人生のトライアングル/ローマン・ゴンザレスとシーサケット・ソー・ルンビサイとファン・フランシスコ・エストラーダ

この3人をみているだけで人生模様、映画のごとき充実。
彼らの再びの邂逅はあるのだろうか。

https://www.youtube.com/watch?v=NC_7RIwHr8I

ローマン(チョコラティート)ゴンザレスは過去から学ぶ能力のおかげで、リングの時間を巻き戻すことに成功した。

4階級王者で元P4Pナンバーワンのゴンザレスは、今年2月に無敗の王者、カリ・ヤファイを9ラウンドでノックアウトし、2度目のスーパーフライ級王座を獲得した。スーパーフライで最初の王座を防衛できなかったゴンザレスにとって、3年以上ぶりの王座返り咲きとなった。

2017年の初防衛戦では、タイのシーサケット・ソー・ルンビサイに判定負け、ベルト、無敗記録、P4Pナンバーワンの神話を全て失った。それはゴンザレスにとって永遠に忘れられない、シーサケットとの2連戦の始まりでもあった。

ゴンザレス
「ソー・ルンビサイとの最初の戦いは、非情に素晴らしい爆発的な試合でした。ナイスファイト、血しぶきが飛び散る熱い戦いでした。ソー・ルンビサイは打たれ強く、非常にアグレッシブなファイターです。本当に打たれ強いタフな男でした。」

2017年9月の再戦、ゴンザレスは4回ノックアウトで一方的に敗れ、両者のコントラストはより一層際立ったものとなった。

ゴンザレス
「2戦目はみなさんご存じのようにノックアウトされました。でも、ソー・ルンビサイと2度もリングをシェアできたことを誇りにおもいます。彼は偉大なファイター、偉大なチャンピオンです。彼が再びチャンピオンになるのがみたい。彼は私や、(エル・ギャロ)エストラーダなどベストと戦うことで何度もそれを証明してきた。彼がエリートファイターであることは証明されている。彼の再びの成功を心から願っています。」

最強王者のローマン・ゴンザレスを倒した後のソー・ルンビサイの次の仕事は、スーパーフライ級最強の道だった。2018年2月にファン・フランシスコ・エストラーダに12回判定勝ちを収め、その後も2連勝、しかし2019年4月のエストラーダとの再戦でリベンジを許した。

その後、試合から遠ざかったソー・ルンビサイはコロナウィルスの影響もあって、タイの同胞、元フライ級世界王者のアムナット・ルエンロンとの試合が延期になっている。その試合をクリアしたら、ゴンザレスはソー・ルンビサイとの再戦を心待ちにしている。もちろん2012年、ライトフライ級の試合で退けたエストラーダとの再戦も歓迎だ。

今後の展開がどうあれ、ローマン(チョコラティート)ゴンザレスには、決して忘れることのできない過去の記憶が残っている。

ゴンザレス
「永遠に忘れることのできない試合がありました。これらの試合は私にとって一生の思い出です。」

やはりロマゴンは謙虚だなぁ。

SuperFlyシリーズがあって、井上や井岡も絡んだり、アンカハスなどの実力者も侮れないが、主役はやはりロマゴン、シーサケット、エストラーダの3人だろう。彼らライバル関係のファイトは濃密かつ、我々素人の予想通りの展開ともいえるものだった。

ロマゴンVSエストラーダ

時は2012年、両者はライトフライ級だった。この頃のロマゴンは向かうところ敵なしの突き抜けたスペシャルな王者だった。体格、体力の不利もなく若いロマゴンの全盛期にもっとも食い下がったゾンビのような男がエストラーダだった。負けて強し、ロマゴンの相手では最強、きっと世界王者になるだろうとおもったら、やはりエストラーダはフライ級で時代を築く王者に成長した。充実度、完成度、攻撃持続性、わずかにロマゴンの時代だった。

ロマゴンVSシーサケット

https://www.youtube.com/watch?v=RJ0eUCYQ0Fs
https://www.youtube.com/watch?v=abWkr8L17eA

ミニマムから4階級目、常に最強の相手全てと戦い続けてきたロマゴンが、回避もできたであろうに当たり前のように引き受けた相手がタイの元雑草王者だった。このあたりからロマゴンの体格、パワーに限界を感じるようになってきたマニアにとって、シーサケットはオッズ以上に危険な相手とおもわれた。馬力、パワー、ダーティーなスタイルで異様に高いKO率を誇るシーサケットは、フィジカルが限界なロマゴンには天敵タイプだった。それでも初戦はロマゴンがボロボロに傷つきながらもキャリアでなんとか振り切ったような内容といえたが、ジャッジに与えるインパクトはシーサケットの重厚なパワー(初回の不運なダウンが響いた)。再戦で勢いとパワー差をつきつけられた。これでロマゴンの時代は終わり、壊されたかのようにみえた。

シーサケットVSエストラーダ

https://www.youtube.com/watch?v=SSGg5S_vBW8

初戦はシーサケットのパワーを警戒するエストラーダのエンジンのかかりが遅く、パワーに押されそのまま12ラウンドを終えたような内容でシーサケット時代が継続されたが、再戦ではエストラーダが有利とマニアは言っていた。それを予感させる初戦の終盤だった。エストラーダにとって怖いのは重戦車のごときシーサケットのサウスポーからのプレスだが、どうしたことか再戦でシーサケットはオーソドックスにこだわり、いつもの破壊力、圧力が陰り、エストラーダにコントロールされた。後半少しだけサウスポーに戻すとエストラーダもやりにくそうだったが、大いなる作戦ミスだ。

