内山との暫定、正規王座戦を病欠して(仮病っぽい)望んだビッグマッチでしたがソリスはコテンパンにやられてしまいました。
http://box-p4p.com/tube/yuriorkis-gamboavsjorge-solis.html
ガンボアは井岡の世界戦で日本にも来ていましたが元々フライ級の金メダリストであり非常に背が低いですが、サイクロンと呼ばれるスピードと分厚い体から放たれる弾丸のようなブローでソリスを圧倒しました。
内山との試合前のインタビューでソリスは「ディフェンスが得意」と言ってましたし、本来攻撃力もかなりあるが端正なボクシングで総合力の高い選手でしたがガンボアの一発目ははずせてもその後繰り出される嵐のようなコンビネーションブローや突如放たれるタイミング抜群のパンチに対処できず、スピード差が顕著に目立つ完敗となりました。
ガンボアはSバンタムの時のホァン・グスマンに似た印象がありまるで全盛期のタイソンのようでもあります。
相手に比べ体格差をカバーするに余りあるスピードと反射神経、タイミング抜群で一発で倒す破壊力、それに加えキューバアマチュアエリートならではの足、テクニックも兼ね備え、今手がつけられない強さです。
タイソン、ハメド、パッキャオ等一部特別な王者だけが与える怪物的な次元の身体能力を感じます。
先日のリコンドゥといいこのガンボアといい、彼らがボクシング界のトップ2になってしまうかもしれません。
ドネアやマルチネスの芸術的な美しいボクシングは従来のボクシングの系譜上にあるスタイルに見えますがこのキューバの2人のボクシングは天から与えられた身体能力の違いをまざまざと感じさせます。
キューバにこんな選手がゴロゴロいるわけではないのでいいのですが全階級にこんなのがいたらちょっとボクシング界が変わってしまうかもしれません。
負けたソリスいわく「パッキャオより強い」そうですが確かにパッキャオ戦よりなにもさせてもらえない完敗ではありました。
メキシコは端正でクラシカルで筋のいいボクシングをする選手が多くいますが、今回のような圧倒的なスピード差の前では分が悪い気がします。
ガンボア、手がつけられない強さですが今後どうなるのか・・・コンディション不良で大きな選手に不覚という姿しか死角が見えません。
あるいは同じスピードでもハンドスピードとパンチの軌道が美しいリナレスのような選手との試合は興味深いです。
それでもガンボア有利でしょうか。
ただ今回の試合はソリスを警戒したのか体重オーバーでIBF王座資格なしであった点がやや気に食わない点です。