2017年11月4日に米・ニューヨーク州ニューヨーク、ブルックリンにあるバークレイズ・センターで行われる予定。テレンス・クロフォードが統一し返上した王座で日本の近藤にチャンスが舞い込んできました。
ボクシングで有名なラスベガスのマンダレイ・ベイで凄惨な事件が起きたので、ここだったら延期か中止か、なにか動きがあったでしょうが、会場は井上尚弥inUSAと同じ場所のようです。メインのワイルダーVSオルティスがオルティスの薬物で色々あるようなので、この試合にも影響が出そうですが、スケジュール通りを願って展望を。
セルゲイ・リピネッツ
12勝10KO
直近のキャリアは申し分ないが、最近はこの程度での世界戦も目立ちます。30戦、40戦で初挑戦というのが懐かしいです。
カザフスタン出身ですが、早くからロシアに出てアマチュア活動しています。キックの選手として2012 WAKOヨーロッパ選手権と2013年の世界選手権を制しているようです。K1とかで日本に来ない選手にもいろんな猛者がいますね。先日のマイリス・ブリエディスもキックの世界王者だったようです。
ボクシングでもアマキャリアがあり33勝5敗
スタイルは右ファイター。全身格闘家ともいうべき精神力とタフネスが宿ったような力強いファイトをします。
https://www.youtube.com/watch?v=pyieZXPM8Is
https://www.youtube.com/watch?v=4TYqnTLpwQk
低めのガードで上体を揺らしながら、コンパクトなショートとフック、スイング系のパンチでグイグイ攻めてきます。ボディフックとスイング気味のオーバーハンドが主武器で、コツコツパンチ以外は全部パワーショットです。この狂暴なパンチの嵐で全ての選手が打ち合いに巻き込まれ、打たれ負けています。
ジャブとか緩急を無視したケンカファイトですが、インとアウトの距離感やボディワーク主体のディフェンス、大振りパンチに至るまでの追い込み方が巧みなので、ただのへたくそファイターではありません。
もう、技巧じゃクロフォードには敵わないから、リピネッツのようなケンカファイトでどうよ、といいたくなる、クロフォード戦が観てみたかったほどに力強いです。
間違いなくタフネス、精神力も相当でしょう。
練習環境もよく、ホセ・ベナビデスなんかとスパーリングしていた。
相手をビビらせる、怖がらせるボクシングでカウンターをとれない、本能で亀になってしまう狂暴ボクシングです。
近藤明広
29勝16KO6敗1分
あまり知らないのだけど、実は生で何度か観ている選手だ。
当時、和製クオーティーのような力強さがあった三垣をKOし番狂わせ気味に日本王者になり、加藤や荒川と接戦を演じてきた日本のこのあたりの階級では第一人者であると記憶している。
三垣は強打の割に打たれ脆さがあったが、荒川との試合も引き分けに近い接戦であった。これが主武器というインパクトに欠けるところがあり、戦績に傷は多いが接戦ばかりである。完敗というのは少ない。最近は8連勝でWBOアジアパシフィックなる王座もとっているが、強豪相手とはいいがたい。
右、ボクサーファイターかな、あまり印象がない。
両者、判定型のテクニシャンではないのでかみ合った試合になるだろう。けれどやはり、狂暴でド迫力なリピネッツの方が圧倒的に怖く、強くみえる。
打ち合いというリピネッツの土俵は避けたいけれど、技術で翻弄できるほど甘くはなく必ずリンチのような打ち合いに巻き込まれるだろうから、そこをどう応戦、対処するかだ。
古い映像だが、三垣に当てた右ショートなどは抜群のタイミングなので、大振りなリピネッツの打ち終わりにこういうパンチを合わせたい。
怖さ満点の相手ではあるが、自信満々で打ち合ってくるし、フォローが大きく隙はあるので、勇気を出せば当たる。
対戦者の質ではリピネッツが上だが、日本をほぼ一巡している近藤のキャリアも濃厚だ。このキャリアを生かして、なんとかリピネッツの狂暴なラッシュに耐えて応戦して欲しい。
当たる相手なので可能性はゼロではない。
「足は通用しそうだ」とか言ってましたが、フットワークで捌けるような相手ではないとおもわれる。打ち合いになった時に何ができるかだ。
ウォルター・カスティーリョ
レオナルド・ザッパピグナ
日本人の鬼門となった世界ランカーもKOしているリピネッツがやはり断然有利ですが、近藤のキャリアは侮れません。40戦近いプロキャリアで、恐らくこの日が彼の集大成です。
たぶん、本能のドツキ合いになるでしょう。
近藤を応援しましょ。