マカオでの興行、そういえばと気付きテレビつけたらお涙頂戴のニセドラマが・・・
ネットに繋ぎ生観戦&録画を見ました。
村田VSナシメント
いい勝ち方でしたがナシメントの実力は謎が残る。
ただそこそこの鈍重なボクサーに映った。
上体軟らかくプロに適応という意識を村田から感じましたが、彼がアマで金をとったのはやはり圧力と体力とブロッキング主体のディフェンスからのボディ交えた連打にある。
イスマエル・サラスというのは名トレーナーであることは間違いなさそうだが元々スタイリッシュなセンスあるボクサーをさらに伸ばすという感じで坂本をデトロイトスタイルにしたり、選手個々の特徴を無視しているところがある。
誰かのコメントで村田はドカッと構えてベタベタ歩いて突進して相手をなぎ倒す、そういうファイトスタイルが向いているのであってスタイリッシュに矯正しても間違いみたいなのがあったが自分もそれに同調する。
被弾しないスタイルではない。ブロック、ガードで相手のパンチをやりすごしコンパクトで破壊的な連打でなぎ倒す。
のっそりしてるけどとにかく破壊的、プレッシャーがすごい。
そんなスタイルを極めていかないとGGGには敵わないだろう。
期待できるだけに微妙、でもやっぱすごすぎる日本人ミドル級でした。
下田VSソンソナ
実はこの試合こそ、最も胸熱、感傷的になってしまった。
マニア心をえぐる内容だった。
結果は予想通り、ソンソナの圧勝。
彼の試合後の言葉がこうだ。
「1、2ラウンドは下田がどんな動きをするのか、何ができるのか観察していた。3ラウンドから動きが読めたから合わせに行った。」
まさしく目論見通りにやられた。リコ・ラモス戦も同じだった。
下田が快調にリードしているように見える?いやそれは速くて活きがいいから相手は探っているだけなのだ。
捌いてさえいれば下田はズンズンと手を出し無防備に前に出てくる。慣れたらそこにカウンター合わせるだけでいいのだ。
哀しいかなこれが本当の天才とちょっと能力高いだけのボクサーとの違いだ。
ボクシングを知ってる者と勢いだけの差。
一流どころは相手に攻めさせて隙をつく。肉も切らせず骨を断つ。
ソンソナはハイソックスなところといいドネアを彷彿させる筋のよさを持つ。
勢いだけの若手フィリピーノとはモノが違う。
アマチュアも150戦ほどでトップレベル。
ただ顔もかわいいし若く性格が青いので身心のコンディションにムラがある。
フェザーでやっていけるかは今後次第だが素質は最上級だ。
決まった時点でやばい相手だとおもったよ。
下田はいい素質があるが勢いだけという壁を未だ越えられていない。
勢いをおさえることの出来る相手には通用しない。
自ら相手のわなにはまった点で完敗といえる。
イゴール・メコンツェフVSタイ人
こちらLヘビーの金メダリスト。
村田よりアマチュアの実績は豊富。五輪以外も様々なメダルを獲得している。
アマ時代より戦慄の強打者ということだが、強打に頼ることなく丁寧でテクニカルなサウスポーなのがまた厄介である。
相手のタイ人はこれまで無敗とのことだがタイでこの階級は選手自体ほとんどいない。
いかにも増量して相手を務めた感があり本来下の階級だろう。
初回はメコンツェフが慎重でタイ人もそれなりに応戦できたのでセコンドではたぶん
タイ人「大丈夫だ、たいしたことはねぇ、一発かましたる」
と息揚々だったとおもわれるが2回にロシア人がちょっと本腰入れたら一気に落とされた。
ミドル級のマット・コロボフと同じでデビューから既に完成されており世界タイトルで勝ち負けになるレベルだろう。
しかしタイミングを逃すとどうなるかわからない。コロボフが今となってはゴロフキンに勝てなさそうな現状をみると。
バスケスVSシャフィコフ
バスケスを12ラウンドみたのははじめてかもしれない。
ほとんど負けないマエストロボクシング、しかしカネロやブラッドリーには負けている。
その謎がわかったような気がする。
これは勝ちに徹するボクシングだ。
遠目から打ち合っているようで自分だけ打って接近したらホールド、クリンチの嵐
倒す意思などないパンチ振り回し、相手の倒す意思あるパンチはホールド・クリンチで削ぐ。
一種のバーナード・ホプキンスばりのダーティーテクニシャンである。
相手の武器を殺すスタイルだ。
背が高く、手足長いが腕は細い。KOはほとんど考えていないだろう。
しかしこれだと本当に速いボクサーやパワフルなボクサーには通用しない。
ライト級で絶対的な地位を築いているがSフェザー王者の面々(三浦は相性悪いか)や上の階級のトップボクサーにも敵わないだろう。はっきりとこれはきらいなボクシングだと確信してしまった。
ジンギスカン、シャフィコフはジミンさんも一押しの選手とのことだったが、12ラウンド終始スタイルを変えなかったのが納得いかない。いい風貌してるのでまた頑張って欲しい。
ゾウ・ジミンVSタイ人
タイ人にムアンチャイのシルエットが重なったがその域ではない。
プロではじめてKOしたジミンだが逆に本当にパワーがないのが証明されたような内容だった。
最後はもうケンカのような強引さでやっと相手は倒れた。
しかし各地で散見される「全然強いとおもえない、日本人が勝てそう」
という意見には非だ。
この中国人はオリンピック出場も敵わぬ日本人のずっと上に君臨していたのだ。
自分だけ打って食わない動きはかなりの領域だ。
ケンカのように強引にねじ伏せたのも、それだけ相手を子供扱いできる差があるからこそ。
しかしきれいに戦うと相手を効かすまでには至らない。
まるでサーシャのごとき達人とみた方がいいだろう。
井上兄弟や名古屋の天才君、パッと見は彼らの方がキビキビしていて決定力もありそうだが、たぶん完封されるだろう。
そういえば名古屋の天才君がまた最短記録目指すとか・・・
デビュー戦、たしかにすごかったけど、挫折するぞー。
名古屋あたりのジムは元々アマで実績あった選手をプロにしてすぐタイトルに挑戦させますね。
読んだら怒るかもしれませんが、ちゃんと鍛えてレベルアップさせてるのかな
むしろ才能つぶしてるだけのようにしか見えないよ。
とにかく下田に酔いしれたマカオでした。
[youtube]http://youtu.be/4XSFZlCIdlU[/youtube]