ギャラクシーエクスプレスGGG/ゲナディ・ゴロフキンの再出発

ファイナル・カウントダウンGGGにしようとおもい、やめた。引退までの最終段階とか、落ち目とかの意味ではないから。最後の疾走、狂い咲き、新しいスタイル、新しいボクシング、ゴロフキンには絶対にドラマチックで究極のリベンジを期待している。どんな強敵でも、ジャッジという敵をも、打ち破って欲しい。

カリフォルニア州サンタモニカ、ゲナディ・ゴロフキンは決して不機嫌な態度をみせる男ではないが、今までのキャンプ地であるビッグベアから車でほんの数時間の距離にあるチャーチル・ボクシングクラブでとても満ち足りているようにみえた。

DAZNという新しいプラットフォーム、新しいトレーナー、新たな始まり、GGGは気分新たな想いに満ちている。

ゴロフキン
「とても快適に感じています。私はお互いを信じ合える人々と共にいるのです。フェイクではなくより誠実で真実なその関係に満足しています。」

ゴロフキンがフェイクという言葉で例えたのは長年のパートナー、アベル・サンチェスの事である。彼らは結局、お金でもめた。信じがたきことだが、それが決別の大きな理由だ。ゴロフキンはサンチェスを偽物だと訴えた。

ゴロフキン
「最初は父親と息子のような気分だったが、次第にビジネスになっていった。」

それから、ゴロフキンは故エマニュエル・スチュワードの門下生でウラジミール・クリチコの元トレーナー、ジョナサン・バンクスと新しいパートナーシップを築いた。6月8日の復帰戦に向けて新チームは約5週間トレーニングを重ねてきた。

新しい環境はビッグベアでのトレーニングとはかなり異なっていた。

37歳の年齢を考慮すればゴロフキンに大きな変化を期待すべきではない。しかし同時にゴロフキンは彼がまだ新しい技術を学ぶことができることを発見したという。

ゴロフキン
「自分の年齢ではスピードなどが劣化することはわかっています。ジョナサンはもっと多くの技術や戦略が必要だと教えてくれました。ジョナサンとアベルの内容は全く違います。彼独自のものでデトロイトスタイルとも違います。まるで10代に戻って学校に通っているような気分です。

それはちょっと新しいスポーツのような気分です。ボクシングはジャブ、フック、アッパー、この3つです。それはいいとしよう、もっと学びたいのであれば新たな学校です。とても新鮮です。」

ゴロフキンのキャリアはあとわずかだ。対戦相手の35歳の無敗選手、スティーブ・ロールズの事もあまりよくわかっていないだろう。DAZNと3年間6戦の契約を結んだ。彼らは164ポンド契約で試合に臨む。

ゴロフキンの視界に映るライバルはカネロだ。それがDAZNを選んだ最大の理由であり、カネロへのリベンジがミッションである。

ゴロフキンはその戦いが恐らく9月に必ず実現すると確信している。そして試合が実現すれば物議を醸す間違ったジャッジを起こさせないと約束した。

ゴロフキン
「私にとっては、この3部作を正しい方法に仕上げる(決着させる)ことが重要です。」

それ以上をゴロフキンに求めることは出来ない。対戦相手を自分で決めることはできない。もちろんミドル級のタイトルを奪還し統一を目指したいが、望んだとおりの相手と戦うことは困難であるとわかっている。

場合によってはスーパーミドル級、ライトヘビー級に移行するプランもあると言うが、今はとにかく一歩一歩着実に踏み出していきたいと考えている。

ゴロフキン
「とにかく今は復帰戦を行い、次に出来ればカネロとやり、その後全てを検討します。」

確実に言えることは、ゴロフキンがどんな道を選択するにせよ、彼はその旅を今まで以上に楽しもうとしていることだ。

お金、信頼関係、やはり、どうしても、色々あるんだなぁ・・・

ゴロフキンが言うように、カネロへのリベンジ、公平な決着をつけたいということだけがモチベーションだろう。過去2戦は場所、ジャッジが違えば2勝で終わってもおかしくない気の毒なものだったが、ビジネスの闇、背景まで選手はコントロールできない。

そして決着をつけるためには、同じボクシングではいけない。
アベル・サンチェスの印象は、都会の誘惑から離れた山奥でトレーニング漬け、内容も過酷、心身共にタフに鍛えられそうな気がするが、最近の結果、ムラト・ガシエフ、ライアン・マーティン、アレックス・サウセドらをみるとみなどこか単調で不器用さを露呈している。

