米国人は一人も出ないのにシカゴで行われるWBSSクルーザー級の一回戦最後の組み合わせです。ラトビアのリガなど、見知らぬ土地のムードを伝えてくれるこのプレファイトドキュメンタリー、いいですね。
映画も小説もそうかなぁ、人間性、言葉の重みとかになると日本人は海外勢に比べて軽いというか中身がない気がしちゃいますね。みな、ある程度ベテランだからコメントに深みがあるのかな。
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アルメニア発ドイツのミカエランは英語を流ちょうに喋るので字幕がありません。
聞き取れそうなところを適当にニュアンスで載せただけですのであしからず・・・
マイリス・ブリエディス
ボクシングは自分を守ることだけじゃなく、健全な肉体や自分の弱さを克服する事を教えてくれた。
ハイエナがヒヨコを食べようとしている。
でもそのヒヨコは守ってあげなければならない。
なぜなら、そのヒヨコはいつの日か立派なニワトリになるから。
もっとより多くをもたらす生き物になると知っているから。そのヒヨコはいつの日か卵を生むんだ。
そして僕らはその卵を食べる。
これが、ヒヨコを乱獲したり食べたりしない理由さ。それは人間も同じだ。
最初はメダル、その後、トロフィー、ベルトに発展していく。
私は2度目のチャンスを与えられた。
8年生の頃、学校から全ては始まった。
友人がトレーニングに連れて行ってくれたんだ。
もちろん、これでロッキーになれるんだとおもった。
映画では、両親とケンカし自分の過ちに気づき、そして突如、強さに目覚める。
でもそこにリアリティはなかった。いきなりパンチを鼻に食らい、あっという間に出血さ。
血が口の中に入って、映画と全く違う現実に気づいた。私の事例をラトビアの人々に示したいんだ。
ラトビアの人々だけでなく多くの人の後押しをしたい。
人間にはスポーツだけじゃなく、ファイティングスピリットが必要なんだ。
スポーツを通じて日々を生きていく。
ボクシングをみて、ハイになったりアドレナリンが出てきて、山(頂点)に挑む勇気がわく。
人間にはそういうエモーションが必要だ。
何かを成し遂げるためには前に進まなければならない。肉体的にも心理的にもやらなければならない事はたくさんある。
もう若くはないけど、全てを成し遂げるつもりだ。フィジカルは今とてもいいよ。
もっとも大切なのは、神の御心の元、自分のスキルや周囲のサポートを駆使して全力で取り組むことだ。
私は成し遂げることが出来ることを示したい。
私はこうで、私はこうだったと・・・私は2度目のチャンスを与えられた。
このチャンスを逃さず、どこまでもチャレンジしてみよう。
私を支えてくれる人々、家族、チーム、私には大きな責任があるんだ。
ノエル・ミカエラン
ボクシングは本当にタフなスポーツだ。
ボクシングは人生だ。子供の頃放課後にボクシングをやって、アマチュアを経てプロになった。
父は偉大な元ボクサーで尊敬している。
ハイレベルなファイター達のスパーリングパートナーを務めてきた。ボクシングは自制心を教えてくれた。ネバーギブアップの精神も。
楽しい事を犠牲にしてトレーニングに励んできた。トーナメントに出ているファイターは皆強い。強みも弱みもある。それぞれにスタイルが違う。とてもエキサイティングだ。
よくあるように、弟をよく殴っていた。弟がパートナーであり、トレーナーだ。
弟との相性は抜群です。一緒に相手を研究し勝ちぬいてきました。ノエル・ミカエランの弟
「ノエルはボクシングIQが高く、シャープで速い。これが他のクルーザー級選手とは異なる点だ。」ブリエディスは強い。タフな試合になるだろう。優勝候補でパンチも強烈だ。
それでも俺は新参者としてアップセットを起す。
クシシュトフ・グロワッキ
大変な時を過ごしてきた。
俺は17歳で父親になった。
お金も何もなかったから、一生懸命働いて、学校にもいかなければならなかった。
忙しい合間にボクシングのトレーニングもしていた。
本当に今振り返ると大変な時だった。今はボクサー何人かとアパートでルームシェアをしている。
ヨーロッパ王者やライトヘビー級の選手たちと一緒だ。
ある日、みんなでアパートの外でパーティーをしていたんだ。
すると誰かがアパートの10階からテレビを投げてきた。
みんな走って逃げた。これが最後のパーティーだった。俺の部屋は狭くて布団も汚いけど快適さ。
ここには仲間がいてジョークを言いながら楽しくやっている。
でも2人の子供は400キロも離れたところで暮らしている。
めったに会いに行けなくて最後に会ったのは2週間前だ。
試合前には会えないんだ。それが本当に辛いよ。
スマホやスカイプでビデオ通話できるのが救いだけどね。
ボクシングには多大な犠牲、献身が必要だ。トレーナー
「クシシュトフは世界王者としてアメリカで2試合偉大な試合をしている。
世界王者の味を知っている。そして再び頂点に返り咲きたいと願っている。
彼は気性が荒くトラブルメーカーだった。でも今は性格も穏やかになった。リングでは相変わらず狂暴なファイターだけどね。
どんな困難な事があっても、それが彼のボクサーとしての人生だ。」俺はどんなハードワークも恐れない。
毎日朝4時に起きてロードワークをし、学校に行き、仕事に直行し、家電を配達して、そのあとトレーニングだ。
朝の4時から夜の10時まで毎日毎日そうやって突っ走ってきた。
そんな生活が俺を作り、今の俺があるんだ。
全てに感謝したい。ヴィラソフの映像はコーチとたくさんみてきた。
細かい部分の準備はできているけど、そんなにヴィラソフに集中しているわけじゃないんだ。
彼が何をして、何を食って、たくさん寝てるかなんて気にしない。
大事なのは自分自身が何をするかだ。
俺が最善を尽くせば勝てるとわかっているから。
もちろんヴィラソフには強みも弱みもある。
それについては言えないが、11月10日の試合をみてくれ。何をするかって?
