東京体育館に行ってきました。
観戦中間のヒゲゲさん、チャベスさんとご一緒させていただきました。
うさぎにくさんにもお会いしました。
プレゼントありがとうございました。「我弱き者ゆえに」でした。納得。
フジテレビだからか昔のPRIDEみたいな豪華な入場セットでした。
来日した選手も興奮したんじゃないでしょうか?
調整時間にアクロバティックなショーや湘南の風というバンドの歌とかありましたが、辛かったなぁ。
特に湘南は苦手なノリで、ヤンキーを強要しないで欲しいよ。
さて、3時頃から淡々と試合
井上拓真VSネストール・ナルバエス
はじめてみたが顔を見なければ(シルエットだけなら)兄の尚哉そっくりだ。
同じような練習をしてきたんだろうな。
試合はネストールよりスピードもパンチのキレもある拓真のフルマーク。
五十嵐よりもはっきりと差をみせつけた。
しかし後ほど見ることになる尚哉と何が違うのかといえば
バックステップが多く、下がりながらのパンチが多く効かない。
差は歴然なのに、相手を警戒しすぎ。
偉大な兄の存在故、負けられない十字架を背負っているのだろうが、兄とはパワーもキレも踏み込みの鋭さもまだまだ劣る。
それは数値的な差というよりは勇気や自信などの差なのかな?
兄ほどではないにせよ、全日本新人王とかのスケールじゃない大器だ。
松本亮VSルサリ・サモール
松本も生初見、大橋ジムの秘蔵っ子とのことで活躍は知っていたが
KO率ほどのパンチャーではない。ほぼ全てのパンチを打ち込んだとおもうが、押す、置くようなパンチで効かせきれない。
強いというよりやりにくいタイプのボクサーという印象。
体を左右に振り、上背からどんどんアッパー軌道のコンビネーションが出るのは素晴らしいが、手打ちだ。
最後に仕留めたが、一方的なのに倒せずあくびが出た。
原や松本など大器といわれているわりには井上のような出世コースを急がせないのはそれだけまだ未熟な点があるということなのだな。
井上弟といい松本といい、どの階級で勝負するのかな?
もっと時間がかかるとおもう。
ホルヘ・リナレスVSハビエル・プリエト
極上のシェイプとコンディションに見えたリナレスだが、相手の方がごつくてパワーがありそうだった。
ポカをしないようにいつも以上に慎重で静かなリナレス、丁寧に試合を組み立てているが相手のプレッシャーに下がり気味。
押してるけど押されているような歯がゆい展開だったが、リナレスのアッパーからの右スト一発で終了。
あっけなく、プリエトに失望しかけたが、ピヨッていたのでもう駄目だったろう。
突然終わったのでなんともいえないが
さすがリナレス、パンチの精度も勘も超一流とおもいつつ、体力、パワーでライト級はきつそうでもあるなとも感じた。
村田諒太VSジェシー・ニックロウ
村田の強さはべた足でブロックしながらゴリゴリのインファイトだとおもっているが、真逆の村田だった。
フットワークを多用し左ジャブからの基本スタイル。
やたらと足を使い、ブロックで相手の攻撃を受け流すシーンが目立った。
パンチの迫力が3倍以上あり、村田のコンビネーションの方が破壊的で正確なのでポイントは問題なかったが
このスタイルでは無理だろう。
前回バテたから長いラウンドを試したのだろうが、スタイリッシュでない分を馬力と体力でねじ伏せるようなスタイルこそが村田であり
今日の村田は別人を演じただけと信じたい。
GGGなら3ラウンド以内で倒していただろう。
ペドロ・ゲバラVS八重樫東
日本のそれよりメキシコの司法試験の方が簡単なのかな?
