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未知との遭遇/(Superman RJ)ロイ・ジョーンズ・ジュニア

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「こんなのかつて見たことがない」これが我々の印象であり、ジョーンズ自身の誇りでもあったようだ。こんなファイターが現れたら驚愕と共に、絶望しか感じない。当たり前だが、日本と最も疎遠な世界に生きた超人だった。人間じゃなかった。ボクシング史上屈指の身体能力の持ち主と評される「スタイルがないのがスタイル」と言われた天才だ。

最盛期のロイ・ジョーンズは驚異的な光景だった。他に類をみないスピード、反射神経、才能、ジョーンズは4階級で世界王者となった。ミドル級とヘビー級王座を獲得したのは100年を超えるボクシングの歴史でもロイ・ジョーンズただ一人だけだ。(ボブ・フィッシモンズ以来106年ぶりとなるミドル級出身者によるヘビー級世界王座獲得)

フロリダ州ペンサコーラで生まれ子供の頃からボクシングに親しんできたロイは1988年、ソウル五輪で米国を代表、決勝で韓国のパク・シフンに金メダルを盗まれた。「盗まれた金メダル事件」(2度ダウンを奪い、有効打も86対32と圧倒したのに2-3で負け。)

ジョーンズ
「オリンピックの歴史上最悪の判定だね。韓国で俺の夢は断たれたんだ。相手を圧倒しているのに金メダルを獲れないなんてね。」

121勝13敗という記録を残してプロに転向したジョーンズは輝かしい記録を打ち立て、1993年には将来の殿堂入りを確定した。当時は無名だったバーナード・ホプキンス相手に空位のIBFミドル級を争い王者になった。

評価の高かったトーマス・テイトを2回KOで下すとジョーンズはスーパーミドル級に階級を上げ、当時P4Pナンバーワンと言われたジェームズ・トニーに挑んだ。そんなトニーでさえジョーンズの敵ではなく大差判定で下し、ジョーンズは新たなP4Pスターになった。5度の防衛に成功、エリック・ルーカス戦では試合前にプロバスケットボールの試合に出場する余裕をみせた。

他団体王者のナイジェル・ベンとスティーブ・コリンズとの統一戦が実現しない状況を受けて、ジョーンズはライトヘビー級に進出、レジェンドのマイク・マッカラムを下して3階級制覇を達成した。

1997年3月、無敗のモンテル・グリフィンと対戦、9回にダウンしたグリフィンを殴り失格負けとなり王座陥落とプロ初黒星。グリフィンとダイレクトリマッチ。左フックだけを使って開始早々18秒でグリフィンをロープに吹っ飛ばして最初のダウンを奪い、最後は左アッパーで倒し1回2分31秒KOで下し、WBC世界ライトヘビー級王座を奪回。

これがジョーンズのキャリアの中で最高の試合だったと回想している。

その後も勝ち続け不動のP4Pの座を確立、2003年3月、ヘビー級に大胆な一歩を踏み出し、WBAのタイトルホルダーであるジョン・ルイスを破った。

その輝かしい際立ったキャリアの中でもジョーンズは特に2つの勝利を誇りにしている。

はじめて男になった(世界王者)ジェームズ・トニーとの試合
ジュニアミドル級でプロになり、ヘビー級王者になったジョン・ルイスとの試合

その後ジョーンズはライトヘビー級まで戻したが、34歳のベテランにとって体への負担はきつく、全盛期の輝きは失われた。アントニオ・ターバーに1勝2敗、グレン・ジョンソンにも敗れ3連敗となる。

ジョーンズ
「ターバーはいいタイミングで俺と戦ったんだ。ターバーにボクシングIQがないとはいわないが、変なスタイルで目を閉じてパンチを打ってくるんだ。俺に勝つ完璧なタイミングだったんだ。」

その後、全盛期をとうに過ぎても戦い続け、伝説のフェリックス・トリニダードを退けたり、無敗の長期王者、ジョー・カルザケと戦ったりした。

ジョーンズ
「カルザケはすごい忙しいやつだった。彼ほど手を出し続ける男はいなかった。速くもないしパワーもないけど地獄のような手数だった。本当にすごい忙しいやつだった。もっと若い頃に戦っていればノックアウトできたとおもう。」

