怪物前夜/拳四朗・ナバレッテ・ヘイニー他

先週も今週も3連休なのか、サラリーマンは案外休みが多いな、そしてやはり海外ボクシングは日本ではさっぱり人気がないなを感じる週末でしたが、いくつか確信できる試合などがあった。P4Pで議論するにはまだ早いけどちょっと並でない、なさそうなボクサーたちというテーマで記録。

ライトフライ級 拳四朗

先週、強力とおもわれていたフィリピンのクリスチャン・アラネタがダニエル・バリャデラスとのエリミネーターに敗れた。IBFのフェリックス・アルバラードへの挑戦をかけたものだが、ミラン・メリンドやジョナサン・タコニングをあれだけ一方的に下せる拳四朗はちょっと抜けた存在とみなしていいかもしれない。
独自の空間把握とジャブ、決定力を備えている。アルバラードやカニザレスも強いしメキシカンに生きのいい選手がいるので確定ではないが、リトル井上尚弥的安定感を誇る拳四朗は少なくとも階級トップ評価の王者だろう。

フライ級 フリオ・セサール・マルチネス

https://www.youtube.com/watch?v=E_XrYpUR9IA

チャーリー・エドワーズ戦がノーコンテストならば具志堅の試合はほとんどノーコンテストになる。ダウン後の加撃ばかりやっていた。マルチネスは小さな突貫ファイターだが、己の強みをよくわかっておりセルビーとエドワーズにはバッチリ圧勝だった。メキシコの突出した才能の一人を強く感じる。まずは王者になってから再評価だ。

スーパーフライ級 ファン・フランシスコ・エストラーダ

主役不在のスーパーフライ級で主役になってしまった。ニエテスとのテクニック合戦、シーサケットとの決着、アンカハスとのスタイルマッチなどやってみなければわからない相手は多いが、次にメキシコで殿堂入りするのはこの男かもしれないとおもわせる、長く充実したキャリアと完成度だ。

スーパーバンタム級 エマニュエル・ナバレッテ

https://www.youtube.com/watch?v=e0x4jmHiHIs

アイザック・ドッグボーがアメリカンドリームを掴んだとおもったらすぐに真打ちが出てきた。ドッグボーは大竹との指名戦をクリアし、ナバレッテとやる必要がないのに選んだ相手だった。1カ月に2度防衛戦を行い、もう階級ナンバーワン評価を手に入れただろう。日本の井上尚弥にとっても鬼門といえそうなスタイルを持つが統一戦が実現しなければフェザー級にいきそうなスケール感がある。

フェザー級 シャクール・スティーブンソン

10月26日、ジョエト・ゴンザレスと空位のWBOフェザー級王座を争う。オスカー・バルデスが逃げたと言っても言いすぎではないだろう。パンチを当てることが極めて難しいメイウェザータイプの俊才だ。みんな逃げるからジョエト・ゴンザレスが受ける。ゴンザレスも王者級の才能だがパンチが空転しスティーブンソンが王者になりそうな絵が浮かぶ。

ライト級 テビン・ヘイニー

ゲルボンタ・デービス、テオフィモ・ロペスに比べるとメガトンパンチではなくキレとスピード系だが、出入り、反応速度が半端なく、これまたメイウェザーばりに安定している。ポカじゃないとパンチを食わないのではないか。ルーク・キャンベルやリチャード・コミーを凌駕しているとおもう。

スーパーウェルター級 ハイメ・ムンギア

階級ナンバーワンだとおもわないしミドル級でどうなるかわからないが、パトリック・アロティ戦が彼の本質だろう。威圧感が半端ない。若いのでこれを極めていくのだろう。そこを突破されるとデニス・ホーガン戦のようなアラもまだあるが若いので克服していきそうだ。

各階級のナンバーワンを問うものではなく、この選手はちょっと抜けているかも・・・これから長く活躍するかもと感じた選手をピックアップしました。

その他では、トップアマ組、シャフラム・ギヤソフやダニヤル・イエレウシノフ、ショージャホン・エルガシェフなどがキャリアを積んでいますが、雑魚狩りだとめっぽう強いので、本当にそろそろ彼らが米国トップ級や王者に挑戦する姿が見たいです。

エロール・スペンスやテレンス・クロフォードだけが本当に飛びぬけているんだろうか?