弁護士兼、ボクサーとのことでとてもさわやかで知的で好印象なゲバラだったが
蓋をあけると並の選手だなと感じた。
ゲバラがガードを固めてセオリー通りジャブから入るのに対し、ガードを下げてスピードと回転力で距離をつぶそうとする八重樫だが、ガードが低い分、顔面に細かな被弾が多く見栄えが悪い。
八重樫はボクサーもファイターもできるがどちらもゲバラの細かなパンチのせいで機能しない感じだ。これはロマゴンと戦う前の防衛戦でも井岡戦でも同じだった。
パンチがイマイチ届かない距離で戦っている。
それでも有効打の数と多彩さでは八重樫がリードしているようにもみえたが、ゲバラのそつない攻撃が徐々に機能しはじめた矢先に八重樫左レバーで一発負け。
強打には見えなかったがよほどまずいタイミングでヒットしたのだろう。
ボディで倒れると苦しくて、痛くて続行はできなかった。
ゲバラがとてもいい人にみえたが、この王座は穴だろう。突出したものがない新王者だ。
なにかが狂い負けてしまったが本来の八重樫が負けるような相手ではなかった。
オマール・ナルバエスVS井上尚弥
KOで井上判定でナルバエスとおもっていたが、ここまで一方的になるとは・・・
エルナンデスもナルバエスも強い王者だが
序盤の井上はとにかくキレキレで迷いなく攻めてきて強い。
初回に甚大なダメージを受け、もうジエンドだ。
最初のダウンが強烈で同じ右スイングを2度迷いなく打ち込んだ。こんな打ち方できる人はそうそういない。
作戦かナチュラルか、序盤圧倒で趨勢を決めてしまう怪物的戴冠劇だった。
ナルバエスのダウンは一度もみたことがないとおもってたら4度も目撃してしまったことになる。
まさにトリニダードの戴冠と同じくらいのインパクトを残した。
序盤で相手を痛めつけてしまう井上のパターンがはまればロマゴンに勝てるとさえ感じた。
ロマゴンがエルナンデスやナルバエスのようになってしまうイメージがはっきりと浮かんだ。
しかしエルナンデス戦では足がつり、今回は最初の一撃で右拳を痛めたとのこと。そういうアクシデント然り、
エルナンデスやナルバエスを圧倒し、田口やサマートレックにやや手を焼くこと然り、まだまだ未知数なところも多い。
エルナンデスもナルバエスも過信しすぎ、井上を過小評価しすぎたきらいがある。
はじめから想像よりはるかに強いボクサーだと覚悟して初回を戦っていたら、こんな完敗は避けられたであろう。
他の選手と違うのは初回から、ファーストコンタクトも自分から、もう倒しにきていることだ。
積極性とパンチのキレでもう主導権を握ってしまっている。
プレッシャーをかけて下がらない。
なぜこんなに若いのに出来てしまうのだろう?
海外サイトでも2014ナンバーワンの試合だなんて書かれているが
レジェンドボクサーを圧倒する、度肝を抜く強さ、完ぺき100点な傑作試合だった。
日本のスケールを超えた歴史的天才ボクサーだが、色気を出して山中の階級まで狙ったりせず、まずは適正だというSフライで地道に長く防衛して欲しいとおもう。
今ロマゴンに勝てる筆頭株だろうが、もうちょっと先の話でいいとおもう。
ナルバエスコメント
若い選手という印象だったが、1回で驚いた。本当に超ストロングなパンチでした。自分の階級より、もっと重いパンチ
21歳で私を負かし、驚かせたチャンピオンだから、大きな未来が待っている
海外コメント
フライ級のクリチコブラザーだ。兄弟どちらもゾウ・シミンを破るだろう。
ゾウ・シミンの方が上だろう。ナルバエスは偉大なボクサーだが、2ラウンドに4度も倒れ残酷ショーのようだった。
ゾウ・シミンの方が下だろう。体重も軽いよ。
非常に印象的な試合だった。階級をあげて亀田和樹に勝てるだろう。
間違いなく2014年のファイターオブジイヤーだ。
チョコラティート(ロマゴン)なら井上をノックアウトする。ロマゴンはベテランのライオンだ。
井上は未来のエリートだ。しかもそう遠くない未来。Sフライの誰をも倒し、井上と戦うことはミステイクだと悟る。
井上はおおげさに宣伝されているだけだとおもった。
ナルバエスには勝つとおもいましたがこんなに一方的なものになるとは。
ファイトオブジイヤーです。
ビッグマッチはロマン・ゴンザレス戦です。
生観戦したけど結局モニターの方が多くみたし、香川氏の絶叫がきいてみたいなとおもいました。
新人としては日本史上最大のボクサーの出現ですな。
井亀はどこに向かうのだろう?
河野頑張れ!