12/30/井上拓真VSペッチ・CPフレッシュマート他

井岡の4階級制覇をかけた戦いの前日、12月30日にこのカードが決まったようです。WBCバンタム級はラウシー・ウォーレンVSノルディン・ウバーリで決定戦が指示されていましたが、なかなか決まらずの措置だそうです。対戦相手と展望をみていきます。

WBC世界バンタム級暫定王座決定戦 12回戦
同級4位・井上拓真(大橋) × 同級2位・ペッチ・CPフレッシュマート(タイ)

ペッチ・CPフレッシュマート(タイ)

48勝33KO無敗
24歳

すさまじい戦績だが、タイ人によくあるように無名の相手ばかり。世界ランカーは皆無。デビュー戦の相手、前戦はBOXRECでもunknownと書かれています。ボクサーではないかもしれません。

ムエタイ出身のタイ人によくいるタイプとは違い、距離をとったテクニシャン型のサウスポーです。無名で雑魚戦績ばかりの相手ですが10連続KO中です。この試合は2ラウンドTKOですが、パンチは当たってません。相手が空振りしてそのまま倒れて立たないという結末です。脇が締まり、パンチの引きも速くてフォームもキレイですが、テクニシャン型といってもワンツー程度でそんなに手数が多い、コンビネーションが多彩というわけではない。

相手は悪くない気がしますが、わずか0勝1敗というキャリア。その後も負けて今は0勝2敗。どうして世界ランカーがこんな相手とやるんだろう。ダッキングが巧く、相手と比べてパワーがありますが、やっぱりワンツーと返しの右フックくらいのパターンです。筋はいいけど戦績ほどの脅威はない気がします。大きな穴もなくきれいにまとまった選手ですが、今までは全てタイだったので、敵地日本で益々手数が減って萎縮してしまうのではないか。久保隼と大森を合わせたような感じ。教科書的というのか、筋はいいけどコンビネーションのバリエーションが少ないです。

WBC世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
王者・拳四朗(BMB) × 同級8位・サウル・フアレス(メキシコ)

サウル・フアレス(メキシコ)

24勝13KO8敗2分
27歳

戦績の悪いたたき上げ、雑草選手といえそうなメキシカン。井上が初タイトルを獲ったアドリアン・エルナンデス、元王者のオズワルド・ノボア、当時無敗のアブラハム・ロドリゲス(先日アンヘル・アコスタに2回KO負け)らに勝ってランク入りしている。しかし直近は1勝4敗1分と世界戦ができるのが不思議なほど。拳四朗が圧倒したミラン・メリンドにも負けている。

戦績はかなり悪いけど、世界王者や元王者など相手レベルは高く、健闘しているのでしぶといキャリアといえるだろう。小さいが腕がながいのか、距離をとって頭を振りながら的を絞らせず、長いボディなどを得意にしているようで、ガンガン攻めるメキシコファイターとはちょっと違う。まだ27歳だがベテランのような戦い方。しかしメリンドを寄せ付けなかった拳四朗のジャブ、入っても高速コンビネーションを前にしたら日本で勝ち切るのは難しいだろう。戦績よりは強い、侮れない選手とはいえるが、王者にしてはいけないレベル。

WBO世界Sフェザー級タイトルマッチ 12回戦
王者・伊藤雅雪(伴流) × 同級1位・エフゲニー・チェプラコフ(ロシア)

エフゲニー・チュプラコフ(ロシア)

20勝10KO
28歳

やはり順当に最上位のチェプラコフが相手に決まった。6歳からボクシングをはじめて、ロシア国内ではトップアマだったようだが、地域レベルなのか世界の舞台ではほとんど記録がない。

足も使うテクニシャン型だが身長165センチでリーチも短いので、パンチを当てる時は出入りを駆使してコンパクトな連打をまとめてくる。一発型ではなく連打、細かいフックを多用する。体形からフッカーだ。右ストレートのタイミングはいいが、単発で合わせる感じ。

この試合は無敗の世界ランカー同士の対戦で接戦。懐深い長身のアウトボクサーにはやっぱり苦労している。頑丈そうなので、伊藤は距離をキープして得意の右ストレートを主武器に戦った方がいいだろう。チュプラコフも十分わかっているとおもうけど。たぶん最終的にはガンガン前に出てクリンチ多めのアタックでなんとか打開してくる選手だ。この試合はアフリカンの勝ちでもおかしくない。