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
What’s your Reaction?
最高
最高
0
いいね
いいね
0
ハハハ
ハハハ
0
うーん
うーん
0
がっかり
がっかり
0
最低
最低
0
コメント一覧
  1. elorde kawashimaで検索すると、エロルデvs川島が観られました。エロルデがどのくらいの選手なのかは、それぞれが観て、それぞれが判断するのが良いですね。
    川島の山下会長は、エロルデの父が主催者だから判定では、、、と言ってますが、その通りになりました。
    エロルデのおじいちゃんが、元祖フィリピーノフラッシュなんですね!

    0
    0
  2. 確かなことは、
    ヴァカもエロルデも、Jerson Mancio(井上尚弥5戦目時)よりBOXRECの点数が低い。

    それだけです。わかりにくくてスミマセン。

    0
    0
  3. 井上尚弥の5戦目でした。スミマセン。
    BOXRECの数字だけでいうと、そうなりますね。
    ナバレッテ戦以外のヴァカやエロルデの試合とか観たことあります? そんな良い選手に観えましたか? 気になります。

    0
    0
  4. それはないでしょう。
    20勝無敗(ヴァカ)
    28勝1敗(エロルデ)
    の世界ランカー相手ですよ。

    0
    0
  5. Jerson Mancio選手をご存じだろうか。
    井上尚弥が4戦目に戦った相手である。まあ世界的には無名の選手なのだか、、、ナバレッテのここ2戦の相手はそれ以下の選手だった。ナバレッテには、フィゲロア最終兵器とやって欲しい。ナバレッテより背が高い。

    ケンシロウにはライトフライ級以下を完全に制して欲しい。BOXREC基準で言えば、すでに具志堅用高を超えているし、もうすぐリカルドロペスを超えるところまできている。

    シャクールも、ヘイニーも、試合が面白くない(笑) メイウェザーJrのキャリア前半は、物凄く獰猛だったよ。
    その点、ジャーボン亭デービスは面白い。ただ、練習しなくなったりして、落ちて行くかもしれない。

    0
    0
  6. まだやってみて欲しい相手もりもりいますけどね。ナバレッテも勝てる相手に防衛しただけで、リゴンドー、ラッセル、スティーブンソンとかだと相性悪そうだし。ただサンタクルスやウォーリントンよか説得力はあるな。

    0
    0
  7. ナバレッテはどうやらあと2戦したらフェザーに上げるつもりのようですね。井上選手との対戦もぜひ見てみたいですが、WBOのチャンピオンだけに、フェザーでのナバレッテ-スティーブンソンというカードの方が実現度が高いかもしれないですね。それはそれでかなり興味深い試合になりそうです。
    それにしてもヘイニー、予想以上に良い選手でしたね。コミーやキャンベルをも上回るという見方は私も同じです。ロマチェンコともかなり拮抗するレベルにあると思いますが、実現しなさそうなのが残念です。

    0
    0
  8. ムンギアは他のメキシカンと違い、リストをきちんと入れず若干スナッピーに打ちますよね。
    あれだと距離を潰されたときに対処が難しい。井上にそこを突かれた。
    その部分をどう修正するかが気になります。

    0
    0
  9. 私は、以前から拳四朗の優秀な空間把握能力を一押ししていたので、同感です。見た目からは、想像も付かない安定した強靭な下半身に体幹を維持できれば、長期政権も確実ですね。後は、私の好物なメキシカンファイターのムンギアを推したいです。まだまだ伸び代があるし、あの威圧感は末恐ろしさを感じます。

    0
    0
コメントを残す

※相手に対し失礼だとおもわれるコメントは削除される場合がございます。

おすすめの記事