フィリピンの未来/ゲイリー・ラッセルJrVSマーク・マグサヨ

2022年はこの試合あたりから目を覚ましていこう。

フィリピンのプロスペクト、マーク・マグサヨの世界戦が遂に決まったが、相手は階級最強、長年王座に君臨しているゲイリー・ラッセルJr、フェザー級で最難関の壁だ。

正々堂々、遂にこの時が来たという感慨もあるが、互いに遠回りしすぎた。

マグサヨの才能はフィリピン時代はパッキャオやドネア以上、井上尚弥みたいな眩しさがあったが、モテ過ぎて浮かれちゃったのか、全身のタトゥーが増えるとともに精細を欠いていった。

ここまで23戦全勝16KOをキープしているが2017年の林翔太戦のボディ地獄以来、調子が狂い、精細を欠いたままだ。アメリカに渡り、フレディ・ローチのもと、かつての才能を取り戻すべく精進してきたが、あれから5年で5試合、26歳の未来としては心もとない。そしてどの試合もかつての勢いはない。

直近の試合は派手で、実力者のフリオ・セハを病院送りにしたが、初回からダウンを奪うも、ダウンを奪い返され、なんとか逆転でねじ伏せた。

それでもマグサヨの良さは、本来持っているものが並の潜在能力ではないことで、あっと驚くダウンのタイミングや感性溢れる伸びやかな攻撃の迫力があること。最近のマーロン・タパレスやジェイド・ボルネアのような昇華があれば、難航不落のゲイリー・ラッセルの牙城を脅かす可能性はゼロではない。

マグサヨ
「前回のセハ戦で多くを学びました。試合の中で調整し彼をノックアウト出来ました。世界挑戦するためには絶対勝たねばならなかったのです。」

対するディフェンディングチャンピオン、ゲイリー・ラッセルJr、やっぱり約1年ぶりの超不活発な登場だ。31勝18KO1敗 1敗は大きなロマチェンコに肉薄するものであり、実質無敗といっても差し支えないキャリア。

西岡や長谷川の宿敵だったジョニー・ゴンザレスを子ども扱いした2015年から世界王者だから、もう7年を迎えるが、とにかく試合が少なく、これが6度目の防衛戦(たぶん)となる。

全階級屈指のスピード、反応速度、危機管理能力で、ほとんどのラウンドを失わない。KOも判定でも勝てる。

過去に下した、ジョセフ・ディアス、キコ・マルチネス、ニャンバヤルら、みな実力者だが、ラッセルJrが望むビッグネーム、ビッグマッチは決して実現しない。勝つのが難しく、ギャラも高くなく、その存在が厄介な立場に甘んじ続けている。

今回も、マグサヨという強敵相手の指名戦に落ち着いたが、ほんの少しの危うさはある。

ここを通過したら、ライト級のジャーボンティー・デービスかロマチェンコと戦いたいと公言しているが、実現の見通しは薄く、怪我に悩まされており、今回は100%ではないという。具体的には試合後に説明すると言っているが、

恐らく、勢いのあるマグサヨの一発に注意しながら流していく戦い方になるのではないか。

流して勝てるゲイリー・ラッセルJrの優位は動かないが、モチベーションも体調も低い状態で、マグサヨが、本来の才能を発揮し、この試合でコンディションをピークに持っていくことが出来れば、主役交代もありえなくはない。

そのくらい、かつてのマーク・マグサヨは輝いていた。
パッキャオの国、フィリピンの未来だった。

マグサヨ

「ゲイリー・ラッセルは俺が速くてスピードもあるとはおもっていないだろう。パワーだけではありません。遅いとか弱いとかではないことを証明する。俺は強くて速い、それを証明するつもりだ。ラッセルは 俺の能力を過小評価してる。鈍いと思ってる。それは良いことだ。実際に対峙したとき、驚くだろうから。

それでも、ラッセルは、俺が戦ってきた他のファイターとは全く異なる、戦術的なファイターであり、巧みなファイターでもある。フリオ・セハとは違う。セハは喧嘩屋のフイターだった。だからこそ、ラッセルというエリートファイターに挑戦したいんだ。」

ラッセル

「俺と戦ってくれるマグサヨの勇気と意欲に感謝している。サンタクルスなど多くのファイターは俺から逃げ続けてきたからね。マグサヨのことを甘くみてはいない。厳しい試合になるだろう。

試合が少ない、年に1回しか戦わないと批判されるけど、実際に戦ってくれる相手さえいれば、年に3回、俺を見ることができるはずさ。俺自身、体重を増やすこともいとわない。ただ、タイトルを返上して、一ランカーからやり直すのは嫌だね。もし、体重を上げるのであれば、他のチャンピオンと対戦させてくれよ、それだけだ、それだけなんだ。

今年こそ、年に2回以上戦うかって?神のみぞ知る、だ。いつだって神頼みだ。でも、チャンスはあると思う。今年の最初の月に試合をするんだから、神様が望むなら、怪我なくこの試合を終えることができる。今、ちょっと怪我をしているんだ。でも、文句も言わないし、愚痴も言わないし。とにかく泥まみれでやる。ベストを尽くして、この試合を乗り切れば、真夏には振り出しに戻れると思う。今年2回目の試合だ。そうなれば、今年もいい締めくくりができるはずだ。」

私はゲイリー・ラッセルJrこそが軽量級(163センチくらいしかないから)で一番手ごわい、井上の好敵手だと考えている。本人は下など一切見ておらず、クロフォードと戦いたいとも言っているが・・・ビッグマッチなく消えていくのかもしれない。

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