スロースタートは似合わない/井上尚弥VSジェイソン・モロニー 予想

アンケートをやるまでもなく、井上票が高いのは予想通りだが、果たしてどんな試合になるのだろう?
長かったWBSSを経て、試合が少なすぎるのが残念だが、このWBSSの余興ともいえそうな試合に関しては自分の中の結論は出ている。

1486
井上尚弥VSジェイソン・モロニー

井上尚弥VSジェイソン・モロニー 勝つのはどっちだ?

とりあえず、モロニーの直近の試合をみて判断するしかない。
相手のレオナルド・バエズというメキシカンは25歳と若く、18勝2敗となかなかの戦績で、フェザー級でもおかしくない骨格の大きな選手なので、モロニーが小さくみえるが彼もバンタムでは小さくない。井上より大きい。元々Sバンタムの選手ではなかったか。

なので、モロニーが苦戦しているというよりはバエズがかなり強いといえそうだが、結構競った試合だ。バエズにフィジカルの優位と耐久力があるのだろうが、井上だと序盤に倒されそうな決め手のない隙の多い大柄な選手ともいえる。

インでもアウトでもモロニーの方がコンパクトで正確性があるが、バエズの方が荒々しくパンチは狂暴だ。モロニーのパンチを浴びても一発では怯む様子はない。

モロニーはインもアウトも上手く、よく動き回り、精度もバエズよりは良く、ポイントは落とさない。粘りの打ち合い、ボディと相手の出血でTKO勝ちとなった。

21勝18KOとKO率の高いモロニーだが、決して一打必倒のハードパンチャーではなく、コツコツ相手を削りストップに追い込むタイプといえそうだ。出入りを駆使するのでバッティングも起きやすい。かなりのパンチを当て、モロには食わずともかなり被弾する。技巧を支える精神力で成り立っているファイターだろう。

モロニーがどうこうというよりも、この手のタイプは相性的に井上尚弥には困難ではない、井上の圧勝しか予想できないのだ。

手数と執念タイプのモロニーだが、レオナルド・バエズと井上ではスピードもパワーもリズムも違う。根性比べの打ち合いは成り立たない。全てのパンチが食えば終了するほどのスピードとパワーが井上にはある。テンポももっとずっと速い。

となると、モロニーとしては動き回ってアウトで対処して密着すればクリンチ、あるいは真逆に接近戦のボディ打ちが活路になっていく。モロニーのボディは上手いがやはりスピードとパワーが井上とは違う。

持ち味の粘りが全く通用しないタイプとおもわれる。

やはり井上尚弥にとって脅威なのは、バンタム級で異様なビルドアップをしマッチョになったカシメロのような、得体のしれない強みを持つ規格外のファイターであり、モロニーのような教科書的なタイプではない。

超速とキャリアのゲイリー・ラッセルjr
鬼フィジカルのエマニュエル・ナバレッテ

彼らだと2階級も上だからせめてアマの大物、ムロジョン・アフマダリエフ

このような顔ぶれでないと井上尚弥にとって未知数とはいえない。

ジェイソン・モロニーは平均点は非常に高いが、全てに突き抜けたものを感じない。

決着は早ければ序盤、2回あたり
伸びても、井上尚弥VSアントニオ・ニエベスみたいな試合になるのではないだろうか。

モロニーよりも怪我、アクシデントが怖い。

あとは、千載一遇のチャンスを迎えたジェイソン・モロニーの決意、精神力に裏打ちされたタフネス、気持ちが充実しているだろうから、それがどこまで発揮できるかだ。レフリーにストップされるまで、この男は諦めないだろう。

井上は見切りがよく余裕があると、遊ぶ部分がある。
ドネアとの初回は余裕があり、尊敬する相手とチェスのような試合を楽しもうという意図がみえ、2回に眼底骨折の被弾をした。

ロドリゲスとの初回は余裕がなく、強く攻めてくるから応戦し2回で片づけた。

試合を楽しもうとか、モロニーの持てる技を受け止めようとせず、初回からエンジン全開で潰すべきだ。

あれだけのスピード、パワー、研ぎ澄まされた肉体と、練習に裏打ちされた究極のコンディション、感覚を持ってリングに上がるのだ、井上尚弥は初回、序盤が一番強い。長引くこと自体があまりよろしくない。