日本人のいずれの相手も決して安パイではないが、驚異的な選手というわけでもなく、全勝が予想、期待される。

井上拓真は大橋ジムの政治力で勝ち取った試合だとおもうので、ここをクリアして、ウォーレンVSウバーリの勝者やルイス・ネリ、カルロス・クアドラスらが絡んでくるところを目指して欲しい。

伊藤の相手はまっとうな世界トップランカーなので楽な相手ではないが、ビッグマッチを目指すならここは軽くクリアして世界に羽ばたいて欲しい。

拳四朗はいつも誰かの前座で主役の座をもっていかれる苦渋をなめているが、今覚醒して強くなっている。複数階級制覇の野望もなくライトフライ級で具志堅の記録超えを目指すと言っているのも逞しい。実は海外で評価が高まってきている拳四朗、このまま強さを追求していって欲しい。

しかしやはり昨今の統一戦の機運やスケールからして昔からの定番の世界戦でいまとなっては小粒感が否めない。

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コメント一覧
  1. フアレスを王者にしてはいけないレベル、ぴったりの表現ですね。ドンピシャです。

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  2. プクーさん

    私もペッチが未知数すぎてあやふやな予想しかできないですが、
    本人のポテンシャルよりも直近の対戦相手の質の差が出るかなぁ〜、
    出たらいいなぁ〜程度の「勝つ」予想ですね。
    ペッチはいきなり大舞台、ハード路線こなしてない、敵地、と
    試合前から相当不利だと思いますので。

    ウォーレン対拓真は見たいですね、スピード差でウォーレン推しますが。

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  3. すごい戦績ですがペッチというのが未知数すぎますね。
    ネリやウバーリ、ウォーレン、クアドラスだったら燃えますけども。

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  4. 拳四朗も内容を見ると井上兄の影に隠れがちですが何気にほぼ被弾無しで
    圧勝しているし、ロペス、メリンドと強敵相手にそれをやってるので
    油断さえしなければ年末の試合はほぼ問題なくクリアすると思ってます。

    伊藤は急に国内の大きい会場でメインなので気負いすぎず本来の
    実力を出して好勝負を期待したいです。

    井上拓真は相変わらずチャンス時での思い切りの悪さが目立ちますが
    テクニックもあって案外負けにくいボクシングをするので
    ここは普通に勝つと思います。
    勝った後のマッチメイクに、期待できないですが期待したいです。
    (もし勝っても兄がWBSS優勝するまで過保護マッチメイクの予感・・・)

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  5. 伊藤選手はディアス戦でべた足で(良いことではありませんが)一歩も引かず殴り合ったシーンが2度ほどあったと思いますが、彼の決意と根性を感じました。応援したくなります。
    今度放送するフジのジャンクスポーツで少し出演するようですが120cmぐらいの台を軽々と飛び
    乗っていました。なかなかの下半身のバネですね。相手のチュプラコフ選手は好戦的でやや捨て身ながら踏み込んで撃つロシアンフック気味の右ストレートが危険ですね。あれは食ってはいけ
    ません。ただあまりジャブを使わず右を大きく振ってから飛び込むパターンが目につきます。
    ヤップ戦の拓真選手は追い込む場面もありましたが手数有効打の多さ全体を通してヤップ選手の
    判定勝ちと自分には見えました。今度の試合で井上は弟もすごいという所見せて欲しいです。

    年末は30日大晦日とタイトル戦目白押しです。せっかく徐々に回復しつつあるように感じる
    格闘技興行でRIZIN+フジと亀○+abemaで水を差すようなことは勘弁して欲しいです。

    管理人さん バーネットはバトラーとやってなかったんですね。勘違いしてました失礼しまし
    た。

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  6. 管理人さん、動画ありがとうございます。
    伊藤の初防衛戦が楽しみですが、動画見る限りは楽な相手ではないですね。
    あの強烈な右が決まれば・・・

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  7. タイ人はタイトルが懸かると強いと聞くのでKO負けもないとはいいきれない気も

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