清水聡について、こんな記事を書いたが急転直下で世界戦が決まった。
世界ランカーでもなかったはずなので、無理やりねじこんだ試合だろう。
37歳、いつ来るかもわからぬ試合に向けてひたむきに練習する姿と実績を考慮してのことだろう。
盟友の村田諒太はもう引退している。
そして清水聡にとっても、これが最初で最後のチャンスだろう・・・
ロベイシ・ラミレス
ロンドンオリンピックフライ級金メダル
リオデジャネイロオリンピックバンタム級金メダル
キューバのトップアマだが、プロ初戦でいきなり負けて期待を大きく裏切った。その後は連勝で、本来の上手さを発揮し、元Sバンタム世界王者のアイザック・ドッグボゥを判定で破り世界王者に到達した。ドッグボゥはロンドンオリンピックで清水に1回戦で9-10で負けていたりする。
プロでのラミレスは本来の才能を出しつつあり、デビューで負けた後全勝であっさり世界を取るところなど、ただ者ではないが、今をときめくシャクール・スティーブンソンに勝って金メダルをとったとはおもえないほど差をつけられてしまった。すさまじい反射神経と防御勘、センスなのだろうがシャクールに比べると危ない被弾もするしポイントメイクも圧倒的とは言えない。
身長 165cm
リーチ 173cm
とそんなに大きくないし力感もないが、最近はKO勝利も増えてきている。イスマエル・サラスに師事してプロとしてようやく力が発揮できるようになってきたところだろうか。
井上尚弥とほぼ同じ歳(29歳)にして、アマチュア実績はそれ以上の極上のネームではある。
対する清水聡はロベイシよりもずっと背が高く(179センチ)一撃の威力も打たれ強さも上だろう。ロンドン、バンタム級銅メダルという立派なアマチュア歴もある。
この両者、果たして噛み合うだろうか。
見栄え、スピードやテクニックは間違いなくロベイシ・ラミレスが上で、清水のパンチが当たらぬ限りポイントをピックアップしていくのは彼だろう。かといって清水は愚直なファイターでもなく、アウトボクサーとも言えず、圧力とタイミングでゲームメイクしていく型破りタイプ?だろうか。
体格差がかなりあるので、清水の距離や威圧感がロベイシに通用すれば一縷の望みはあるが、スピードやスキルに清水はかなり苦労するだろう。年齢的にピークも過ぎているだろう。
ロベイシ・ラミレスがジョー・ノイナイに負ける姿は考えられないので普通に考えると2-8くらいで清水が不利だろう。前戦、これまでの相手レベルも低く、いきなりロベイシ・ラミレスが相手というのも無理がある。
しかし、偉大なアマ実績をひっさげ、負けても、37歳になっても腐らずに努力を続けてきた清水の躍動がないとは言い切れない。見た目よりずっと強い、意味が分からない不思議な強さ、捉えどころのない性格というのが清水聡の魅力だから。
是非、アップセットを起こし、この試合が最後ではなく、プロ第二章のはじまりであって欲しい。
日本から世界フェザー級王者誕生を期待する。