紆余曲折を経て実現に至るこの試合。日本ではリナレスを推す、というか心情的にも応援したいマニアが多そうだ。
たぶんマイキーもこの試合の勝者を目論んで、IBFSライトを返上した。勝てば一挙両得、両者に勝ったも同然だ。
ロマチェンコは圧倒的すぎる試合内容で対戦相手がみな棄権してしまうのにフラストレーションを抱えています。12月のリコンドーは4人目の棄権者で、ロマチェンコは「ノーマスチェンコ」と皮肉的に称えられています。
しかし3階級目となる次なる相手、ホルヘ・リナレスはそれらのフラストレーションを払拭させる相手であると考えています。
ロマチェンコ
「正直、どんなボクサーも尊厳を求めており、私だって同じです。リコンドー戦の結末には失望しました。棄権ではなく最後まで戦いたいのですが、なかなか難しいものです。リナレスとの試合はとても危険です。速くて上手いとてもいいファイターだとおもいます。何より彼はボクシングIQが高いです。彼こそはトップレベルのファイターであり、私の名前をボクシング史に刻むにふさわしい最高の相手です。」
昨晩も、観戦した試合よりこっちの話題になり、リナレスに期待するムードを感じました。結果的にリナレスはやはり、本場で賞賛される素晴らしいボクサーになりましたが、内山や三浦の方がもはや強いと言われるくらい厳しい時期もありました。
誰がみても速くて美しいリナレスの芸術点高いボクシングが評価されるのは当然で、日本と深い関わりのある彼を筆頭に、かつてK1やプライドなど外人でも日本で人気を博したように、日本人ばかりを勝たせたい世界戦や招へいではなく、本格的な外人ボクサーも積極的に売り出せば日本ボクシングの負の文化も構造も変わると考えています。米国では米国人の環境はいいが、誰もが輝けるチャンスが広がっています。(パッキャオ、ゴロフキン、ロマチェンコ・・・)
個人的には、リナレスはその美しいボクシングと裏腹に、試合のたびに怪我やトラブルを抱え、判定多く苦戦続きな印象が強いので、ロマチェンコやマイキーに比肩する評価を得ているのが少し不思議で、自分の予想は圧倒的にロマチェンコであります。クロラ、キャンベル、ゲスタ・・・ロマチェンコだったら圧勝だろう。
苦戦といえど、決して負けない地の強さ、本来の能力、ロマチェンコの言うボクシングIQがリナレスの強みなのかもしれません。そして、ロマチェンコにとっては恐らく自身より体格の大きな相手となる。
「リナレスはノーマスなんかしないよね」
「そうですね」
昨晩はそう答えた気がしますが、実際はどうなるかわかりません。空転させられ、カットしたり拳を痛めたらノーマスもあるかもしれないなというのが本音です。
この両者による芸術点の高いスタイルマッチは今年最高峰の試合といえるかもしれません。完成度が高いボクシングの理想形を体現している両者です。
ロマチェンコVSリコンドーの時もそう書いて、内容は一方的でしたが、歴史的戦いであった事は間違いなく、そんな瞬間を目撃できることに感謝!
https://www.youtube.com/watch?v=MBgbWMBCspM