ライバルの夢を載せて/サブリエル・マティアスの船出

来週の土曜日、プエルトリコのハードパンチャー、14戦全KO勝利無敗のスーパーライト級プロスペクト、サブリエル・マティアスが帰ってくる。プエルトリコのファハルドでアルゼンチンのジョナサン・ホセ・エニス(24勝9KO12敗1分)に対して試合が行われる。

マティアスにとっては今年7月19日にIBFのエリミネーターとして当時無敗のマキシム・ダダシェフをストップして以来の試合となる。メリーランド州で行われたこの試合の数日後に、ダダシェフは脳障害のため亡くなった。

マティアスに精神的な重圧がかかると考えるファンも多い。

マティアス
「私はリングに足を踏み入れませんでした。いつもと違うトレーニングをしました。自分の気持ちがどのように働くのかわかりません。でも大丈夫だとおもいます。神は答えました。それ(ダダシェフの死)は心に影響を及ぼさないと。」

マティアスは、試合後にダダシェフのインスタグラムのプライベートメッセージに言葉を送ったが返事はなかった。心無いファンに「お前は殺人者だ」と非難するメッセージを受け取った。

マティアス
「ロシアの多くのファンに殺人者だと言われました。しかし、心ある人は、ダダシェフの身に起きたことは私に起きていたかもしれない事を知っています。彼の死は悲しい。ダダシェフのことを親戚のように感じ苦しみました。」

また、ダダシェフは試合前のコンディションに問題があったのではないかという声も聞いた。

マティアス
「リングの上のパンチだけではなかったとおもう。私はボクシングがいつ死ぬかわからない、深刻なスポーツであることを学びました。精神的にも肉体的にも十分に準備が出来ていないなら決してリングに上がってはいけない。」

マティアスはダダシェフとの死闘を克服しIBF指名挑戦者になった。王者のジョシュ・テイラーは先日WBSSで優勝し、WBA、IBFの統一王者となったが、彼との指名試合を待っている。

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とても辛く、重い気持ちになるが、マティアスの選択は間違いではない。ライバルの想いまで背負い、挑み続けていくことがダダシェフの望みでもあるだろう。あの試合を振り返るのが辛いが、素晴らしい激闘だったことは間違いない。

減量、コンディション、リングでの状態を見極めて、もう少し早い棄権が出来なかったのかどうかだけが心残りだが、ダダシェフは最後までダウンすることなく、コーナーでは「止めるな」と首を横に振っていた。

マティアス戦を引き受けるジョナサン・ホセ・エニスという選手もまた偉大だ。

スーパーライト級は全階級屈指の最激戦区だ。個人的に何人か期待、有望視している選手もいる。

しかしサブリエル・マティアスだけは特別な想いを込めて見守り、応援していきたい。

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