The Heart of Saturday Night/ブラント、サンタ、クリエルから岩佐まで

フライデーナイト、サタデーナイトの振り返り。多くの試合があり全てを観れてませんが整理しておきたいとおもいます。昨日のPBC興行、メインのあとに予備カード、中継されないというのはよくある事ですが、メインの後に世界戦含め8試合くらいあるというのははじめての経験かもしれません。岩佐VSファレスもここに組み込まれいい画質での中継はありませんでした。そして、京口紘人が返上した王座を巡る世界戦、カルロス・リコナは最終回でKOされてしまいましたが、彼の世界戦は2試合ともに予備カード、放映される事無く王座陥落してしまいました。

その彼の名を誰も知らない・・・

しかし彼らにとっては人生を賭けた全てがリング上にあったのです。

WBSSが横浜で開催された時、井上の前座を務めた拳四朗に対するリップサービスで、ザウアーランドがWBSSのライトフライ級も検討したいなどと言ってましたが、100%リップサービスか、もうそれくらい金のかからない階級しかトーナメントなど実現できないという意味かと考えたりしてしまいました。

ロブ・ブラントVSキャサン・バイサングロフ

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メディアでの扱いはブラントによる見事なKO勝利、ブラントはやっぱりホンモノだった。彼が故郷の凱旋試合を見事に果たした素晴らしい試合というものでしたが、私の印象は少し違います。

両者に(特にバイサングロフですが)世界王者の力はあまり感じられませんでした。ブラントは勤勉で運動量豊富なボクサーですが無駄な動きとストレート系ばかりでパワー含めミドル級では頼りないところを感じました。うまく言葉に出来ないでいたら誰かが見事に指摘していました。「膝が固い」だからストレートを打つとそのまま身体が流れてしまう。突っ込んでしまう。それを抑えるためには逆の手でまたストレート。
ミゲル・ベルチェルトと同じです。ベルチェルトにはパワーと左の連打という武器がありますが、ブラントには特筆すべきパンチがなく、バイサングロフにもっとパワーやプレッシャーがあれば危なかったとおもいます。なので個人的なブラント評価は穴王者、打たれ脆さを感じます。今後の試合や対戦相手に注目です。

ジョシュア・グリアVSジョバンニ・エスカニア

グリアというのはステファン・フルトンに敗北していますが、トップランクのバンタム級プロスペクトなので恐らく世界戦に出てくるとおもいます。黒人特有のスリックでエキサイティングなファイターですが、フィリピンのガチな方のエスカニアには手を焼きました。
ハイライトで格下を倒しまくる姿とは一味違いました。こういう、格下をバッタバッタと倒す姿はやばいけどレベルがあがるとムムム・・・となるのはエマニュエル・ロドリゲスもそうですがパンチがあるのかないのか分かりにくいですな。ルイス・ネリーやカネロなどは逆なのです。過去より今パワフルにみえる、これまた謎。

攻撃的なオーソドックスのラウシー・ウォーレンみたいなグリア、世界戦レベルでどれだけ速くて強いかはわかりませんが、見栄えはいいです。

セバスチャン・フォンドラVSドニー・マーシャル

198センチのスーパーウェルター級『タワーリング・インフェルノ』です。
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どなたかが、こんなにデカいのに距離を生かせないなんて意味わからんと書いていましたが、彼はジャレット・ハードと同系統です。ああいう特異なショルダーロールがあるわけじゃありませんが、体格、体力にものをいわせ殴り合いで潰す選手のようです。
ダウンをとったアッパーは三浦隆司の漫画パンチのようでした。しかしジャレット・ハードとは違い、あまりに細いので虚弱にみえてしまう。強烈に倒すか倒されるシーンがいずれ訪れるでしょう。

