汝自身のために英雄を創るべからず/アレクサンダー・ベスプーチン

トリプルGVSカネロの前日、フライデーナイトに行われる世界戦、ホセ・ラミレスVSアントニオ・オロスコはアンダーカードも含め全て計量が無事終わったようです。岡田の緊急登板はなく、予定通りクリスチャン・コリアと戦うようです。

マニア的にはメインはもちろん、岡田の試合はじめ、アンダーカードも要注目です。見れるかなぁ、見れないだろうなぁ・・・最近はアンダーカードならば無料放送してくれるケースも多いので、トップランクさん頼みます。

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そんなアンダーカードに出る超人に注目

アレクサンダー・ベスプーチン(ロシア)

プロ
10勝8KO

アマチュア
300勝15敗

約8年の歳月、105~152ポンドで輝かしい実績を残している。
ロシアだけで11個のタイトルを獲得している。過去にはリオ金のイエレウシノフや銅のシソコらにも勝利している。リトアニアのエギディウス・カバラウスカスがどうもパッとしないので、東欧、ロシア圏で五輪組を除いて一番注目しているのがこのベスプーチンです。

現在27歳のベスプーチンはプロ2年、ウェルター級の脅威のプロスペクトです。アマチュアエリートのロシアで傑出した存在でした。今は米国で、オレクサンドル・グヴォジク、エギディウス・カバラウスカス、ワシル・ロマチェンコ、マキシム・ダダシェフらと共にエギス・クリマスによって管理されています。

ブラッド・グッドマン(トップランク)
「ロマチェンコよりも積極的ですが、スタイルが非常によく似ています。ロマチェンコは攻防の総合パッケージだが、ベスプーチンはより攻撃的です。相手をチェスゲームで分析し、脅威がないとわかるとただちに打ち負かし、試合を終わらせます。」

このようなバックグラウンドを持つ傑出したアマチュア、プロの試合でもこれ以上改善の余地がないほど完成されています。

しかし、ベスプーチン自身が一番の彼の評論家です。

ベスプーチン
「自分に常に批判的だし、ボクシングをしていく中で多くのミスをしてきた。もっと高い目標を設定します。」

グッドマンはベスプーチンの攻撃力を讃えているが、もっとディフェンス面を強化したいと考えている。

「ベスプーチンがもう少しディフェンシブな試合がみたい。彼は試合に飽きてしまっているのではないか、それくらい簡単に勝ってしまいます。不用意に被弾したり、バックステップを踏んだり、退屈な試合になったり、より難しい試合が必要な事もあります。最近の試合ではほんの少しだけ被弾し苦戦もしました。それが彼をさらによくさせるかもしれません。彼には300戦のアマチュアの下地があります。」

ベスプーチンはシベリアに近いウラル地方の人口20万人弱の中規模都市、カメンスクウラルスキで生まれ育ちました。8歳か9歳でボクシングを始めました。

ベスプーチン
「家から数キロ離れたところに、父の友人が地下室に小さなジムを持っていました。私の父は既に死に、どういうわけか私は父の友人のこの家によくいき、いつのまにかグローブを手にしていました。もっと年上の人を指導していたけれど自分も入れてくれました。これがボクシングの始まりです。」

そして様々な人の目に留まり、ボクシングを中心に活動の場を転々としてきました。輝かしいアマチュアの実績を残し、2015年に母親と兄弟を残し、米国でプロになりました。

ベスプーチン
「私の特徴はとても積極的で、爆発的で、ハンドスピードがあり、コンビネーションが得意です。それらを組み合わせリングで良い動きをします。私にニックネームはありません。ボクシングのヒーローもいません。私はとても宗教的な人間で、聖書には「汝自身のために英雄を創るべからず」と書いてあります。けれど実際のリングや私生活では好きなボクサーがいるし、彼らと友人になり一緒に練習したり同じチームになる事ができて幸運だとおもっています。」

ベスプーチンは既に結婚しており、子供が欲しいとおもっています。ボクシング以外の事を尋ねると

「人生、趣味、仕事、全てをボクシングに捧げていますので、他に時間がありません。」

と答えた。

あるロシア圏の傑出したアマチュアが、オリンピックに行くには実力以外にバックに人脈、政治が必要だと言っていましたが、このベスプーチンも数えきれないほどのアマチュア実績があります。五輪に出ていればメダル候補だったでしょう。

パワフルで爆発的なロマチェンコ、そのハンドスピードとアグレッシブなファイトはロマチェンコ以上にエキサイティングです。いかにも、やばい、強烈なファイトです。

しかしこれまで、スーパーウェルター級まで体重を増やして戦ってきた実績もありますが、サイズが小さく、その圧倒的にみえる強さは、超人的なハンドスピードと積極性が生み出すもので、ここまでハンドスピードがあると一発、一発の破壊力はそうでもない、倒しても倒しても相手は立ち上がってくるのを過去様々なシーンでみてきたような気がします。

どこか、すごいインパクトですが既視感があるボクシングです。
筋肉質でもあるので、スタミナや耐久力も疑問符がつきます。

これが、体格もよく、抜群のフィジカルを持つエロール・スペンスや、反応と切れ味鋭い超絶テクニシャンのテレンス・クロフォードらに通じるかは未知数です。

しかし、300戦以上ののアマの下地と実績をみるにつけ、スペンスやクロフォードよりも上の存在だったことは確かです。米国で、この超ハイテクで真面目そうなベスプーチンがどこまで快進撃を続けるのか見届けなくてはなりません。

プロスペクトの中でもとっておきに見逃せない選手です。

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