
掟破りの体重超過を確信犯的にしてまで結果を出したサリド、
今思えばあれこそがチームとして最上級の戦略だったのかなと言いたくもなる昨日のロマチェンコの強さでした。
ロセンド・アルバレスもベルトを捨ててでもロペスに勝つことを優先したように
サリドVSロマチェンコ2はビッグマネーで行われるのかもしれません。
実現したらサリドしてやったりです。雪辱されるリスクは高くとも。
ロマチェンコのハイテクマシーンのようなボクシングを目の当たりにし、自分がいくら有望な選手だったとしてもまず勝てない、すごいなぁと関心してしまいましたが仮に練習パートナーにロマチェンコみたいのがいたら最高ですね。
ブロックやスウェーでディフェンスせずとも、目やボディワークで相手の動きを見切り、はずし、サイドにかわしてすかさず打ち込む。
強く打たずともスピードとリズムでビシバシ自分だけパンチを当てる。
スパーリングをしてもアングリ、完敗な強さ、明らかに何もさせてもらえない次元だろう。
日本では過去も未来も相手を選び、自国に呼んで試合を組むのは変わらないだろう。
国内の有望選手を呼んで練習したり、フィリピンあたりの無名で実力のある練習相手を期間限定で雇うのも変わらないでしょう。
そのやり方を批判しても無意味でしょうが、山中や井上などいい選手がいるだけにそれだけじゃ限界、もったいないなという印象はぬぐえません。
経済優位性がなくなった時に日本ボクシングも韓国のようになるのかな。
長谷川や内山クラスになるとジムでは大将、練習相手はもとよりトレーナーでさえ謙遜してしまうほどの殿様キングスになってしまうとおもいますが、身近にこんなすげぇのがいたら王者になるのも険しいですが、もっと冷静、謙虚に、自身も向上できるだろうにと感じます。
例えば井上は今のところ文句のつけようがない最上級の逸材でジムには八重樫や弟、日本から実力者が集まってレベルの高い練習を続けることは可能でしょうが、多分にアクシデントややってみなければわからない未知数な要素は残したままだとおもいます。
来たるビッグマッチまで勝ち続けるとおもってますが、クアドラスやテテのようなレベルの相手になるとやってみないとわからない。どういう試合展開になるかも読めません。
ロマチェンコ自身、どんな環境でどういう練習をしているのか定かではありませんが
アマに限ればウクライナやロシア、カザフスタンはメダル級がゴロゴロおり、レベルは高いでしょうしプロでもアメリカを主戦場にいい環境に身を置いていることでしょう。
無名でもベルトがなくてもかまいませんが、身近に、俺より強い、上手いと感じることができる、そういうリスペクトできるパートナーがいないとそれ以上の飛躍は望めないのではないかと感じます。そのくらい、映像でみる海外の一部世界戦は果てしなくハイレベルです。
日本人の海外ビッグマッチは見果てぬ夢ですが、普段の練習環境がどの程度かで、期待できる限界もおのずと見えてくるのかもしれません。
ロマゴンがどんな相手にどんな練習をしてるかわかりませんが、ニカラグアに籠って雑魚、格下ばかりと練習してあんな試合はできるはずがない。
そういう意味では帝拳をひとつの踏み台にし本場へ飛躍しつつあるロマゴンやリナレスの方がより期待し夢をみれるのかもしれません。
多くは期待しませんが、大橋会長、かわいい子には旅をさせよ、井上だけは生ロマチェンコを体験できる環境を与えてやるべきですよ。
最後に、ロマン・マルチネス、地味でも立派といえる実績でした。王者としてロマチェンコの挑戦を受ける姿勢も立派。
コテンパンにやられましたが意地と根性と決意を感じる素晴らしいファイトでした。
評価は高くなかったですが、実績とキャリア、相手の質では日本人の誰も貴殿に及びません。
バーンズ、マグダレノ、ブルゴス、マイキー、サリド、ロマチェンコ・・・
誇り高き敗北、昨日の完敗でファンになりました。
このコントラストが残酷で美しい。マルチネス側の感情にゆさぶられるおもいがします。