そして今、日本の井岡一翔や田中恒成もこの階級に進出してきたが、この3人とは共有してきたストーリーが異なる。

今となっては両者に負けた過去があるエストラーダが一番若く、一番充実している。元々ゾンビのような体力と精神力に、負けないスキル、老獪さも加わり、ファン・マヌエル・マルケスのようなインテリジェンス溢れるファイターに変貌した。

かつてのキング、ロマゴンはやはりロマゴンであり、カリ・ヤファイとは役者が違ったが、相打ちスタイルと年齢、この階級は厳しいとおもわれる。

そして私が一番夢をみたシーサケットはわからない。タイ人は一度頂点を極めると落ちていく大多数と努力を継続する少数がいる。極めた頂が高すぎ、栄光が甘すぎただけに、継続は厳しいかもしれない。サウスポーの超スラッガースタイルだけが強みなのに、本人も陣営も間違えた。

40歳になるアムナット・ルエンロンが本気に仕上げたら判定負けする危うさすらある。しかし3人の中では圧倒的に不器用だけどタフでパワフル、全てを破壊する野性の力を宿している。

この3人をみているだけで人生模様、映画のごとき充実。
彼らの再びの邂逅はあるのだろうか。

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コメント一覧
  1. PC版とスマホ版、
    OS、ブラウザの違い、
    旧バージョンと最新版、
    拡大と縮小、
    これらの違いで、見れるものが変わってくる事も。

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    • この名前の下にあるID#ってそうなの?どこにもVADAのIDって記載ないけど?

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  2. クアドラを忘れないであげてください笑。
    4人がそれぞれリマッチをやると言うなら、年3試合はやってもらわないと。
    4強の時代が長すぎる。

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    • あいつ等、4強を守る為に4人で試合をしてるからな
      誰一人として、井上相手に手をあげる奴はいなかった
      井上が階級を上げた途端に、井上を倒すって言ってるけどなw

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      • 過去にスーパーフライ級にいた選手なんて、今更何を言っても無意味だしどうだっていい
        そもそもロマゴン選手に関しては、体格からしてスーパーフライ級は明らかに適正階級ではない
        まあフライ級でやっていたら、井上選手は負けていただろうけど
        それにビジネスなのだから、手を上げたら、すぐに試合を出来る訳ではない

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        • 井上は2階級制覇してから渡米してロマゴンに挑戦状を叩きつけた。(いつだったか忘れた)でもロマゴンは井上のアメリカでの知名度とファイトマネーに納得せず、拒否。後に持先にもロマゴンがファイトマネーで拒否したのはこの時だけらしい。しょうがないので井上陣営は手あたり次第に統一戦を申し込んだが、すべて拒否られた。それでもスーパーフライ2で二アベスと戦い、3でロマゴンとやる気だった。結果はロマゴンは敗れ、3でシーサケvsロマゴンの再戦。なので井上はまた上位選手に挑戦状を叩きつけたが、またまた拒否られ、しょうがないので、ボヤンスキーとやることになった。
          井上相手の場合、上位選手なら手をあげれば出来たと思うよ。

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          • ボワイヨだよ。
            ボヤンスキーってK1と間違えるのがニワカ日本人ファンの限界

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          • ロマゴン戦に関しては、当時の井上選手の知名度とファイトマネー不足と理解しているのに、何で文句を言っているのか理解不能
            ロマゴン戦のファイトマネーは公表されてないけど、ロマゴン選手が安いどころか安すぎるとコメントしてたぐらいだ
            防衛戦とそこまで変わらない額だったのだろう
            ファイトマネーも不足していて、井上選手の実績は、ロマゴン戦の交渉当時は日本でしか試合してないのだから、ロマゴン選手に文句を言うのは筋違いでしかない
            当時、リング誌PFP1位で4階級制覇階級でアメリカでも幾度も試合したロマゴン選手との統一戦なのだから、それに見合うファイトマネーを支払えなかったのだから断られても当然の話
            1敗して商品価値が下がったから、シーサケット2の次に井上戦の予定になっただけ
            要するに、釣り合いが取れないから、実現しなかっただけの話

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          • それにロマゴン選手がファイトマネーで断ったのは、井上戦だけじゃない
            記事のコメントで、クアドラス戦の再戦はファイトマネーが安いとの事で断って、代わりにシーサケット戦になっている
            エストラーダ戦のリベンジマッチにも、ロマゴン選手が望むファイトマネーじゃないとやらないと言っていた

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          • ちなみに、シーサケット戦のダイレクトリマッチ時のロマゴンゴン選手のファイトマネーですら、約6500万円だった
            1敗して商品価値が下がり、王者じゃなかったロマゴン選手ですら、このファイトマネーの金額
            無敗の統一戦の時になれば、この金額より確実に多いファイトマネーを要求するのは当たり前の話

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          • Boyeauxでボヤンスキーと読んだのか、なんでこれでボワイヨなんだろう?

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  3. 記事と全然関係ないけど京口と寺地共にドーピング検査全く受けてないことが判明した、WBA&Cは王者以下15位以内にはVADA検査義務付けているのに契約者リストに名前がない、本人も「いつでも受ける」とか言いながらしらばっくれてる。
    団体のルールがいかに杜撰かがよくわかる。(;´д`)トホホ

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