25セントの福音/イベンダー・ホリフィールド

最近よく出て来るなぁとおもっていました、レジェンド、ホリフィールドの名前。リアルディールプロモーションはトップランクやゴールデンボーイと少し違って、超エリートからこぼれたボクサーやアフリカ系、敗北で傷付いた選手に手を差し伸べている印象がありましたが、その一幕です。

ボクシングの歴史で最も有名であろう一人の男は、東ハーレムの16あるステーキハウスの長いテーブルの末席に座ります。

イベンダー・ホリフィールドは、先週の土曜の夜、ニューヨークのクイーンズリゾートカジノで2度目のボクシングイベントをプロモートしました。ホリフィールドの契約選手7人が出場し6人が勝ちましたが、勝者も敗者も、ホリフィールドとブランチを共にするという約束を果たしました。

ホリフィールド
「私はプロキャリアで10度の敗北がありますが、どの敗北からも学ぶべきものがありました。」

ホリフィールドの「リアルディールプロモーション」は発足以来既に7つの敗北がありますが、先週行われたローカルボクシングイベントでは2000人以上を集め、これまでで最も成功しました。

メインイベントでは、Sフェザー級のブライアント・クルスがアンヘル・ルナをワンパンチノックアウトしましたが、この日主役を食ったのはエドガー・ベルランガとジャスティン・ビッグズでした。

エドガー・ベルランガ(アマチュアでリオ五輪最終選考までいった)はエンリケ・ガリェーゴスを派手に倒し、会場のプエルトリコファンを熱狂させ、ジャスティン・ビッグズはサイモン・サイを美しい右ショートフックで倒しました。

ジャスティン・ビッグズはホリフィールドが特に目をかけているホープです。ゴールデン・グローブ決勝で彼を見たホリフィールドは、即契約をしました。

若い彼らにとってホリフィールドは単に知っているだけでなく尊敬の念を持って憧れる英雄です。子供の頃にみたホリフィールドの雄姿こそ、彼らの夢への玄関口なのです。

ジャスティン・ビッグズ
「イベンダーは私に忍耐を教えてくれました。人は皆僕をNEXTタイソンと呼びますが、僕は彼(ホリフィールド)のようになりたい。」
と言って、ホリフィールドを指さしました。

ホリフィールドほどの名声があれば、エリートを集めることも、名前を貸せば金集めも簡単です。しかし彼のプロモーションは意外なほど純粋です。

ボスであるホリフィールド自身が、若い選手と肩を並べて食事をしたり、おしゃべりする必要はないはずですが、彼はあえてそれを好みます。さらに重要な事は、ホリフィールドプロモーションには専属の医学チームがおり、契約選手は心身共に最先端の医療、健康管理が提供されます。MRIや先進的な脳医学を含むARP公認医師を提供しています。

ホリフィールド
「多くのボクサーが健康について不透明です。彼らが唯一医者に行くのは試合の時だけです。州によってもルールが違い、効率的なボクサーの健康管理方法がありません。我々はそれを変えていくつもりです。ボクサーは命をかけて戦っています。試合が終わったら最愛の人のもとに帰すことが我々の義務なのです。そしてボクサーとしてのキャリアを終えても、無傷で健康な人生を送らせることが第一です。」

そのような体制管理には莫大な経費がかかり、財政的には厳しい状況です。しかしボクサーの安全と長期的な健康に対する正しい歩みでもあります。

イベンダー・ホリフィールドは同時期のライバル(タイソンやボウなどの悪童キャラ)に比べ友好的で宗教的で利他的な紳士のイメージでしたが、リング外では離婚訴訟などで財政的な危機を抱えており、全盛期を過ぎても痛めた身体を酷使して戦わざるをえなく、晩年は常に健康問題を危惧されていました。

しかし、ホリフィールドは今まさに本当の仕事をしているといえます。
8歳の時、ホーキンスさんという女性がボーイズ&ガールズクラブというところにホリフィールドを紹介してくれました。わずか25セントの入会金を彼女が払ってくれました。それがなければホリフィールドはボクシングに出会っておらず、人生は変わらなかったでしょう。

今のホリフィールドには、ホーキンスさんよりも大きな資源がありますが、ボクシングを通じて彼女の仕事を受け継いでいるのだといえます。

美談やなぁ。
ホリフィールドほどの名前があれば、いくらでも大きなスケールでプロモーションできそうだが、2000人規模のイベントで大成功、選手も超エリートばかりではない。それは彼のルーツや経験がそうさせているのでしょう。財政的には大変だが、先端医療への取り組みは日本も率先して見習うべき最重要課題です。

タイソンと戦う時、ホリフィールドは
「恐怖に怯える事はない。恐怖は友達、寄り添うものだ。」
と言うような事を言っており、えらく感動したのを憶えている。そして試合もまさに野獣に真っ向勝負で打ち合い打ち勝った。耳をちぎられても相手を許した。

ゴスペルと共に笑顔で試合に臨む彼の入場シーンが今でも一番のお気に入りである。

しかし、彼の現役生活は実は薬物と無縁でなかった事が証明されている。
クルーザーからヘビーでデカく屈強な男と戦い続けた彼の身体は薬物に支えられていたのだ。

彼だけでなく今も昔も多くのボクサーがこれと無縁とは言い難く、検証は困難だが、そんな自身の経験と自戒、健康こそが財産という結論が今の彼の行動に繋がっているのだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=CATP9B2kUmg

彼ほどのビッグネームがボクシングと先端医療に積極的に取り組んでいるというニュースはこのスポーツにとり大きな光明です。

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