デービスはロマチェンコより強いかも・・・P4Pリストに入んないのが不思議とおもうほどだが、この試合は愉しみだ。
デービスは7歳でボクシングをはじめ、トップレベルのアマチュアキャリアを形成してきた。
ロメロは17歳でボクシングをはじめた。それまではノースラスベガス出身の元柔道チャンピオンだった。
オッズは少なくとも、10-1でデービスを支持している。
ロメロは下手くそ、型破り、勝負にならないと言われているが、彼ならではの魅力はある。
デービス
「ロメロが不器用だとは思わない。ただ、彼はまだ初心者のようだ。不器用なんかじゃなくて、ただのバカだ。」ロメロ
「タンクは他の選手と同じさ。ブローナーがマイダナと対戦したときボコボコにされたのと同じようなるよ。この試合はブローナーVSマイダナの再現になるさ。」デービス
「お前はマイダナレベルのスキルもない。」ロメロ
「俺はあいつを殴りたい。あいつが嫌いなんだ。あいつの見た目も行動も嫌いだ。あいつは本当にクソみたいな人間だ。リングの中でも外でもクソみたいな人間だ。昔、ヤツが俺を突き飛ばしたとき、俺がヤツに殴りかかろうとしたら、ヤツは警備員の後ろに隠れてしまったんだ。人といるときだけ強気になるけど、一人では世界一のビッチさ。あいつは理由もなく、いきなり俺を突き飛ばしたんだ。
土曜の夜にはヤツは一人になる。
2016年3月の(エロール)スペンス-マイキー(ガルシア)戦の直前、リングサイドでのことだ。フロイド(メイウェザー・ジュニア)があいつを掴んで、「お前はファッキン・カンパニーの恥だ」と言ったんだ。そして、あいつは怖くなってパニック発作を起こしたんだ。フロイドはあいつに、お前は会社の恥だ、馬鹿野郎だと言ったんだ。」
この出来事について尋ねられたメイウェザー・プロモーションズの代表者は、起こったことを否定した。
ロメロ
「起こったことだ、俺は見たんだ。ライアン・ガルシアはタンクをノックアウトするだろうから、彼らはタンクを "Rolly protection services "に入れているんだ(笑)これは本当の話なんだ。これは本当にあったことなんだ。誰もこれを報道しなかったのが不思議なくらいだ。ジェレオン・ラブ-デビッド・ベナビデス戦の直後、スペンス-マイキー戦の直前の出来事だ。アリーナでフロイドが座っていた場所の目の前だ。タンクは理由もなく俺を押した。自分に自信がないからだ。
それが憎しみの元だ 俺が始めたんじゃない。あいつがやったんだ。だから俺はあいつを本当にひどくこき使ってやろうと思ってるんだ。
俺はタンクより速いし、爆発力もあるから、比較にならないよ。レオ・サンタクルスをローブローで倒し、その30秒後にノックアウトした。サンタクルスはそのローブローから立ち直ることができなかった。ジェルボンタ・デービスはクソみたいなファイターだ。あいつが俺にローブローを打とうが、頭の後ろを打とうが驚かないよ。
俺はタンクよりも何でもできる。爆発力、スピード、打たれ強さ、体の大きさ、頭の良さ、すべてにおいて勝っている。」
ゴジラvsモスラ
スキルでは勝負にならないとおもうが、ロメロの自信と彼が、イサック・クルス以上のフィジカルモンスターならば、面白い。このタイミングでタンクはメイウェザープロモーションからも離れたらしいし。
楽しもう。
以下、過去記事
コロナ禍の最中でも少しづつボクシングは復活してきているし、寄り道しないでビッグマッチが実現しやすい状況にはなってきたが、それでも試合枯れで忘れ去られたような王者がいたり、スケジュールが読めないので、先を追えず、熱は冷めたままだ。
カシメロ、ドネアに固執することなく、我らが井上尚弥にはベストな時期にSバンタムに移って欲しいし(そういえばフィゲロアVSフルトンも延期か消滅か)アクティブに活動して欲しい。テオフィモ・ロペスなんて、何度延期してるんだろう、もう忘れそうなほどだ。
