No Mas!ロマチェンコVSウォータース

期待しすぎると肩透かしを食らう事もよくあるが、能力差があるからこういう結末になったのか?
映りの悪いライブ映像だと正直よくわかりませんでした。
リコンドーの試合がいつも消化不良なのと同じでロマチェンコももはや強すぎ相手と差がありすぎるのか。

https://youtu.be/Qe72CxOOOTA

パワーと底の知れないウォータースを前にロマチェンコは慎重にディフェンス意識を高めて臨むが、対するウォータースもそれは同じ。スピード差もさほど感じぬ緊張感のある出だし。

それでも前に出て仕掛け、攻めていくのはロマチェンコの方でリングジェネラルシップも手数も増やしていった。
両者パンチの当たる距離で緊迫の展開だが、細かく動いて小さなパンチを当てるのはロマチェンコ。
ウォータースはブロックに忙しくタイミングをみてパンチを出してもほぼ空砲。

正面に対しているようでロマチェンコの動きは前に出つつも多角的で体勢の入れ替わり様の対処などが抜群に上手い。
パンチ、上体、足でフェイントを入れて自分だけコツコツ当てて相手に全く当てさせない。
しかしガード重視で鉄壁なウォータースにたいした有効打は当てきれていないように見えたが・・・

7ラウンドにやっと試合が動き、ロマチェンコの独壇場になってきた。
あまりにコンパクトで素早い身のこなしにウォータースがついていけなくなりコツコツ被弾が目立ってきた。
詰将棋のようなロマチェンコの動きに集中力が切れた感じ。

やっと試合が動いたとおもったら、そのまま棄権、終了。
ウォータース側のギブアップで、テンプルに食ったパンチが効いたそうだ。
しかし観ている側からしたらダメージはほんの少しだけで、これから玉砕覚悟のスタイルチェンジを期待していたのだが。
自身のパンチが全く当たらず、集中力を切らして自暴自棄になった末の顛末だろう。

100万ドルくれないとやらないと言っていたウォータース。
結局100万ドル以上を得たのはロマチェンコの方で自身は30万ドルだったようで、このままだと試合枯れ、干されそうだから受けた印象もあった。元々勝てないとおもったらさっさと諦める気持ちでいたんじゃないだろうか?
まだ体力は余っていたはずだ。このメンタルは正直ガッカリだ。

キレイな映像で見直せば、ロマチェンコの圧勝劇だったのだろう。
でも見た感じ、ウォータースにダメージがあるほど一方的には見えなかった。
判定濃厚の両者に決定打のない緻密な技術戦に見えたのだが、そんな中でも圧力も手数もパワーですらウォータースを上回り、終始前に出て試合をコントロールしていたのが印象に残りました。

ほぼ無傷の勝利であろう。

リコンドーという不人気帝王はいるが、それ以外でロマチェンコに勝てる相手はいないだろう、と感じるパーフェクトな試合でした。不注意による被弾以外、技術で彼に勝てるものはいない。

GGGもロマゴンもP4Pレベルだが、彼らは殴り、殴られ、総合力で相手を撃破していくファイタータイプだが、ロマチェンコの場合はメイウェザーのような当て逃げに特化しているわけでもなく、がっつり向き合ってファイトしつつ、細かな動きで全く当てさせない。自身のパンチもコンパクトでいて多彩で一分の隙もみせない。

プロ向きにスタイルの調整をして今があるんだろうが、やはりこれほどコンプリートなアマチュアになると、プロの王者以上であるというのは間違いのないところだ。

これで評価も人気も急上昇だろうロマチェンコ、マイキーやクロフォード、パッキャオと階級上の大物に向かっていくんだろうな。
正直パワー型の選手じゃないんでそういう色物的試合には興味がないが、相手がいないからね。