世界は井上尚弥にブルース・リーを観たがっている。
わかりやすい強さを求めている。

驚嘆するような内容でこの試合に勝つことで、キャリア的には少し早い気がするが、マニアにしかわからないロマチェンコが後退した今、P4Pナンバーワンになるだろう。

ということで

井上尚弥の鮮烈なノックアウト勝利

しか予想できない。

にほんブログ村 格闘技ブログ ボクシングへ にほんブログ村 格闘技ブログへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
What’s your Reaction?
最高
最高
0
いいね
いいね
0
ハハハ
ハハハ
0
うーん
うーん
0
がっかり
がっかり
0
最低
最低
0
コメント一覧
  1. ドネア戦(というか以前からですが・・・)で気になった2点が改善されているか注目しています。
    ・ぴょんぴょんと上下に跳ねて重心が高くなる事がある点。
    ・力むとオープンフックを繰り返してガードがガラ空きになる点。
    この2点は、今後に向けて絶対に改善しないといけないでしょうね。

    0
    0
  2. モロニーは状況によってファイトスタイル、戦術を使い分けられる辺りが長所だと思う
    ロドリゲスと比較すると、ボクサーとしてはロドリゲスが上だが、彼はピンチになっても自分のボクシングで勝とうとする嫌いがあったように思う
    二人がやった時、ロドリゲスはくっつかれた時に終始対応できてなかったように見えたし、井上戦の時は2Rになっても何も変えてこなかったとのこと
    プランBが実行できるボクサー自体そもそも少ないけれど

    0
    0
  3. モロニー次第だが、過去試合見るにつけ、この程度の相手に苦戦するようではP4Pを議論するレベルではないという印象しかない。

    0
    0
  4. アクシデントが一番怖いですよね。

    それとやっぱり本人にそんな気はないとは思うのですがドネアの一撃をもらったようにどこか気の緩みがあるように思えます。

    前回の苦戦、負傷がどう影響するか。
    けして簡単な試合ではないと思えます。
    (って予想したら速攻倒しそうな気もしますね。笑
    基本判官贔屓なので予想が当たりません!!)

    0
    0
  5. 小原圭太だけが、今のところモロニーの勝ちを予想していますね。
    モロニー対ロドリゲス戦を見て……、井上尚弥のKO宣言を見て……というのが根拠らしいですが。

    アントニオ・ニエベス戦のときも、KO宣言の井上尚弥は力んで、良くなかった面もありましたが、内容的には圧倒的な差でした。
    相手が元々、上の階級の選手、フィジカル優位宣言のところも共通してますね。

    井上尚弥がカットや拳の負傷をしないと、やっぱり誰も勝てないと思います。

    0
    0
    • 小原圭太ってドネア戦の時も自分の採点では井上の負けと言ってたんですよね。あの人、井上のこと嫌いなんかなあ。

      0
      0
  6. 前回の反省から井上はいつもよりもディフェンシブに、それとモロニーの耐久力を信じて8Rぐらいまでは粘ると予想。

    井上の左フックをダッキングしてからの左フックをモロニーが当てることが出来れば、試合は面白くなる。ロドリゲスは外して、ドネアは当てた。修正力が高いモロニーなら終盤には出来るかもしれない。でもその前に沈みそうだけど。

    0
    0
  7. モロニーはドネアと同じように、井上にプレッシャーをかけてくると予想します。
    そのプレッシャー対して、井上は下がらずに、体重をのせた強いパンチで対処すべきだと思います。
    ドネア戦でも井上は、下がらされてリング上で不利なポジションに置かれた時にピンチ(2R・9R)はおとづれています。
    出来るだけロープを背負わず、逆にプレッシャーをかけて欲しいですね。
    前に出た時の井上の動きはかなり良いです。

    0
    0
  8. 井上チャンプはファーストコンタクトでも対戦者を斬って落としますから、目の離せない試合になりそうですね。私も予想では、モロニーが経験したことのない井上チャンプの圧に困惑して、ニエベスのようなマラソンボクシングになり、レフリーストップかセコンドの降参TKOになるかなと考察してますが。どう考えても井上チャンプの圧勝ですね。

    0
    0
コメントを残す

※相手に対し失礼だとおもわれるコメントは削除される場合がございます。

Boxingの関連記事
おすすめの記事