
やはり階級名の通り、ライト級、Sライト級でも平均男子の身長、体重より小さいと言わざるをえず、もっともフォーマルで、均整がとれて、エキサイティングでスピーディーで迫力があるといえるのはウェルター級、この階級こそ日本人が一度も獲れない、ボクシングの花形階級といえるが、現王者の人気、知名度はさっぱり、そんなウェルター級無敗王者同士の統一戦がいよいよです。
IBF ジャロン・エニス
33勝0敗(29KO)
個人的には井上尚弥の次くらいに好きな選手がジャロン・エニスだが、自らチャンスを棒に振っているかのような行動が目立つ。カレン・チュカジアン戦で精彩を欠き、バージル・オルティス・ジュニアとのSウェルター級戦を避け、新WBOチャンピオンのブライアン・ノーマン・ジュニアとの対戦交渉は失敗に終わり、WBCチャンピオンのマリオ・バリオスがアベル・ラモスと引き分けたため、エニスにはほとんど影響力が残っていない。
テレンス・クロフォードはもうエニスなど眼中にない。カネロしか観ていない。
WBA エイマンタス・スタニオニス
エニスが逃げたと言われても仕方がないバージル・オルティス・ジュニアのような愚直なファイターだが、アマチュアでは五輪に出ており、国際的な活躍ではエニス以上だ。
ラジャブ・ブタエフ
ガブリエル・マエストレ
という強豪を連覇しているのも説得力がある。
ガブリエル・マエストレはスパーリングで佐々木尽を子ども扱いしていた。
佐々木は認めないだろうが。
当初、この試合は条件面(ギャラ)で折り合わず、マネージャーが断ろうとしていたところ、スタニオニス本人が条件を妥協してでもエニス戦にこだわったそうだ。
トム・ブラウン(プロモーター)
「スタニオニスは自分が世界最高のウェルター級選手であることを証明したいのです。エニスが現在最強だと誰もが言っていることを彼は知っています。しかし、スタニオニスは自分が勝てると信じているのです」
エニスはサウジアラビアのトゥルキ・アラルシクが望んでいたオルティスとの試合を避けたとして批判されたが、スタニオニスはオルティスとの試合が2度も決まっていた。逃げた(体調不良)のはオルティスの方だった。スタニオニスは、誰にも逃げないからこそ、今の地位にたどり着いたのだ。
時代を超越した才能を持つジャロン・エニスの方が実力もオッズも優位だろうが、意思、信念、決意、準備などはエイマンタス・スタニオニスが上だろう。
そのような状況や空気まで察した時に、試合の行方がどうなるかはわからない。