ウォータースは無敗の記録に傷がついた以外、さしたるダメージもないだろうし、ディフェンス意識が高くいい選手だとは感じたが、この試合の投げ方で多くの失望を買い、ゼロからやり直しだろう。
意外と彼は長い腕を生かしたディフェンスの上手いアウトボクサーであり、そのスタイルでロマチェンコとやりあい通用しなかっただけなのかな。野生児、倒し屋とのイメージだが、全然ファイターではないからね。

でも、日本人が気軽に超えられるようなボクサーではない。普通でいうならかなり強い王者レベルでしょう。

負けたけどゲイリー・ラッセル強かったな。ロマチェンコともっとやりあっていたもんな。
サリドは・・・相撲でしょう。

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コメント一覧
  1. 一瞬のマ夏さん

    パッキャオは高齢ですがまだ速いですし
    ロマチェンコの横の動きに合わせたタイミングでダウンもよく奪うんですよね。
    でも階級違うんで観たくないです。
    再びロマチェンコVSリコンドーも煽ってますが、もはや階級超えないと
    ふさわしいと言える強豪がいないんですかね。

    自分はあまり興味が沸きません。

    riceさん

    能力は高いと感じましたが気持ちが・・・
    底なしの二人は相手がいないのでやる気配がありますが
    レギュラー王者の価値がなくなりますね。

    自分は複数階級制覇より長期防衛王者が好きなんですが
    そんな時代じゃないのかな。

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  2. ウォータースの底がすべての要因で、アフリカンらしく精神性が弱く野性味がなく、思いの外ボクサーだったのが露呈した形になりましたね。
    ボクシング含め、格闘技、スポーツはあそこからどうするか?でドラマが産まれ、感動を呼ぶ美味しい場面とも認識できますが、彼にとってはもういいわ、という境地に落ち着いたようで

    ロマチェンコ、リゴンドー、現役で底なしなお二人になりました。

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  3. 確かに決定打は食っていませんでしたね。
    あのウォータースが何もさせてもらえなかった。Sライトでパッキャオとか。パッキャオは自分がデラホーヤにしたように、最後は同じようにやられるのでしょうか?
    ロマチェンコの適正階級はどこなんでしょうね。ライトくらいまではいけそうです。
    私が好きなクロフォードとやってもらいたいですが、ライトでは流石にリーチが足りないと思いますね。昨日も何だかリーチが短く見えました。ロングレンジでの戦いになってしまうと厳しそうです。

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  4. 一瞬のマ夏さん

    ウォータースもいい動きだったとおもいますよ。
    とにかくディフェンスがかなりいい。
    でもロマチェンコとは打ち合いさせてもらえませんでした。

    打つ手なしだったのでしょう。

    確かにドネアやダルチには体力勝ちですが
    ウォータースもまた難攻不落なボクサーだとおもいますね。

    ただ、こんな棄権をしたら総スカンですね。

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  5. かなり予想通りの内容と結果でした。
    やっぱりウォータースはドネア戦で感じたフィジカルの差だけで圧勝したというイメージ通りでした。
    ロマチェンコは早々に余裕が感じられました。速くて体幹もしっかりしていてクロスレンジでも目が良くて食わずに当てている。あと足りないというか欲しいのは、ドネアのようなカウンターです。もらいながらも一瞬相手より早くパンチを当てて倒す。これが無いように思えるのがロマチェンコや井上に共通して思う事です。圧倒するけど心を折るまで倒せない。
    まぁでも本当にすごいボクサーです。
    ウォータースは役者が違っただけでニセモノではありません。でも、もうやれる事が無くなってしまったのが分かったのでしょうね。

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  6. あなさん

    ロマチェンコの目標はプロでのP4Pだそうで
    一部マニア的にはもうそれに近い評価だとおもいます。

    ただ、プロスポーツなんで、派手なKOや同時期のライバルなど
    色々な要素や運、ストーリーがないと人気者にはなれないですね。
    人気者になることが全てじゃないとステベンソンやキンデランは教えてくれましたが。