ガシエフには追い足と細かなパンチが足りず
マーティンはスキルフルで素早いテイラーに木偶の坊的で何もできず
サウセドは打ち合いすぎ打たれ過ぎる

全体的には足が使えず、戦略性に欠けている面が露呈している。

新しいトレーナーのジョナサン・バンクスの事は良く知らないが、ゴロフキンVSカネロの2試合をみて

「もっとアクションが必要だ、ゴロフキンはもっと運動量豊富にできるはず」

というような事を言っていたが、個人的には37歳を迎えるベテランにそこ?と少し違和感を抱きもした。

それでもやはり、同じスタイルでは駄目なのだ、何かを変えねばならない。一流のファイターは皆同じような問題を抱え、トレーナー、環境を変えてきた。

ファンとしては6月8日にそんなゴロフキンの新たな門出と変化をボンヤリと見守らせていただくしかない。勝ち続ければあと3年6試合、どこかで躓けばそこで終わるかもしれないゴロフキンのラストラン

見守り、見届けるしかない。

The Galaxy Express GGG
Will take you on a journey
A never ending journey
A journey to the stars

https://www.youtube.com/watch?v=JuqTAOxyGo0&t=889s

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コメント一覧
  1. ゴロフキン、いよいよ明日、DAZN初戦ですね。

    Fight Hubとか、他のN.Y.でのP.W.とか見る限りではジョナサン・バンクスの
    ミットに足を使って軽快に打ち込む姿が見れます。

    思えばカネロとの2戦目でも7or8R目から足を使って左(ジャブ)を多用
    しつつ、カネロをコントロールしようとしていたのが思い出されます。
    私見ですが、ポイントでは明らかにゴロフキンと見ていたのですが、
    あの地ではカネロ相手にはK.O.以外勝ちはありません。結果的には残酷な
    ニューチャンプ誕生の瞬間を見ることとなってしまいました。

    試合前からいつものゴロフキンらしくなく、カメラ相手にカネロを辛辣に
    こき下ろし、「メキシカン・スタイル」を強調していましたが、傍観者
    としては、肩を落とし足早にリングを去るゴロフキンがタイトルを「剥奪」
    されたかのような印象さえ受けてしまいました。プロモーションのG.B.側
    からはいささかのリスペクトも感じられない「冷徹な」試合だったと
    思います。

    試合後、その「メキシカン・スタイル」をやり玉に挙げ、後退する
    ゴロフキンに「逃げていたのは自分だろ?」とR.ジョーンズJr.がインタビュー
    に答えていましたが、戦術的には「果たして?」と思えるものがありました。

    ゴロフキンはアマチュアで相当なキャリアを積んでおり、左の使い方は
    非常に長けていると思います。ジェイコブス相手に連続K.O.を逃すまでの
    記録は、「17戦連続」と凄まじいものがありましたが、その軸となっていた
    のはまさにその「左」ではなかったかと思います。

    「K.O.アーティスト」と呼ばれるGGGと他のボクサーとの明確な違いは、
    フィニッシュ・ブローを打つまでのアプローチを自分で作れること、
    「構築」が出来る点だと思います。そして起点となるのはその「左」に
    あります。「K.O.」というGGGの生み出す「結果」にばかり目が行きがち
    ですが、その「左」がない限り、フィニッシュには至れません。

    そしてカネロ戦では、その「左」の後の「構築」の段階にまで
    至れていなかった。逆にあの「異様な打たれ強さ」と左ボディー
    に後退を余儀なくされていた。

    K.ブルック戦あたりから過去にはなかった被弾が目立ち始め、GGGの
    「加齢」が指摘されて久しいですが、D.レミュー戦のような丁寧な
    「左」から相手を圧倒するような試合も減ってきたというのが正直な印象
    です。「K.O.」という華を期待され、いつしか「メキシカン・スタイル」
    という「視野狭窄」に陥った元統一王者。元K.O.アーティスト。

    「もちろんK.O.は狙ってますけど、「流れ」の中でそのチャンスは
    探っていきたい」というのは、井上尚哉の「謙虚さ」に裏打ちされた
    言葉のような気がします。どんな相手も過大に評価をし、入念に綿密に
    作戦を立て、試合に向けて日々の練習をこなす若きチャンピオン。
    K.O.アーティスト。

    村田諒太の言う「魔法がとけてきた」37歳になるゴロフキンの
    肉体・精神的な衰えは否めませんし、戦術のすべてを変えること
    は難しいと思いますが、「改良」とか「応用」という点においては、
    彼のキャリアがものをいうのではないかと思います。

    A.サンチェスと結果的には「別離」ということになりましたが、
    悪いことではないだろうと思います。戦術的なことはもちろん、
    カネロ戦後のGGGに対するアベルの発言などを聞く限り、個人的
    にはそういう「流れ」、「潮目」だったのだろうと思います。

    明日はJ.バンクスの下、新たなGGGを見れるであろうことに期待
    しています。

    余談ですが、いま帝拳の村田の下にK.アダムスとL.アリアスらが
    スパーリング・パートナーとして来ているようですね。

    村田も打倒ブラントに向けてC.リナレスにトレーナーを変えるなど、
    状況や戦術に変化を求めているようですが、戦術的には明日のGGGの
    試合が今後の参考になるかもしれませんね。

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