ラストチャンスがあるならば/マット・コロボフ

昨日はWBSSスーパーミドル級決勝、カラム・スミスの印象的な勝利と、ホセ・ウズカテギのノンタイトルがありました。スミスはデカい。試合当日はグローブスよりかなり重かったのではという印象を受けました。ウスカテギはスパーリングのようで、運動神経抜群ですが、抜けたものはない印象です。

ウズカテギ
「今日は余裕で勝ちましたが相手をKOできませんでした。この試合をみたら、王者たちも俺と戦いたくなるでしょう。(コロボフと再戦でもすればいいのに)」

そんなウズカテギに勝っているけど、試合を組んでもらえない、35歳の無冠の帝王の話題再びです。

35歳、年齢は単なる数字ですが、ボクサーとしては決して若いとは言えない。

サプリメントや賢明なトレーニングの恩恵はあっても、35歳という年齢はピークを過ぎている可能性が高い。マット・コロボフの気持ちには同情し共感します。

コロボフ
「昨年は試合すらできませんでした。私はとても不満です。ビッグネームではないのにハイリスクなのです。アマチュアの実績(338勝12敗)、私の能力が邪魔し誰も私と戦いたがらない。鶏が先か、卵が先か、大きなジレンマです。せめてアンダーカードに組んでくれれば観客にアピールできますが、プロモーターに交渉しても返事はゼロでした。まだ力を保持していますので、彼らに大金をもたらすことができます。檻に閉じ込められた獣のような状態ですが、どうする事もできません。まともな試合をしていれば、ベルトを、あるいは複数のベルトを巻いているでしょう。」

コロボフは無敗のまま勝ち上がり、2014年にタイトルマッチでアンディー・リーに逆転負けをした。それ以来4試合しかしていない。

コロボフ
「家族とトレーニングでフロリダで暮らしています。最近、とても大きなチャンスがありました。デビッド・ベナビデスとの試合の話がありました。私を選んだ彼を尊敬しました。しかし彼は若く、間違いを起こした(契約問題やドーピング)。とても残念です。けれどベナビデスを責めることはしません。若い頃は誰だって間違いを起こす、私もそうでした。ただ不運なだけです。

家族とトレーナーのチャールズ・ムーニーだけが私の支えです。ムーニーは私にとって家族のようなもので、私のキャリアのために尽力してくれています。チームはとても努力してくれています。私には守るべき家族がおり、ボクシングだけが唯一の手段です。私は稼ぎ頭なのです。問題は試合をしなければ勝てない事です。そのために毎日トレーニングしているのです。」

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コロボフのキャリアがこのまま終わるとしたら、究極の無冠の帝王でそのキャリアを閉じることになりそうです。アンディー・リーに屈した痛恨の逆転パンチが運命を変えてしまったことになります。

ゴロフキンのような成功例もありますが、得てして旧共産圏初期のトップアマはプロ化が最近の事でアマのキャリアが豊富すぎるため高齢です。既に35歳のコロボフに誰も多くのチャンスを与えようとしないのでしょう。

大きな見返りがないと対戦相手も名乗りをあげません。

その後、多くの共産圏の輝かしいトップアマがプロに転向しています。まだ若い者は近年のコンテンツ戦争のため、有力プロモーターに囲われていますが、母国では成り立たないので皆移住しボクシングに全てを注ぎ、一度の挫折もなく頂点を極めなければ、捨てられるリスクを背負っています。

さらには試合内容も問われます。アマのようにただ勝てばいい、判定で優勢であればいいわけでもありません。メイウェザーがロシア人であればあのスタイルは受けないはずです。

コロボフの不運は、絶対のチャンスだったアンディー・リーに逆転で負けた事。派手な倒すスタイルではなく試合が冗長になりがちだった事もあるかもしれません。

しかし現王者のウスカテギをダウンさせ、圧勝している男なのだから、同等のチャンスに恵まれてもいいはずです。コロボフがタイトルマッチのチャンスを得ても勝てるかどうかわかりません。もう35歳の試合枯れです。若く大きな強い王者も台頭しています。

それでも、ウスカテギが王者で、ベナビデスは失態を演じ、ラミレスは冒険をしない。こんな状況ならば実力は誰もが認めるコロボフにせめてもう一度だけ、チャンスを与えてやって欲しい。

マニアとしてもコロボフの見納めをしないと次に進めません。
一度は王者になったギジェルモ・リコンドーにしても同様です。

ドグボエが自分を最強、統一戦を願うならリコンドーは避けて通れぬ巨人です。
自信満々ですが、ドグボエがリコンドーを口にしたのをみたことはありません。

彼ら抜きで階級最強を問うても意味がありません。

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