そんな中で、久々にワクワクする試合が決まりそうだ。
ジャーボンティー・デービス(26歳)
25勝24KO無敗
アマチュア206勝15敗
もっと評価されていい、P4Pの一角だとおもう。全ボクサーで最も強烈なノックアウトを連発している、小さなタイソン。今は、Sフェザー、ライト、Sライト、同時世界王者のはずだが、評価が追いつかないのは、素行不良と本当の強敵と戦っていないからだろう。ライト級を選んだのは賢明だ。
エキサイティングでキラーインスティンクトの強いメイウェザーのようなスタイルをひた走る。ロマチェンコよりインパクトが大きくタイソンより総合力は高い。前戦、かなり大柄な世界王者、マリオ・バリオスにはやや手を焼いたが、能力差は歴然で、自身は効かず、デカい相手を効かせてノックアウトした。
ロメロとデービスではスキルもキャリアも総合力も大違いで勝負にならないだろうというのが事前予想だろう。しかし、偏屈な自分は、スタイルマッチとしてこの試合を楽しみにしている。
ローランド・ロメロ(25歳)
14勝12KO無敗
かつてメイウェザーが、ライアン・ガルシアが大口を叩くなら、ロメロと戦ってみろと言っていた。スパーでは喧嘩荒くれのロメロが押していてガルシアは逃げたような感じだった。
無敗のままWBA世界ライト級暫定王座を獲得したが、WBAが暫定を廃止するようなので今は無冠だろう。暫定をとったジャクソン・マリネズ戦は負けていたようにみえた。
元々、アメリカ移民であり、柔道か何かをやっていたらしく、ボクシングは下手くそで我流にみえる。ロマチェンコのようなスキルとスピードに翻弄されたら手も足も出ず敗退するであろうクオリティだ。
しかし、ロメロにはオンリーワンの魅力がある。パワーとフィジカル、トップアマ出身者にはない独自のスタイルと、経験が浅いからこその伸びしろ、プロならではの強さが突出している。ジョンリエル・カシメロのような怪物感がある。
マリネズに苦労したかとおもえば、直近の試合では5.2ポンド(2.3kg)もオーバーしたアンソニー・イギットをパワーで圧倒しノックアウト。イギットに準備が足りなかったのだろうが、アマで磨いたスキルではどうにもならないフィジカル、パワー差があった。
イギット戦も雑でラフだったが、独特のタイミングと距離感、格闘センスを発揮し、ダメージもほとんどなし。生き物としての強さのレベルが違うところをみせた。たぶんロメロでも、ホセ・ペドラザあたりにはパワーの一点突破で勝つだろう。
両者ともにメイウェザープロモーションのはずだから、元同門ともスパーをした間柄ともおもわれるが、自信家の両者では相容れないのだろう。互いを罵り、挑発しながら、コロナの影響もあってこんな組み合わせが実現したのだろうか。
オッズでは10-1かそれ以上でデービスが有利だろう。
デービスはスピードもテクニックも最上級だが、多少打たれても、強引にねじ伏せてKOパンチをぶち込むところがある。ロメロは下手だが、教科書にない喧嘩ファイトの倒し屋でフィジカルが鬼、パワーも凄まじい。タフで効かないし、強打の威嚇が効いてディフェンスも悪くはない。
両者の試合はKOが当たり前だろう。
上手い相手にはそれ以上の上手さ、強さを発揮して倒すデービスだが、ロメロのような型破りなタイプだと調子が狂う、あるいはエキサイトしすぎて墓穴を掘る可能性もあるのでは?というのが興味の集約点。
もちろん、8-2くらいでデービスを推すが、計算できない何かを、ロメロは持っている。能力を数値化したら勝って当たり前の相手を倒してきただけに過ぎないデービスがはじめて迎える、数値化できない一点突破を持っているロメロ。
勝負論が出ていたサンタクルスとの試合よりも何倍も楽しみだ。
獣は獣と戦うべし。