
WBOは新たなトーナメントを水面下で計画している。
ライアン・ガルシアがWBOのタイトルエリミネーターを辞退し、エマニュエル・タゴーを回避しWBCのルーク・キャンベルを選んだ事実を踏まえ、新たなWBOライト級王座決定戦を検討している。
ライト級ではWBOの上位6人のうち4人(ライアン・ガルシア、リー・セルビー、ジョージ・カンボソスJr、ホルヘ・リナレス)が他の試合に出場を予定している。
リー・セルビーVSジョージ・カンボソスJrはIBFの王座決定戦として、テオフィモ・ロペスへの挑戦権をかけている。
エマニュエル・タゴーVSデニス・ベリンチクに加えて、ロシアのロマン・アンドレーエフ、イギリスのリアム・ウォルシュ、アイルランドのジェームズ・テニスン、オーストラリアのジャコブ・ンをリストしたWBOのトーナメントが計画されている。
彼らは一部を除き、スケジュールに予定がなく、2019年もリングに登場していない。
7月16日には、13位のフェリックス・ベルデホVSウィル・マデラが予定されている。WBO本部、プエルトリコのベルデホが大勝すれば、ランキングを大きく飛躍させる可能性もある。
WBOはかつて、ライトヘビー級で同じような経験をした。
昨年11月にカネロ・アルバレスがWBO王者セルゲイ・コバレフをノックアウトしたが、カネロはたった45日で王座を放棄した。その王座は現在も空位のままだ。
WBOは3冠王者、ワシル・ロマチェンコへの挑戦者を持ちたいと考えているが、他団体の強引な戦略により、タイトルマッチもままならない。その時点でWBOは新たな王者を擁立する可能性もある。
オラが団体の大事な世界王者が統一王者になったり、統一戦ばかりに目を向けるとランカーにチャンスが訪れなくなる。
WBCやWBAの横暴で人気選手が持っていかれる
WBSSなどの崇高なトーナメントでさえ、参戦できないランカーにとっては悲劇だ。
こうした流れの中で、第二王者、第三王者を擁立せざるを得ないもの仕方のないことかもしれない。カネロのような人気者はタイトルという拍だけが重要で、ルールや義務は無視、獲ったらすぐに返上、空にしてしまう。
ライアン・ガルシアも王者でもないのに同じことをしている。エマニュエル・タゴーは16年間無敗だが、評価しているのはWBOだけだ。
WBOの本音は、WBOらしい正統な王者の誕生。
フェリックス・ベルデホ、かつてはライアン・ガルシアなどより大物アマチュア、期待された逸材だった。
その輝き、期待を取り戻し、強い王者になってもらわねば、ボクシングが内側から崩壊しかねない。