
整理しますと、昨日アミル・イマムに勝ってWBCSライト級王者になったのが、ホセ・ラミレスで、先週、ジュリアス・インドンゴに勝って暫定WBCSライト級王者になったのが、レジス・プログライスです。
元々、この両者はこの試合後にWBC内で統一戦を行い、ベルトを一つにしなければならないという条件付きですが、WBCのマウリシオ・スライマンとトップランクのボブ・アラムには食い違いがあるようです。
土曜の夜(日本時間昨日)スライマンはツイッターで「ラミレスVSプログライスが次に決まった」と発信しました。
この試合を決定づけるためには、WBCはライトヘビー級王者のアドニス・スティーブンソンが2013年以来指名戦なしで優遇している不公平な措置をはっきりとさせねばならない。ラミレスにこの待遇を適用すると、この試合は実現しない。WBCのスライマンは選手とプロモーターに対し確固たる態度で臨まねばなりません。
ラミレスVSプログライスがすぐには実現しない根拠としてボブ・アラムはプログライスの知名度不足を指摘しています。しかし、これは、ラミレスにも当てはまる事です。ラミレスは故郷のカリフォルニア州フレズノ以外ではあまり知られていません。スター候補でもありませんでした。ロンドン五輪代表といっても、すぐに負けた無名のファイターに過ぎません。マニアでない限り、この程度の実績では認知されないのです。
ボブ・アラムはラミレスの次戦は彼の地元フレズノでの防衛戦を計画していると言います。スライマンとボブ・アラムの主張は食い違っています。スライマンが強く出ぬ限り、ラミレスは故郷に錦を飾るための安易な防衛戦を選択するでしょう。
ボブ・アラム
「ラミレスの次の試合は彼の故郷フレズノで大々的に行いたい。プログライスがいい選手である事は知っていますが、一般人は彼の事を知らない。我々は、フレズノの人々にラミレスを観てもらいたいし、プログライスも時間をかけて知名度を上げて欲しい。そうすれば、この2人の試合をよりビッグなものにする事ができます。」アラムのこの主張が通ればまた、スティーブンソンの二の舞だ。
ボブ・アラム
「ロンドン五輪代表でメダリスト以外では、オスカー・バルデス、ホセ・ラミレス、フェリックス・ベルデホと契約しました。期待値ではベルデホがナンバーワンで、バルデスは2位、ラミレスは最後だった。(でも今は金のなる木に育ったからリスクは先延ばししたい)」
やっぱり、こんな駆け引きがあるようです。
リナレスVSロマチェンコは機が熟したようだし、候補であったレイ・ベルトランの戴冠も人気もイマイチな事から、強引に歩み寄ったが、金のなる木(ラミレス)を抱えたボブ・アラムはまたお金を釣り上げようと躍起なようです。この人の手がかかると判定優遇される気がします。昨日も一人のジャッジはフルマークでラミレスでしたし、オスカー・バルデスはいつも接戦なのに大差判定勝利ばかりです。
この試合のためのトーナメントを勝ち上がった2人なのだから、四の五の言わずに決めたルールに従うべきである。
実際、選手同士に逃げる気持ちなどなく、ラミレスが不利となるような前評判でもない。この記者はラミレスはただのブルファイターなので、同じ戦術ではプログライスに敵わないと予想しています。
プログライス
「ラミレスは私が次に戦うべき相手です。すぐに交渉をはじめるべきです。次の対戦相手がイマムかラミレスになる事は決まっておりラミレスになるだろうと予想していました。もちろん、私にはラミレスを倒す自信があります。いいファイターですが、私はサウスポーでイマムよりハードヒッターでより正確です。イマムはミスショットが多かったが私はもっと正確にラミレスを打つ事ができ、彼をインサイドに入れません。我々は異なるスタイルなのでいい試合になるでしょう。互いのためです、前進しましょう。」
五輪代表程度の実績では認知されない
海の向こうの贅沢な悩みですな・・・羨ましい。