余韻に浸る間もなく、世界ではもっと注目度の高いP4P頂上決戦クロフォードVSスペンスが行われますが、どちらかが余程圧倒的なパフォーマンスをみせない限りは井上尚弥のP4Pナンバーワンは確実かとおもわれます。
クロフォードVSスペンス
これ、身近な人にはその偉大さを伝えているのですが、日本人には伝わらないなぁ。仕方ない・・・
キャリアが少ない、対戦相手の質が低い、なんと言われようと、現在可能な限り、階級で最強の相手と対戦し圧勝し続けている。そのパフォーマンスはもうロマチェンコ幻想、メイウェザー幻想、パッキャオ幻想を超えています。パッキャオの偉業だけはクレイジーですが。私の好きなリカルド・ロペスも超えています。
スティーブン・フルトンのパフォーマンスは素晴らしかったです。
スピードと技術で拮抗していましたし、あのパンチを受けて立ってくるメンタリティとタフネスも賞賛ものです。極めて難攻不落な完成度の高い王者であると再認識させられました。井上以外のSバンタム、またはフェザー級で再び王者に返り咲いでも不思議ではないです。
しかし、井上とはモノが違いました。
パワー差が歴然で、なんとか対抗することは出来ても、優勢になる、効かせることは全く出来ず、初回を終えて安心して観戦することが出来ました。
ジャブひとつ、ガードの上からの威嚇の一撃、空振り、反応、心の余裕
なにをとっても井上の方が破壊力があり、余裕があり、威風堂々としていました。初回を終えて、フルトンは「どうすりゃいいんだ」と困惑したことでしょう。
フルトンのようなアウトボクサー相手だと、レオやフィゲロアやケーガイ、ローマンのように、ガンガン押し込んで接近戦で潰そう、ねじ伏せようと考えがちですが、フルトンはそういうタイプをいなして勝ってきました。なので井上は突っ込み過ぎず、フルトンから仕掛け、出てこないといけないように仕向けたとのことですが、お見事でした。ジャブの差し合いも距離も支配できるから出来る芸当ですが。
観戦を終えて眠りにつくころふと考えました。
今までの井上の対戦者
ナルバエス
マクドネル
ロドリゲス
ドネア
あたりは、井上に本気で勝てると信じ、時に挑発し、自信を持ってリングに上がりました。
そしてその究極がフルトンでした。
井上は小さいし、すごいと言っても下の階級の話だし、俺の能力とインテリジェンスが上回ると・・・
それであの内容です。無敗キラーがあっさりと斬られてしまいました。
その他
ネリやカシメロがずっと挑発してますが、自身の直近の試合内容は、相手がフルトンの足元にも及ばないのに全く冴えません。
試合後にタパレスと試合の約束をしていましたが、現実的にはタパレスは勝利よりも対戦すれば大金が入ることの比重が重いだろう。これで引退してもいいほどの名誉と大金。もちろん、必死に準備、トレーニングはしてくるだろうが。
もう、これからは、本気で井上に勝てると自信を持って挑発、挑戦してくる者はいなくなるだろう。やるとしても、それは名誉と大金目当てであり、事故的にパンチが当たって倒せればラッキー
くらいのモチベーションしか湧かないはずだ。
それくらい、勝てる要素が見いだせないほどのパフォーマンスでした。
フルトンはフェザー級王者のブランドン・フィゲロアにも勝っているので、フェザー級でさえ、大きな口は叩けなくなりました。
Sバンタムのデビュー戦、井上は減量が楽になり躍動していました。まだ調整の余地があるとかで、しばらくはSバンタムに留まる、4団体統一をする、タイミングがあえばランカーとも指名試合をする、2年くらいはこの階級にとどまるものとおもいますが、初戦にして最強の王者を圧倒してしまいました。
あとに、どんな仕事が残っているというのだ?
パッキャオにはライバルがおり、何度もマルケスと対戦し、最後は事故的なパンチを食らい壮絶にノックアウトされてしまいましたが、残るは井上がポカする日を祈るしかない状況でしょうか?
P4P一位
文句のつけようがないパフォーマンス
この偉大なるスターにはもはや、ロマチェンコやシャクールやタンクのような体重の違う無謀な冒険マッチしか選択肢がないのだろうか?
個人的には、今のまま、いつも最良のコンディションで、既に獲ったようなものですが、最終到達点はフェザー級
でいいとおもいます。
身体が危ない無謀なエンタメマッチには出て欲しくないです。
芸能人とかのタニマチに連れまわされて欲しくもないです。
生観戦は抽選だったというが、ああいうVIPは特別なのだろうか、それともお金さえ積めば抽選ではないのだろうか。
みんな日本の著名人かもしれませんが、井上は世界の至宝です。先輩風を吹かせ、近寄らないでください。
補足
ロベイシもやっぱり素晴らしかったですね。
空中フック
パッキャオしかり井上しかり、ボクシングは足