
個人的には究極のP4Pの戦い、結果はリゴンドーがドネアをスピードと勘で上回った、アマチュア史上最高の実力を発揮しました。
「ドネアをしても格の違う引き出しを持っているのであった・・・そんな試合を期待します。」
そんな記事を以前書いていたがその通りになりました。
やはりアマチュア最強、抜きんでた存在のリゴンドーは勝ち方をよく知っている、そして唯一、ドネアより速く勘もいい、つまらないけどP4P認定せざるをえない実力者でありました。
初見の人にはわかりにくいかもしれませんが、この試合は普通の世界王者とも次元の違う、スーパー天才同士の極限の戦いであり、だからこそ手が出ない、歯がゆいシーンも多く見られたのでしょう、戦ってる者同士、今までの相手とは反応が違うと警戒しまくりでした。
序盤で主導権を取れないドネアをはじめて見ました。
ドネアより反応が速く、シャープなパンチを浴びせるリゴンドー
その後は手を出せない、警戒しすぎるドネアに付き合って自分も安全運転にシフトし、最後にドネアが出てきたらお付き合い、危険を犯せば倒せたかもしれない、キャリアと引き出し、余裕を感じさせる、ポイント以上に差のある両者に映りました。
ドネアにとっては自分より速い、上手い選手は初めてだったろうが、リゴンドーにとっては金メダルを取る上で負けられない相手の1人との戦い方、オプションのひとつという戦い方だったのだろうか、追いながらも手を出せないドネア、ジャブを打てないドネアというのは初めてでありました。
最終回に逆にリゴンドーに押されてしまいましたが、あんなにガードを高くしてダメージ気にするドネアも初めてみました。
勝ちに徹すれば鉄壁という点でリゴンドーは12戦目にしてもうP4P、フロイド・メイウェザー、アンドレ・ウォードと並ぶ、塩分たっぷりだけど次元の違うスタイルの確立者としてプロのトップに躍り出ました。
しかし、心憎いほどに自分を貫き、ブーイングも下さないそのスタイルは人気者にふさわしくない。
たぶん相手がドネアでなければもっと派手なアクションもできるのだろう。
やれば派手な勝ち方も圧倒もできるのに無理をしない、だからこそ負けないのであろう。
この男は超格下以外は必ずポイントリードしても中だるみというか、相手を泳がす時間を作る。
100%勝てる瞬間まで待って相手をいらつかせる。
10ラウンドには意地のダウンも奪ったドネアの方がファンに愛される人気者である事は変わらず。
軽量級の超スターに勝ったリゴンドーは今後誰とどんな試合をするのだろう?
資格があるといえるのは
アブネル・マレス
アンセルモ・モレノ
実績のある長谷川穂積
レオ・サンタクルス
山中慎介
であると言えるのかもしれない。
しかし、勝敗の興味は薄れるだろう。
その他は単なる格下のボーナス、チャレンジマッチでしかない。
唯一、アレクサンドル・バクティンだけは期待できるポテンシャルがあるとおもっているが、誰がこの人を知っている?
いくらのファイトマネーにもならない静かなマニアックすぎる試合となろう、相手が誰もいない限り実現する見込みは低いとおもわれる。
プロボクシングを愛するものとして、これでいいのか、一抹のさみしさを感じる結果となってしまったが
アマ国内レベルの日本人やリゴンドーに歯が立たないレベルの世界アマが続々とプロの世界王者となっている現状では
一度も負けられないアマチュアの頂点を絶対的に支配してきた男の方が上
最強はアマチュアの頂点である
と言いきっていいような気がします。
(かといってスタイルに偏りある村田を現状ゴロフキンやマルチネスより上に評価している訳ではありませんが、少なくとも絶対王者級であるゾウ・ジミンあたりは井岡や井上より上であろう。)
負けがつくと評価も見方も変わってしまうけど、ドネアはこの経験を経てさらに強くなって帰ってきてくれるとおもいます。
階級を上げるのでしょうか。
今回の試合も階級アップを視野に入れ、リゴンドーより増量してパワーで倒してしまおうという意図を感じましたが相手が悪かったとしか言えません。
アマチュア完全解禁となるとボクシングの勢力図はガラッと変わってしまう可能性があります。
感慨深いと共にプロ<アマとなると興味失せる部分もあったりして・・・
夜中に細野VSジョンがありました。
結果は負傷ドロー
手数、上手さはややジョンでしたが、以外と細野にかみ合う拮抗した試合で消化不良の結末。
再戦あるんでしょうか。ジョンは少し修正せざるを得ないでしょう、あるいは細野は嫌だと逃げるかも。