果たすべき相手、本来の仕事をきちんとこなした者、ライバルに恵まれた者だけが伝説になれる
WBAスーパーフライ級王者ローマン・ゴンザレスはWBC王者のファン・フランシスコ・エストラーダとの再戦、統一戦の準備が出来ているとアピールした。
プロモーター、本田明彦に言われれば無観客試合でも構わない。コロナウィルスによるパンデミックでも、最近はじめたチーズのビジネスが好調なので状況は悪くはない。
ゴンザレスは、エストラーダとの再戦は歓迎しているが、5階級制覇、バンタム級への進出には慎重だ。
ゴンザレス
「僕が尊敬している井上尚弥は、好戦的で、非情に強く、クオリティもコンディションも素晴らしい。彼は危険な相手だ。簡単な男ではない。僕はフライ級やスーパーフライ級までキャリアを伸ばしてきたが、バンタム級まで上げるというのはとてもデンジャラスなシナリオだよ。」エストラーダについては、納得のいくギャラさえ提示されればいつでもOKだという。
ゴンザレス
「具体的な交渉はまだないんだ。きちんとした報酬が約束されれば、明日にでも戦うよ。メディアはスープに胡椒を入れる(煽る)べきだ。ファンはエストラーダとの統一戦を求めている。次が無理なら防衛戦をしてからエストラーダを待つ。もし彼が次に負けてしまったら、もうこの試合に興味はないよ。重要なのは私とエストラーダの対戦だ。私は歓迎しているし、彼は友人でもあり、私との対戦を望んでいる。」試合が無観客試合で行われる可能性も受け入れている。
ゴンザレス
「私はどんな条件でも構わない。私が愛するスポーツであり、ボクシングを通してのみ私は家族をサポートできる。私の事を評価してくれて、お金を払ってくれるなら、どんな試合でも受けます。ボスは本田です。彼が決めることです。」
コロナウィルスの影響で再開しても今までのような高額なファイトマネーは望めないかもしれないが、井岡や田中よりもこの両者の対戦が切実、現実的におもわれる。
ロマゴンはチーズ事業が好調だというが、チョコレート事業もやれば必ず成功するだろう。
ポール・マリナッジは、レオ・サンタ・クルスの野心を賞賛しているが、彼が目指しているジェルボンタ・デービスよりも、ゲイリー・ラッセルJrとの試合が観たいと考えている。
マリナッジ
「デービスよりもラッセルとの試合が観たいよ。純粋なボクシングの観点からみれば、サンタ・クルスとラッセルは同じ階級だし優れたスタイルマッチといえる。一方はスピード、テクニックに優れ(ラッセル)もう一方は常に前進し手数が多い(サンタ)。こっちの戦いが観たいね。ラッセルはキャリア全体を通じて過小評価されてきたとおもいます。彼に何ができるのかどうか、大きな試合に出して、ある種のマーケティングをすべきです。でも、ラッセル自身もっと積極的にならねばならない。昨年までずっと現状に甘んじていたんだ。だから今後の両者に注目しよう。ラッセルはボクシング界でも屈指の実力者です。サンタ・クルスがデービスのフィジカルに劣らないなら楽しみだけどね。(実際はフェザー級で体格、パワーが違うでしょ。)」
これがファンの一致した意見だろう。
なぜ、ずっとそこにいたラッセルでなくデービスなのか
スタイル的にラッセルは苦手、デービスには穴を見出しているのだろう。
ゲイリー・ラッセルはP4Pトップに出てもおかしくない実力者のようにみえる時がある。
ジョセフ・ディアスにも勝っているからスーパーフェザー級の世界王者にもなれる実力だ。
ツグスソク・ニャンバヤル戦は近年最も厳しい指名試合だったとすらおもう。
既にニヤンバヤルはレオ・サンタ・クルスより手ごわい(と確信している)
それでも、サンタ・クルスVSデービスが実現するならどちらとの対戦も叶わず、他に希望者もおらず、また試合枯れで何もアピールすることなく年を重ねていくだけだ。特にデービスはラッセルの挑発など完全スルーしている。
ラッセルはもう、エマニュエル・ナバレッテから、ミゲル・ベルチェルトまで、全部に勝ってしまうくらい積極的に動かねば、永遠に過小評価されたまま終わる。全部に勝てるだろうに。
果たすべき相手、本来の仕事をきちんとこなした者、ライバルに恵まれた者だけが伝説になれるのだ、この世界は。