血と汗と涙のバトン/カラム・スミスVSジョージ・グローブス

やっとここまで辿り着いた。長すぎる旅の終わりは、神秘的なサウジアラビアのジッダで幕をあけ、新たな旅に突入していく。

ジョージ・グローブスもカラム・スミスも、金曜日の夜に戦いが終わるとはっきりと言った。WBAスーパーミドル級チャンピオン、グローブス、そしてスミスは、決勝はノックアウトで終了すると信じている。サウジアラビアのジッダにある屋外スタジアム、アブドゥラスポーツシティでこの戦いは行われます。

スミス家の4兄弟は全員英国王者になりました。ポールとスティーブンは世界クラスで敗れましたが、リアムは世界王者になり、カネロに敗れました。

3人の兄はカラムが8歳の時に彼をボクシングに導いた。その事にカラムはとても感謝しているが、同時に敗北の悲しみも知っている。屈強な兄が別の部屋では悔しさの涙にくれている姿も。

カラム
「家族が世界タイトルを争う場所にいつもいました。敗北の悔しさ、涙も知っています。自分よりもむしろ、家族の時の方がナーバスな気持ちになりました。

敗北は糧になります。私はアマチュアで負けてオリンピックに行けなかった。辛いおもいをしましたが、敗北は勝利に劣るものではないと母が教えてくれました。それがなければ私は夢を諦めていたでしょう。でも今、私はジョージ・グローブスに十分勝てると信じています。」

スミスはアマチュア時代、アンソニー・ジョシュアと共に過ごした時期があります。

スミス
「彼は才能に溢れていたので今のポジションにも驚きはないです。」

24戦して全勝のスミスは遂に今勝負の時を迎えています。

ロンドンのグローブスとリバプールのスミス、200マイル離れた両者は6月2日にロンドンのO2アリーナで戦う予定でしたが、グローブスの肩の負傷で延期を余儀なくされた。サウジアラビアの投資家はジッダの地でこの試合を開催するに十分な資金を提供した。

トップアマチュアであった30歳のグローブスはカール・フロッチとバドゥ・ジャックに敗れたものの、3度目の正直でヒョードル・チュディノフを倒し、世界王者の夢を叶えた。

グローブスは2011年にはカラムの兄、ポールにも勝っている。

カラム
「グローブスはボクシングもファイトも出来る、IQの高い選手です。でもこのスポーツでトップに立つには全て必要なものです。敗北からカムバックしてきたキャリアも尊重せねばなりません。幾多の試練と涙を超えてきた偉大なキャリアは価値があるものです。それでも私の方が若く、フレッシュでいいボクサーだと信じています。彼からタイトルを、トップの地位を奪い取ります。」

この戦いの勝者が、WBSSスーパーミドル級の最初の王者になります。

カラム
「優勝は全てを意味します。このスポーツは険しく、皆目標は同じですが達成する者はわずかです。世界王者になるために私はここにいきなり現れたのではありません。20年の苦労、様々な起伏があります。その山は険しいですが、頂上に達することは、私自身、家族、サポートしてくれた全ての人々にとって大きな誇りとなるでしょう。」

https://www.youtube.com/watch?v=l_zidGQVC_8

たくさんある記事の中のいくつかを要約しただけです。
カラム・スミスと同じかそれ以上にジョージ・グローブスにも物語があるでしょう。

やっと決着します。長かった。しかもWBSS当初のシナリオと同じ、サウジアラビア、ジッダでの戦いです。

この興行が成功すれば、サウジアラビアの投資家は継続するかもしれませんので、ロシアといわれているその他WBSSの決戦の地に再び選ばれることになるのかもしれません。

カラム・スミス寄りに書いたのは、やはり新たなニューヒーローの誕生を期待したいからです。無敗、191センチの体格、ハイライトなどでは長身なのに接近戦での左ボディ、アッパーが巧みでKOの魅力もたくさんの王者候補筆頭にみえましたが、WBSSでは冴えないです。このレベルではパワーレスと言える接戦での決勝進出です。

対するグローブスは、フロッチに2敗、バドゥ・ジャックにも負け、戴冠したチュディノフ戦も逆転KOで、度々底と打たれ脆さをみせている選手ですが、WBSSでは強さを発揮しています。フロッチをダウンさせた決定力、総合力、キャリアがやはり抜けています。

恐らく、オッズではグローブスでしょう。英国人同士ですが、ロンドンが本拠地のグローブスの方が人気も高そうです。しかし、3兄弟くらいかなとおもっていたら4兄弟、全て世界トップレベルのボクサーで、名王者とはなりきれなかったスミス家の最後の最終兵器としてカラム・スミスを応援したくなりました。(妹が一人いるそうです。)

やや、選手に偏りがあり、英国決戦ともいえた地味なWBSSスーパーミドル級の決勝戦。ようやく迎えたこの戦いがエキサイティングに幕を閉じないと、心新たにシーズン2にも向かえない。若く、フレッシュな野心に燃える兄弟ボクサー、カラム・スミス、最後に残った一番大きな弟が、翌月に開催されるシーズン2、同じく若く鮮烈な兄弟ボクサーの井上尚弥に縁起のいいバトンを渡してくれることを願います。

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