    カストロが死んだのでわからんぞー。

    このスポーツも究極や負けないを極めていくともう答えは出ちゃってるかも知れず
    虚無感は既に以前からあります。

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  7. ロマチェンコは移動に関してはすべての技術を完備した完全無血の存在だと思いますが(ロマゴンのよくやるパンチを打ちながらの膝抜きくらいしか見たことがない技術がない)、パンチャーとしてはどうなんでしょうね ステップ踏みながら器用に手が出るし、踏みとどまれば体幹が強いので実はパンチも重い選手だと思ってます
    ただ当て感に関してはあんだけ死角取り放題にしてはライトまでのメイやゴロフキンみたいな直撃が少ない
    戦術的にはキャリア後半のカルザゲと同じだと思いますが、ロマチェンコが相手をさっさと仕留めないのは技術が足りないのか、それとも戦術的に安全を徹底してるからなのか
    動きは砂糖選手そのものですが、戦いかた勝ちかたは以外と塩の臭いがします
    技巧的にはもう付け足すものがないけど、この戦術をとる限り強さが突出してるのもあってリゴやウォードの二の舞になる可能性も少し感じますね
    そんな感じで見所満載なんだけど一抹の虚無感のようなものも感じた一戦でした

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  8. うっちーさん

    今まで一番芸術度の高いボクサーはリカルド・ロペスだったんですが
    ロマチェンコみたいのも現実にいるんですね。
    これはサウスポーの手本というか究極ですね。
    長谷川もこうやりたいんだろうな。

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  9. アキラさん

    オスカー・バルデスあたりはアマでロマチェンコとやってますが
    12-1だかでほぼ完封されているんですよね。
    それでも抜き出たプロの王者になりました。
    例外もありますが、アマで何度も頂点に立つレベルになるともはやプロ王者より上ですね。
    プロ王者も元トップアマばかりになってますし。
    軽量級日本人だけです。トッププロがプロにならず、まだ穴がたくさんあるから。

    camaroさん

    ウォータース叩かれまくってるでしょうし
    マニア筋ではロマチェンコの圧勝だそうですが
    自分はウォータースなかなかやるなっておもってみてたんです。
    でもそれはガードだけで勝てる要素は何もなかったかな。

    プロで伸びて素晴らしい選手になった、マイキーあたりとのマッチアップしかもはや興味ないかな。
    ロマチェンコは。
    内山や三浦が空転して完封されるのもある意味見てみたいけど。
    もう100万ドルファイターですからね。

    クッパさん

    国籍、見た目、立ち振る舞いからも、優等生キャラではないですからね。
    気持ちがキレたら抑えがきかないタイプでしょう。
    サリド戦はちゃんと見てないけどウェルター超の体重と薬もあったかもしれませんぞ。
    あれも勝ちでも引き分けでもいいような内容でしたし。
    内山戦のコラレスも当日70キロ近かったそうなので、ちゃんとそこまで警戒せねば・・・

    八さん

    ぶっちゃけロマチェンコも長いリーチでガードの固いウォータースの壁こじあけるのには苦労したとおもいますが
    試合後に「彼は戦士じゃない」と言うからには楽だったんでしょうね。諦めが早いし。
    体格的にはフェザーの頃より今がちょうどよく、パワーもキレものっているとおもいましたが
    ビッグマッチを求めて転級しそうですね。
    ここ2試合の内容を見て次誰が名乗りをあげるんでしょうね。

