長谷川の2度のダウンは心臓に悪かったけどもっと悪いのはロイ・ジョーンズの負けっぷり。
もう47歳で35歳のエンゾ・マッカネリに痛烈に沈められたわけだが、毎回失神である。幸いすぐに回復し健闘を称えあってはいるが、元々打たせないボクサーなので耐久力とかタフネスがどうこういうレベルではない。打たれたら終わり、失神だ。
エンゾ・マッカネリだってリングで生死をさまようような危険なファイトを経験しているにも関わらず辞めることを知らないボクシングジャンキーだ。
話は変わり、先日密かに注目していたのがジェームズ・テゲールVSルシアン・ビュテ。
ビュテが階級を下げて名誉挽回とばかり最後のチャンスに賭けてきて大いに注目と応援をしてきたが善戦止まりで今の王者であるテゲールを打ち破ることはできなかったようだ。
ビュテの方が印象に残る名王者だった気がするが、どこか長谷川に似て一度弱点が露呈されるとなかなか再浮上は厳しいという現実を露呈している。
一方のテゲール、印象の薄い王者だが、この人は北京五輪の金メダリストである。北京金はプロでも王者になったのだ。
その前のアテネ金はプロになっていないガイダルベク・ガイダルベコフ、そして銀はケンナジー・ゴロフキンだ。
果たしてロンドン金はプロで世界王者になれるのか?
ロンドンメダリストも全勝とはいかず明暗を分けてきているようだ。
北京もロンドンも金のゾウ・シミンやロマチェンコはご承知の通り。ルーク・キャンベルは今日負けてしまった。
五輪時はバンタム級でプロはライト級というのが無理があったのではないかと推測。
ミドル級は置いて、イゴール・メコンツェフやオレクサンドル・ウシクはまだこれから。
スーパーヘビー級金のアンソニー・ジョシュアは今日、アマチュア時代に負けたことのあるライバル選手との全勝対決を制し無敗をキープした。大変な盛り上がりで英国ボクシングの希望の星であることがわかる。
その人気はクリチコを下したタイソン・フューリー以上かもしれず、実際黒人特有の運動量豊富で速いボクシングは観ていてずっとエキサイティングだが、はじめてじっくりとジョシュアのボクシングを見たが、魅力十分だが欠点もあるとみた。
大柄なわりに脇のしまったコンパクトなストレート系パンチがよく出る。
大柄だが距離は近くアッパーやアッパージャブがナチュラルに出て相手の顔を跳ね上げる。
一方でクリチコに比べ距離が近くやりづらさがない。パンチを食う確率も高い。
大柄な割にスピードがあり動ける方だが直線的である。
マッチョすぎで打たれ弱そうだ。
などなど・・・
フューリー、クリチコ、ワイルダー、全てに勝つ可能性も負ける可能性もあるな、とびぬけて強いとはいえないなと感じた。
[youtube]https://youtu.be/B8A_Qfv6ZPA[/youtube]ロンドン組で一番華があって伸びしろがあってスペシャルな存在なのはフェリックス・ヴェルデホやエロール・スペンスのようなメダル取れなかった組だが、彼らにしても意外な脆さや弱点が出てくるかもしれず、そういう波乱、苦戦を期待して見守りたい。
テゲールが獲った以上、村田にも期待したいけど・・・