次なるミリオンダラー・ベイビー/カネロVS・・・

テクニシャン、ケイレブ・プラントも通じなかった。公式採点でも負け、カネロに技術で苦戦を強いたが、ダメージを与えたかといえば皆無である。カネロが酷く傷ついたり、ダメージを感じさせた試合は過去も含めほぼ記憶にない。キャリア初期に、ホセ・ミゲル・コットにグラつかされたのを見たことがあるくらい。

みんなカネロよりナチュラルで大きいが、カネロのプレスにタジタジとなる。ロープ、コーナーに下がるタイプでは相性的にも攻略は難しいだろう。

Sミドル級4団体統一、今のカネロを撃破する可能性のあるファイターは?
こんな妄想を楽しむしか、話題は残されていない。

1位 アルツール・ベテルビエフ

WBC IBF Lヘビー級王者、16勝16KO 36歳

全KOの熊男、パワーと恐怖を相手に与える屈強な前進型のファイター。チェチェン出身なのも怖い。マニアの間では、カネロ撃破の筆頭株だろう。しかしもう36歳で試合枯れ、不人気で経済効果があまりにも低い。最近はファイトに陰りもみえはじめ、不覚のダウンやパッとしない内容もみられる。

峠は越えたようだ。12月17日にマーカス・ブラウンと試合予定だが、この試合で大いなるアピールが出来るかどうか。

2位 ドミトリー・ビボル

WBA Lヘビー級王者 18勝11KO 30歳

Sミドルにも落とせるLヘビー級で、年齢もカネロとほぼ同じ。ビボルの特徴は総合力だ。教科書的で穴がなく、勤勉で誰よりも速い。Lヘビーでもさしたる苦戦がない安定感、Lヘビーでも屈強なジャン・パスカルやジョー・スミスにも勝っている。

スタイルにもスピードにも実績にも注文がないので、十分カネロに苦戦を強いるだろうとおもわれるが、経済効果に乏しく、本場では無名。最近のカネロをみるとフィジカル、パワーで見劣りするだろう。コロナで試合枯れ。5月の試合では無名に苦戦している。

3位 デビッド・ベナビデス 24勝21KO 24歳

元WBC Sミドル級王者

最年少で王者になった。巨神兵のようなメキシカン。
KO率も高く、打ち合い大好物、引かない殴り屋、倒し屋で、少し前までこの男はタブー、カネロは相手にしないとおもっていたが、他に相手がいなくなってきた。若さ、元々持っているフィジカル、耐久力も相当だ。

しかし最近のベナビデスをみると、手打ち連打の嵐で、一撃が重い、強力なわけではなさそうだ。同じメキシカンでも、人気、知名度の差はかなりあり、果たしてバチバチの殴り合いをさせてもらえるのだろうか。

スタイルマッチとしては面白い。ベナビデスは引いた試合はしない。ガンガン殴りに行く。カネロが相手だと、ロープに詰められた状態から手打ちで返していくだけで、アッパーで粉砕されてしまうのだろう。

4位 ジャモール・チャーロ 32勝22KO 31歳

WBCミドル級王者

カネロと同じ歳、本格的なミドル級王者で、やればチャーロが勝つとおもっていたが、今は印象が変わった。最近はテクニシャンとして隙のないスタイルを追求している代わりに、KOパンチャーとしての魅力が減った。デレビヤンチェンコに誰よりもはっきりと圧勝した次の試合では、メキシコの無名にアップアップの判定勝利。

思い切りのよさや爆発力が影を潜め、小さくまとまってしまった。それでも決まれば熱いが、経済効果、人気差はいかんともしがたい。

5位 デメトリアス・アンドラーデ 30勝18KO 33歳

WBOミドル級王者

チャーロと同じく、元々Sウェルターだが、カネロよりは背も骨格も大きいから対戦不可能ではないはずだ。鬼ごっこのように当て逃げ判定に徹すればひょっとするという可能性だけを秘めている。

元々パンチも強くKO出来ないファイターではないが、最近のどの試合も鬼ごっこ勝ちを徹底している。かなりの徹底ぶりで、誰にとってもやりにくい匠の域だ。しかしカネロに対しては、ロープ、コーナーに詰められて万事休すだろう。メンタルが強そうにもみえない。

6位 ヒルベルト・ラミレス 42勝28KO 30歳

実績もキャリアも十分でカネロより若く、イケメンなメキシカン。このまま突っ走れば、地味にメイウェザーの49勝無敗の記録を抜くかもしれない。Lヘビーに進出しても、長身で、減量苦から解放され、KO勝利を続けている。

しかし今までずっとそうだったように、メキシカンらしい激しいファイトスタイルではないので、カネロとは人気で雲泥の差がある。地味にビボルやベテルビエフの王座を狙っていくのだろう。せいぜいが、カネロに負けたカラム・スミスあたりと決定戦か。

メキシカン同士の対戦はベナビデス含め、あまり聞かない。

7位 デビッド・モレル 5勝4KO 23歳

わずか3戦目でWBAの暫定王者になった、キューバのトップアマ。その後、体重超過で王座を剥奪されたか、暫定廃止で、元のランカーに戻った。カネロが苦戦した、エリスランディ・ララの若い版、デカい版のような選手で大いなる可能性を感じるが知名度の違いで試合が実現することはないだろう。

8位 エドガー・バーランガ 18勝16KO 24歳

16戦16勝、全初回KO プロで大人気を生みそうな派手なスラッガーだが、ここ2戦で馬脚を現した。パワーはすさまじいが、いわゆる最近のプエルトリカンに多い、大味、ディフェンスや緻密さに欠ける一発屋風情なところがある。

カネロ戦は今すぐは無理だろうが、人気があり、巨額を生みそうなので次世代のスター候補だ。経済効果だけを考えたら、あと1年くらい勝ち続ければ、一番お金が動くことになる。

Sミドルを統一してしまった以上、くだらぬ遊びの妄想であっても、彼らの誰かが次の対戦候補となっていく。取りこぼしをせず勝ち残っていけば、いずれ10億を超えるビッグマネーファイトにありつける。

それとも、次のターゲットは、ヘビー級のウシクかタイソン・フューリーか、誰が相手であってもカネロは傷つくことなく、あるいは勝つのだろう。ボクシングのメインストリーム、関係者を十分に潤す、経済の頂点に君臨している。

もうカネロが階級を下げることはないだろうが、ミドル級~ヘビー級までを視野に相手を言及しなければならない時点で異常な事態だし、海外メディアではウェルター級のクロフォードやスペンスまでがターゲットとなっている。

やはり、ゴロフキンが一番であり、カネロに勝っていたし、面子を潰された悔しさが残るが、ゴロフキンにはカネロと関わって欲しくない。

もうたくさんだ。

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