    あなさん

    個人的にロマチェンコはすごいなとおもいますが
    誰との試合がみたいなとはあまり思わないんですよね。
    なぜだろう。

    願わくば、体重がマッチするならばかつてのメイとやって全勝記録を止めて欲しかった。
    メイよりずっと偉大なアマチュアですから。

    主にキューバやロシア圏ですが、メイウェザーより上とおもえるトップがアマチュアにはいるんで
    そういう人にもチャンスや尊厳を分け与えて欲しいものです。

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  10. 確かにダメージという観点ではウォータースはプロ失格ととれなくもないですが、正直難しい問題ですね ボディ狙いに切り替えた後半もあっさり対策されクリンチに言ったらロマチェンコの方がフィジカルが上だった 正直勝てる要素がなく、よくコンディションした上で考えられるすべてを試したと思います
    ダメージが薄いといっても不必要に殴られるのは今後のキャリアに響くわけで、セコンドの危険に申し入れを叩く気にはあまりなれませんねー やることがないウォータースでしたが、試合続行するとしてどういう身の振り方をすればいいのか…

    ロマチェンコはもうこれ相手いませんね リゴンドーの方が動きのクオリティは完全に上だと思うけど、スタイルの相性で完敗するというのが予想です
    この試合ではロマチェンコがタイソンやカネロのよくやる先出しスリップ釣りからのサイドステップを試してるように見えました いつもより相手の反応を見ながら、それでいて能動的 きっとまだまだやりたいボクシングには到達してないんでしょうね
    個人的には試合とした期待できそうなのはライトでのクロフォード、メイ
    あとはややマイナーだがフランキーゴメスとか あまり体重を増やせるスタイルではないと思うのでウェルターはキツいかな、と
    つくづくコット戦頃のパックとのスウォーム合戦が見たかった…

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  11. 節制もしない、ムラがあり気分屋と聞いたとおりに最悪のメンタルが露呈しましたね。
    本音はこのままなら負けは必然でKOされるかもしれないと思ったんじゃないでしょうかね。
    彼は戦士でも何でもないとロマチェンコ。全くその通り。
    この一戦はウォータースのこれからのキャリアにずっと影を落とすのでは。
    ただこの気分屋相手にでも三浦も内山も含めた日本勢が勝てる絵が浮かばないのが悔しいですが。

    ロマチェンコ、パワフルなパンチは打ちませんがあれだけ多彩でキレるパンチを打てますし、
    急所に当てられますからね。
    ホントに階級上げてますます体幹がしっかりとしてきたような気がします。
    ラッセルは未だにプライドを傷つけられたトラウマがあるのでしょうが、やはり無理でしょう。
    気概は素晴らしいですけど。

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  12. 僕もウォータースにダメージは感じませんでした。メンタルに問題がありましたね…一度こういうことがあるとズルズルと崩れて行くタイプかもしれませんね。
    まあ、あれだけ何度も見事に懐に入られたり横に消えるように動かれては負けを悟っても仕方がないとは思いますが…
    腕力はウォータースのほうが上に感じましたが体幹の強さはロマチェンコのほうが上回っているように思いました。今思えばサリド戦は調整がうまく行かなかったのかもしれませんね。
    ボコボコにされながらも耐え忍んで相打ちができるような相手の事故的な一撃以外負ける姿は浮かびません。
    ロマチェンコとハイレベルな試合をしたラッセルJrは改めていい選手なんだなぁと思いました。

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  13. ロマチェンコの左右の動きはどうなってるんでしょうね
    絶妙過ぎて説明するのが難しいです
    僕の中では、PFPのトップですね
    ロマチェンコに技術で勝てる可能性があるのは、やはりリゴンドーくらいですかね
    あとはゴロフキンのようなパワーとタフさを持った選手の一発に賭けるか

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  14. 終わり方としては最悪なんじゃないでしょうか?
    特別効いたようにも見えないしメンタルに問題アリですね。
    棄権した理由も「相手が逃げまわっていたから」だそうです。

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  15. ウォータース、寒い結末になりましたね。これでトップランクからの冷遇は必至でしょう。バルデス、マグダレノもいるし、ウォータースの出番はもうなさそうです。
    年末に内山VSコラレス2がありますが、内山勝ってテレ東が頑張れば十分呼べるかもしれませんね。それでも勝つのは一苦労でしょうが。

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