オマール・フィゲロアVSジョン・モリナ

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引き分けに近い拮抗した試合でした。
フィゲロアのシュールなスタイルもここまで。体重やコンデイションを見直さないとこの先は難しいだろうという内容でした。抜群に上手い独自のテクニックを持っていますが、身体が緩く、キレとスピードがなく非常にもったいないです。だから弟のブランドンの方が似たようなボクシングにキレがあるから勢いもあるのだろう。

ショージャホン・エルガシェフVSマイカル・フォックス

エルガシェフ178センチありますが相手が192センチ。
世界を目指す上でこんな規格外な選手との対戦が糧になるのか疑問でしたが、やはり苦戦したようです。エルガシェフはスーパーライト級で間違いなく台風の目、世界王者候補、ウズベキスタンの秘密兵器でしょう。ここまでほぼKO勝ちで勢いもありましたがそのほとんどが初回から強い左で相手を威圧していじめみたいな楽勝ばかり。なので技術の深みがわからなかった。

こうした技術ある選手に対すると色々と課題が露呈してくるようです。パワーと威圧だけでなんとかしてしまう雑さがみられます。試合数が多く、世界戦が楽しみな一人ですが、実のある相手選びが必要そうです。

https://www.youtube.com/watch?v=fcPOqcFnjr4

レオ・サンタ・クルスVSラファエル・リベラ

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こちらはLIVEで書き尽くした。
サンタ・クルスに戦略なしで臨んでもなかなか勝てない。ただの打ち合いでは厳しい。少しでも特徴的な武器をもった選手なら可能性は大いにある。しかしサンタ・クルスはそういう奴を選ばない。

過小評価は禁物で、とても勤勉で安定感のあるファイターだとおもいます。少しの差を積み上げて結果を出し続ける。これもひとつの完成形です。もういいかげん統一だ、スーパーフェザーだと言う言葉通りに強者と戦って証明してくれるのを願う。ゲイリー・ラッセル戦だけでしょう。

岩佐亮佑VSセサール・ファレス

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中継がなく、現地観戦者のツイッターで追いかけただけ。
海外で結果を出したことが何よりの吉報。

少し観た映像では、ガンガン出るファレスのペースに付き合いながらも、覚悟を決めて打ち返していた印象です。しかし現地観戦者はクレージーだ、ファレスの勝ちだと言ってました。岩佐の顔面パンチなどファレスは効いちゃいない。しかしボディが苦しそうと。

相手ペースに巻き込まれ仕方なく打ち合ったのか、自分からでも打ち合って凌駕するファイトをしたのか気になりますが、やはり岩佐くらいの実力者であれば海外で結果を出せる。今年日本人の海外勝利は初ではないでしょうか。TJドヘニーはダニエル・ローマン戦に向かいそうですがIBFの挑戦権は確保したので相手が誰になろうと、もう一度岩佐の世界戦がいつかは訪れるわけだから期待しよう。

内山や山中のような成功者はなかなか岩佐のようなキャリアは踏めない。
日本だけで1敗でもしようものならもう引退の危機だ。
岩佐のようなつまずきがあるからこそ、這い上がれる機会が訪れるともいえる。
海外でリスクをかけれるから復活できる。
ある意味、これもまた幸せなボクシング人生であり、ファンにとっても色々期待できて楽しめます。

カルロス・リコナVSディージェイ・クリエル

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誰かが撮影したスマホ映像をチラリと確認しただけ。
遂にリコナという世界王者の全貌を知ることなく敗退してしまいました。
上記で紹介したようにクリエルという選手の執念が上回ったのでしょうか。
スコアではリコナがリードしていたそうです。
12回だけでリコナは3度くらいダウンしていました。

両者ともにそこまで警戒するに値しない実力レベルの王者かとおもわれますが(なんとなく)厳しい立場を乗り越えて尊厳を確立して欲しいとおもいます。

クリエルにとっては、誰も知らずとも人生最高の時を迎えたことでしょう。
この日世界一、祝福された人間だったかもしれません。
おめでとうございます。

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