苦労人のドヘニーさん来日しました。憎しみや因縁のない、清々しいファイトです。
ドヘニー
「井上は素晴らしいボクサーだ。彼の名を汚すような、口汚いことは言いたくない。自分がここにいるということは対戦に見合ったことをしてきた証しだ。彼に何か対策をするのは愚かなことだ。彼はオールラウンダーで、どんな時も瞬時に対応できるからだ。彼に対して戦略を立てることはしていない。どう対策したところで、その対策を崩されて何もできなくなったら困る。彼に対応するためにメンタルを整えてきた。井上を下げるようなことは言いたくない。
ネリ戦のダウンについては、彼も人間なんだなと思った。でも、やっぱり素晴らしい選手。リカバリーをあの短時間でやったんだから素晴らしい。
俺自身はキャリアで最高の状態。衰えた感じはないし、最近は20代の選手と戦ってきた。年齢は関係ない。今までモチベーションが上がらないまま試合をしても勝ってきた。今はモチベーションが爆上がりしている。
グラスゴーでエマニュエル・ロドリゲスと試合をした時からターゲットに入れ、対戦を熱望してきた。あの時に彼は良い選手だと思った。いずれ(スーパーバンタム級に)上がってくると思っていたので、アンテナに引っ掛かっていた。常に最高の選手と戦いたい。今回は4団体統一戦。これ以上の試合は存在しない。このためにやってきた。キャリア最大の挑戦になる。」
素晴らしいコメントです。
しかし予想はブレません。中盤までに井上尚弥のノックアウト勝利です。
みんなに勝って当たり前と言われる、特にKOが当たり前と言われる試合は井上にとってはやりにくいだろうし、前戦で初回にダウンをしたので初回は派手に行きづらいだろう。
ドヘニーの前戦、ジャフェスリー・ラミド戦の初回電撃ノックアウトの残像も鮮烈だ。
しかし両者にはスピード、反応、見切り、差があるので、井上が不用意な被弾をすることが考えられない。
TJドヘニーは全盛期を過ぎた落ち目のファイターではない。ここ数戦をみれば今が恐らく一番強い。世界中で戦ってきたキャリアも豊富だ。敗北を知り強くなる。
そう捉えている。
「彼に何か対策をするのは愚かなことだ。彼はオールラウンダーで、どんな時も瞬時に対応できるからだ。彼に対して戦略を立てることはしていない。どう対策したところで、その対策を崩されて何もできなくなったら困る。彼に対応するためにメンタルを整えてきた。」
恐らくリングで自分の感覚、感性を信じ、無の境地で臨んでくるだろう。ラミド戦の一発も狙ってくるだろう。最高のドヘニーがみられるだろう。
しかし準備に抜かりない井上尚弥はすべてを見切って対処してしまうだろう。
唯一の懸念は井上はクロフォードやシャクールのような「専守防衛」タイプではなく「積極攻撃」の人であることだ。ドヘニーが守っていれば井上は仕掛けてくる。そこを突くことが出来るのであれば、何かが起こる。
超速のテリー・ノリスやヘロール・グラハムに鈍重なジュリアン・ジャクソンは一撃を合わせて失神させた。
これがTJドヘニーの終着駅(ラストファイト)になるかもしれない。