その後もクルーザー級で現役を続け、全盛期の片りんをみせる瞬間もあったが、肉体の限界は誰の目にも明らかで、2018年2月、66勝47KO9敗の記録を残し引退した。

ジョーンズ
「かつて見た事がないボクサー、それが俺だ。レジー・ジョンソン戦をよく見てくれ、左フックと右ストレートを瞬間的に叩き込んだから彼は首を振ることもなく落ちたんだ。誰がこんな芸当ができる?誰もいないだろ、帰ってハイライトでみてくれよ。」

既婚で6人の子供の父親でもあるジョーンズはTVのコメンテーターや自身のプロモーションを経営している。

時間をかけて、拳友たちについて語ってもらった。

ベストジャブ バージル・ヒル

重たいジャブだったよ。速くてパワフルだった。

ベストディフェンス ジェームズ・トニー

ディフェンススキルは彼が一番だった。なかなかヒットできない。とらえどころのない腰の動かし方、ショルダーロール、当てるのが難しかった。

ハンドスピード ビニー・パジエンサ

彼が最速のハンドスピードだった。でもパワーレスだった。軽いクラスから上げてきたからだろうな。俺より速いとおもってたはずさ、でも違ったね。

フットワーク ローリン・ウィリアムス

誰よりもいいフットワークを持っていたよ。当てるまで5ラウンドかかったよ。普通のパンチじゃ彼には当てられないだろうね。

ベストチン ホルヘ・カストロ

断然ヤツさ、クレイジーだよ、台所の流し台(ありとあらゆるパンチ)で殴ってもヤツは前進をやめない。殴っても殴ってもやつは向かってきた。

スマート バーナード・ホプキンス

優れたリングIQを持つ男さ。初戦でしっかり学んで再戦で結果を出した。再戦はハードだったよ。

ストロング メルキー・ソーサ

パワフルなヤツだった。ヤツを下がらせる事はできない。絶対諦めないんだ。速い回で決めたけどそれ以外に方法がなかったからさ。

ベストパンチャー メルキー・ソーサ

ヤツのパンチで膝が折れそうだった。あれを顔面に食っていたらやばかった。こいつは俺を殺す気だとおもったよ。ターバーもいいパンチャーだったけどソーサの方がハードだったね。

ベストスキル マイク・マッカラム

たぶんマッカラムだろうな。ボディ・スナッチャーさ。年寄りだったけどとてもスマートでハイクラスなスキルだった。

総合 ジェームズ・トニー

やつは何でも持っていた。総合パッケージさ。打つのが本当に難しい。そしてやつはいつでもノックアウトできる。すぐそこにヤツの顔があるのに全然パンチが当たらないんだ。

巨匠と共に永遠に/(ライツアウト)ジェームズ・トニー

この記事は2009年時点のもので、まだトニーが現役時のものなので、彼のプロフィール的なものは書かれていませんでした。プロフィール的なものはWIKIを引用します。 この記事が気に入ったらいいね ! しよ ...

相当なプライドとヤンチャぶりを感じる内容ですが、フロイド・メイウェザーよりも尊敬、崇拝しているマニアが多いのではないだろうか?ボクシングに対する姿勢、プライベートな事情がジョーンズの引き際を長引かせたが、無敗記録に拘るだけなら彼が達成したことだろう。全盛期は宇宙人だった。

五輪でこんな過ちを犯したのに、未だアマチュアの採点はひどい。「盗まれた金メダル事件」は永遠に語り継がれるべきだろう。面白いのは無名のメルキー・ソーサという選手を高く評価しているところ、これはフォアマンがロン・ライルを挙げていたのと共通している。ジェームズ・トニーも評価していた。恐ろしいパンチャーだったのだろう。数々の戦歴の中にこうした経験もあるのがボクシングの奥深さなのだろう。井上尚弥が今後苦戦するのも意外な人物かもしれない。

ホルヘ・カストロのところが面白くて、ニュアンスで書きましたが原文はこうです。

Jorge Castro by far. You could hit him with the kitchen sink and he kept coming. I hit him with everything including the kitchen sink and still just kept coming.

kitchen sink⇒台所の流し台でいいんでしょうか?
ありとあらゆるものというスラングでもあるそうなのでこっちでしょう。

であれば、我らが竹原慎二もロイ・ジョーンズと戦ったら、by farになっていた事だろう。

ボクシング界には突然変異で異能の天才が現れる。

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プクー

原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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