やっぱり鬼人のごとく強かったロマチェンコの試合後のプレスに我らが伊藤雅雪がいました。ロマチェンコと同じ、トップランクと1年3試合、3年契約を結んだという。アウェーでトップランクのプロスペクト、クリストファー・ディアスを破った快挙、ノンアマという驚きと伸びしろ、華のある風貌、など、この展開は予想された事だが、5月25日、同じくトップランクのジャメル・へリング戦の前に契約が決まったのは朗報か。
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プロボクシングのWBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪(28)が12日(日本時間13日)、米カリフォルニア州ロサンゼルスで会見し、米興行王手「トップランク」と1年3試合の3年契約を結んだことを自身のインスタグラムに記した。
同会場ではこの日、世界3階級制覇でWBA・WBO世界ライト級王者のワシル・ロマチェンコ(31)=ウクライナ=が元WBA同級王者、アンソニー・クロラ(32)=英国=に4回TKO勝ちし、WBA王座の2度目、WBO王座の初防衛に成功。生観戦した伊藤は、試合直後のロマチェンコ、トップランクCEOのボブ・アラム氏とともに会見に出席した。インスタグラムでは「すごくいい条件で契約させてもらい、期待してもらっていると感じます」とコメント。将来的には、世界的スーパースターのロマチェンコとの対戦を目指している。
さらに5月25日に米フロリダ州キシミーで同級11位ジェメル・ヘリング(米国)と2度目の防衛戦を行うことを正式発表。「夢がどんどん広がります。ロマチェンコ、ベルチェルト、、みんなが無理だと言っている事を実現させてみせる。やってやる!」とつづった。
穿った見方をすれば、伊藤、へリング、どっちが勝とうが負けようが、トップランクの身内、手の内というアラムさんの打算なわけで、岡田も村田もそんな感じである。(ブラントは村田戦後にトップランク入り)
1年3試合の3年契約という事は伊藤の3年間、9試合は全て米国主導ということだ。全てが米国開催でないにしても・・・
[st-card id=64113 ]ここでボヤいたように、日本でやっていても年2試合程度なのでこれは朗報だ。
しかし契約初戦がいきなり山場だ。
ロンドン五輪米国代表、へリングのためにセットされたような試合。へリングに同情すべきストーリーも整っている。9試合を米国主導で勝ち抜いていくにはかなりの試練が待ち受ける。南米中堅ランカーやアジアのへんなランカーは除外されると考えてよさそうだ。
伊藤を応援、祝福したい気持ちで一杯だが、全てはこれからだ。クリストファー・ディアスはプロスペクトであっても王者ではない、王者決定戦であるし、年末に日本でやった指名挑戦者、エフゲニー・チュプラコフは正直パニック、ポンコツにみえた。ノンアマ出身でクセがなく伸びしろは無限大だが、ちょっと評価されすぎな面もありそうだ。
今日のロマチェンコVSクロラの試合、英国人というのも被ってどこか井上尚弥VSジェイミー・マクドネル戦のようだった。どんなに準備してきても到底超えられない能力、才能の差、リズム、テンポ、反応がまるで違い、パンチを出すタイミングすら与えてくれない。必死にガードしていても容易くぶち抜かれる。(クロラとマクドネルではコンディションに差があったとおもうけど)
リナレス、ペドラサとやった時のロマチェンコは肩の負傷のハンデがあったもので、昨日の姿が本物だろう。右フックの打ちぬき方、パワーのノリがまるで違っていた。スーパーフェザー級で勝ち抜いていくには、伊藤にもロマチェンコや井上に通じる、突き抜けた何かが必要だろう。
伊藤が意識する、ロマチェンコ、ベルチェルト以外にも
メイウェザー率いるゲルボンタ・デービス
ゴールデンボーイ率いるライアン・ガルシアやエドゥアルド"ロッキー"エルナンデスなど
化けもののようなファイターが多くいる。
そんな階級を9試合勝ち続けていくことは今は現実的ではない。
先月のボクシング雑誌で、スパーでも無双であったという内山高志が伊藤の事を認めていた。
「初めてのスパーでは圧倒してみせたけど次でいきなり修正、適応してきた(ニュアンス)」
伊藤の素質はノンアマならではの伸びしろだ。今は蚊帳の外でも同席した超トップアマのロマチェンコだってそこだけはアンビリーバボーだろう。それがなきゃ伊藤は国内止まりの選手だったろう。
米国で無限の可能性を手に、どこまでも強く成長して欲しいものだ。
内山や三浦の分まで・・・
https://www.youtube.com/watch?v=FVBtTnsfL44