これは運命だ。勝利で自分の運命を切り開く。
王者は一人で十分だ。
マキシム・ヴィラソフ
朝も夜も、いつもジムメイトと一緒にトレーニングしている。
何人かは、いや、みんなプロボクサーだよ。
素人も経験を積んだな者もいる。
みんな若く有望な奴らばかりだ。
たぶん、俺が一番年寄りなんじゃないかな。
多少の実績があって彼らをコーチすることもできるから、みんな俺を慕ってくれる。18年間、ここで練習しているけど、
時代の変化とともに、メンバーも一新する。Ibragim Tsurov(ジムメイト)
「ヴィラソフは素晴らしい人です。ボクシングは紳士のスポーツと言われています。
みんながヴィラソフのボクシングを好きになって欲しいです。礼儀正しく、誠実な人です。」叔父がアマチュアボクサーでした。
11歳の時にジムに連れていかれました。
ボクシングを好きになりましたが、心から愛したわけではなく、適当にかじる程度でした。
その後叔父が今のコーチであるビクター・ニコラエビッチ・ペトロチェンコを紹介してくれました。
この出会いが私をボクシングに目覚めさせました。
ビクター・ニコラエビッチ・ペトロチェンコは第二の父親のような存在です。
父親がビクターが私にどんな影響をもたらすか試したんだとおもいます。
父は、変わった性格で、私の人生でもっとも重要な人物です。ビクター・ニコラエビッチ・ペトロチェンコ
「ロシアには白黒、善悪、はっきりした考えがあります。
私はヴィラソフにそうした考えを与え、ボクシングに役立てようとしたのです。
ヴィラソフにはハードワークに耐えぬく精神、リングで死ぬ覚悟があります。
スポーツと人生は似ています。
ヴィラソフはどんな困難も乗り越えることができる男です。
誰もがこうはいかない。トップレベルの人間だけの素質です。」グロワッキの事はよく知っています。
たくさん試合をみました。彼はハードで危険なファイターです。
いつでもKOを狙ってくるファイターです。
片時も怠ることなく彼の動きに注意しなければなりません。
私のキャリアにおいて、このグロワッキ戦こそが鍵になるでしょう。
殺るか殺られるかです。敗北の味も知っている。そこから学ぶものもある。
けれど勝利はより多くをもたらす。
ボクサーとして一人の男として、大きな成長がしたい。
寡黙な印象の強かった、ブリエディス、語るなぁ。
ラトビアでわかりにくいですが、メンバーの中では一番、著名人であり、背負っているものがデカそうです。
たいていこのドキュメントは最初の人に多く尺を使っています。
編集で最初に気合いれちゃうんだろうな。
ミカエランはごめんなさい。通訳できないだけです。
紳士で誠実な人柄を感じます。確かにテクニカルでスピーディーなのは彼です。
グロワッキは面白いな、ガキ大将の典型のようだ。輪島功一みたいだ。
もう殴られて顔が赤くなっている。朝4時起きの根性はただものではない。
どこかスーパーライト級のイバン・バランチェクとかぶります。
ヴィラソフ、性格よさそうだなぁ。
敗北含め、キャリアは一番豊富です。
父の事を語るときに言葉に詰まったり、ため息をしていたので
複雑な想いがありそうです。
これを観るとスイッチが入ります。
これだけ人生かけた勝負となるとそりゃ耐えに耐えての判定が多くなるわな。