、なんだこの選手、ドネアには全く手を出せなかったくせに久高だと手数お化け状態。
まさにボクシングマエストロといった感じで左右関係なく多彩なパンチを繰り出した。
しかし本当にパワーレス。典型的なポイントゲッターであり、大きくパワーのある選手には向いてないスタイルだ。
裏がないクリーンな試合であれば3兄弟には全部フルマークで勝てるだろう。
一方的に敗れた久高だが、いい選手だよなぁとおもう動きは相変わらずある。
前半に攻勢に出てもすべて捌かれて中盤、終盤には手数に翻弄、圧倒されるの繰り返しでした。
しかも軽打だから泥沼リンチ状態。
しかし、久高が単調なのか、パワーレスなのか、同じカウンターパンチャーなのにドネアの時と別人のナルバエス、余裕の対応でした。
この人が負ける日はドネアは別としてイバン・カルデロンみたいな落城しかないでしょう。